KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

そういえばセグウェイはどこ行った?

今更ながら「ネット社会の文章構成の難しさ」というものを色々な面で考えさせられます。今日はちょっと仕事のメールを間違って送信してしまって、多方面に迷惑をかけてしまいました。また失敗です(><)メールを送信した後に、「やっぱあのメールなかったことにする機能」があれば良いんですけどね。名付けて「うそうそ、ほんまほんま、うそ、ほんま機能」があれば良いんですけど(なんのこっちゃ(-。−;))。

プライベートのメールでも、一字一句をよく考えないで送信してしまうと相手に誤解を与えたり。メールは「One way」で一方通行であり、相手の文章の途中で反論したりされたりできませんから、一度すれ違うとドンドン取り返しがつかなくなってしまいます。ちなみに今度のドコモのFOMA新シリーズもワンプッシュトーク機能(トランシーバーのように携帯を使って、ボタンを押している間、こちらが喋っている内容が伝わる機能)がウリらしいですが、敢えて「One way」通信にしたところにドコモの戦略が見え隠れします。また若い人たちが面白い使い方を見つけるのでしょう。

このブログもそうです。こんな駄文でも念のため更新前に2,3回読み返しています。ブログの場合はまだやり直しがききますが、私の場合メインは特に株のブログですから、後で編集となるとデータの信憑性が問われてしまいます。ブログの場合、編集すると時間がきちんと編集時間に記録されますから、改ざんしたとしてもそこでバレますけどね。しかも私の場合、同内容でメルマガも発行してますから、もう隠しようがないですね。株のサイトで「うそうそ、ほんま(中略)機能」があれば楽でしょうけどね。

まあ、やり直しがきかないから面白いんですけどね。ゲームの世界でもウィザードリィとかファイヤーエンブレムは死んでしまうと復活できないから面白くてはまってしまうわけです。コアな話ですみません(・・。)ゞ

そんなやり直しがきかない人生、色々試せることは試して悔いのない人生にしていきたいですね・・・と、強引にまとめて今日の小説に移ります(;^_^A

例に漏れず、前回までの小説は日曜のブログを参照してください。

                     台風一過

第八節 白日の下に晒されれば良いのだが

徒歩で会社に向かい、ビルの管理人に事情を話し早めに職場に入れてもらう。オフィスでは同じように帰れなかった社員が数人リフレッシュルームのソファーで仮眠をとっていた。私も最初からそうしてれば良かったに違いないが、今更言っても後の祭りである。

やがて太陽が完全に顔を見せ朝が来た。空は今日も透けるように青い。会社近くのコンビニにとりあえず朝飯用のパンとコーヒーを買いに出かける。普段なら他社のコーヒーを買うところであるが、それではさすがに自社に持ち込めない。いや、別に含むところがあるわけではないが、他社のコーヒーを調査するのも仕事のうちだと思っているからである。うん。

レジを担当している大学生であろうバイトは普段よりも感じが悪かった。客の顔も見ずに形通りの挨拶を小声でぼそぼそとし、せっかくのパンにバーコードリーダーをこれでもかという感じで押しつける。お陰でパンの形が若干変化してしまったが、それ程気の強くない私は何も言えなかった。

ここのコンビニは業界4位で、1位との差を大きく開けられている。詰まるところこういったバイトを含めた従業員教育の差が出ているのであろう。確かに深夜勤務で間もなく交代の時間が来るようであり、疲れもピークに達しているようではあるが、利用者がそこまで相手の気持ちを汲んでやる必要はない。今日は朝からついていない気分でいっぱいになる。

自分の席で黙々と朝食をとってもつまらないので、リフレッシュルームへ向かう。すでに数人集まり、テレビを見ながらぼやきあっていた。
「何だかロクな事件がねーなー。一体日本はどーなっちまうんだ!?」
「やっぱり教育が良くないんだよ、教育が。子供の時に生き物と接する機会がないだろう?最近じゃカブトムシもテレビゲームやカードの中で採集されているらしいぜ。」
「巨人ももうダメだな。俺が監督をやった方がまだマシだよ・・・」

私より年長組がテレビ前を陣取っており、いささか気後れしたような感じで少し離れた席に座りテレビを眺める。今朝もやはり最近の事件の話題からスタートだった。私はここでふと思った。これは関東だけに起こっている事態なのだろうか?さしあたりニュースは放送枠いっぱいに関東地方の事件を連日伝えており、他の地域まで紹介する余裕はないようであった。

テレビの中にディレクターらしき人物が一瞬映り、女性キャスターに原稿を一枚渡す。この女性キャスターも普段は化粧も万全に、隙のない立ち振る舞いや表情を見せているが、最早そんな暇さえないのだろう、顔から艶の文字は消えていた。化粧をする暇があるのなら一秒でも長く寝ていたいに違いない。
「今入ってきた情報に因りますと、政府はこの後10時から国家公安委員長並びに厚生労働大臣から重大な記者会見があると発表しました。」

テレビの前に陣取った年長組がざわつく。このタイミングでの記者会見とは、ほぼ間違いなく今回の一連の奇妙な事件に関わることであろう。今まで事件の推移を見守るしかなかった政府がついに重い腰を上げたのか、というところだった。いずれにせよ、これによって一連の話は新たな局面は迎えそうだ。それにしても国家公安委員長はまだわかるが、厚生労働大臣と一緒とは奇妙な組み合わせである。一体どういった会見になるのだろうか。

通常の勤務時間に突入する。だが結局今日は昨日の半分の社員も定刻通りに出社してこなかった。上司の平井も今日はさすがに休むとのことだった。これだけ一斉に有給を使われたら会社としてもやるせないだろう。だが状況が状況だけに致し方ないことだった。2000年を過ぎても空飛ぶ車は発明されておらず、渋滞や遅延が発生すると他に移動手段はなかなか見つかるものではない。

私は有給ではなく、無断で帰ることにした。何しろ上司もいなければ部下もいない。何もできないのだから。仕事といえば時々鳴る電話の受話器を取り上げ、相手に状況を説明すること位である。それならばいっそ・・・と判断した私を誰が責めることができるだろう?そしてしばらくは私もこの職場には顔を出さなくて良さそうだった。

さしあたり10時となったので、退社前にテレビの記者会見だけは見ていくことにした。テレビが唯一置いてあるリフレッシュルームに立ち寄る。既にリフレッシュルームは社員でいっぱいで、ほとんどすし詰めの状態であった。今日出社してきた人間の全てがこの一室に集まってきているのではないか。皆今日本に起きていることを少しでも確認しようと必死である。

テレビ局はどこの局も臨時ニュースと称して政府の記者会見を映し出す。普段であれば芸能ニュースや韓国ドラマの時間であるが、このタイミングで定時の放送をするのは教育テレビだけだ。

もっとも、同系列の国営テレビではきちんと記者会見が放送されている。ここのテレビでもチャンネルはしっかりと国営に合わせられていた。こういう時こそ受信料を払っている甲斐があると言えるだろう。中身はどの局も変わらないはずであるが、一番当たり障りのない選択である。

記者会見がいよいよ始まろうとしていた。日の丸が掲げられた会見場が公的な場所であることを示している。厚生労働大臣と国家公安委員長が時間通り揃って席に着く。二人の経歴は良く知らないが、いつも見て思う事は厚生労働大臣の髪が人工的であるということだった。もう少し金をかければ良いのに・・・とはいつ見ても思う感想である。

「昨今世間を騒がせている一連の事件に関して、まず国家公安委員長から説明があります」
いよいよ会見が始まろうとしていた。恐らく日本中の国民がテレビの前で固唾を飲んで会見の様子を見守っているであろうが、私の属する空間も例に漏れることはなかった。(つづく)