KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

今日は何の日?ふぅふぅっふぅー

私の持っているMDコンポ(アイワ製)は電源をつけると「今日は何の日?」というのが表示される機能がついていて、それによると今日は「香り記念日」だそうです。何ででしょうね?ネットで調べてみると「石川県七尾市が1992(平成4)年に制定。1992(平成4)年、七尾市で第7回国民文化祭「世界香りのフェアIN能登」が開催された。」からだそうです。

一般的に記念日というのは女性の方が大切にする傾向がありますね。私の好きなアーティストで神崎まきさんという人がおられますが(今は活動休止中のようです)、その人の歌「わたしがイチバン!!」という曲の中で(元は「地震・カミナリ・火事・わたし」という曲のリメイクです。マニアックな話ですみません(;^_^A)「女なんて記念日が生き甲斐なんだから。カレンダー赤丸で埋め尽くしたいのよ」という歌詞があります。高校生の時に聞いて、そんなもんかなーと感じた記憶があります。記念日という単語で連想されるのも俵満智さんの「サラダ記念日」ですしね。

先月同窓会をやったとブログにも記載しましたが、その同窓会に来ていた友人の一人は奥さんに車で駅まで送ってもらって来たそうですが、車を降りる時に奥さんにポツリと一言「今日は結婚記念日なんだよねー」と言われたそうです(・・;)そんな彼は結局同窓会で午前様・・・(-。−;)「どうしよう・・・」と家に帰るのを恐れていたのが思い出されます(・・;)男性は女性の記念日に対する記憶力に頑張って合わせていくしかないですね(;^_^A

さて、今日は毎週日曜の小説の日です。実は今回で小説の書き貯めが底をついてしまいました。ピンチです(・・;)いよいよ来週は「落として」しまうのか!?その辺のスリリングさも味わいながら読んでみてください(;^_^A前回までの分は各日曜日分のブログを確認してください。

                     台風一過

第九節 細菌記念日

公安委員長は50過ぎの女性であった。公安という悪いイメージを少しでも緩和するための策として女性を起用したのであろうが、そもそも公安委員長が誰であるかは世間にあまり知られていない。名前がテロップに出て「あぁ、こういう名前だったのか」という位にマスコミへの露出が少ない。確かに日本は公安が頻繁にテレビに出る程治安は悪くない。いや、それは最早過去形で語られる話である。

「今回国民の皆様にお伝えしなければいけない事は、最近各報道機関より連日のように報道されております、連続して発生している凶悪犯罪についてでございます。国民の皆様に安心して生活していただける環境作りに政府、関係省庁並びに警察、地方自治体・・・」

前フリがやたらと長く、なかなか本題に入らない。国民のほとんどが苛立ちを感じているだろうが政治家という人種はおよそこういうものだ。形式というものは必要かも知れないが、臨時発表する程の非常事態であるならば臨機応変に対応してもらいたい。そして、5分程度現在の捜査状況や警備強化の具体案等が述べられた後、結局公安委員長の口からは、こちらの欲求を満たすような目新しい発言は出てこなかった。

「続きまして厚生労働大臣から説明があります」
厚生労働大臣が壇上に上る。アメリカ風のスタンドアップスタイルの会見になったのはいつ頃からか。私が子供の時は、会議場のような場所で会見が行われていたような気がするのだが・・・等と余計な事を考えているうちに、大臣が話し始めた。

「私から国民の皆様にご説明差し上げる件は、先般国家公安委員長から説明がありました一連の事件が発生した原因についてでございます。一連の凶悪犯罪の被疑者を取り調べ判明した事例に因りますと、それぞれの被疑者から採取した尿の中から同一の未知のウィルスが発見されました。このウィルスを各研究機関に分析を依頼したところ、脳神経に作用し、精神異常を起こす結果に繋がるとの研究結果が報告されました。そのウィルスに感染した患者が理性を蔑ろにした凶暴ともいえる素行に走り、昨今の事件の発生に繋がっているわけです。」

その場に居合わせた一同は愕然とした。ついにこの不可解な、連続的ではあるが組織的ではない事件の原因が特定されたわけである。リフレッシュルームが異様な緊張感に包まれる。逆にパニックとなって騒ぎ立てる人間はいなかった。皆、会見の続きを一言一句聞き逃さないように必死に聞き耳を立てている。

「今回のウィルスは発見者の宮里大学医学部名誉教授、門島貴之氏と、フェルナー製薬主任研究員アレックス・ミッチェル氏のイニシャルをとって”K=Aウィルス”と命名されました。」

未知のウィルスに固有名詞が振り与えられた瞬間であった。

「このK=Aウィルスに関しては、発見者である門島教授からご説明いただきます。」

大臣に代わり、インテリっぽい白衣の男性が壇上に上がる。年齢は60前後というところだが、髪は黒く、背筋も真っ直ぐと、若々しい感じではある。名前と肩書きがテロップで示される。肩書きは「全国医師連合会理事 宮里大学付属病院医務局長 日本菌類研究所長」とやたらと長く画面に入りきらないため細かい字で大量に書かれている。

「このK=Aウィルスが一体どのようにして我が国にもたらされたかをご説明致します。我々がまず目をつけたのは一連の事件が最初に発生したのが7月26日の夜分遅くであるという部分です。その日は大型台風7号が日本列島を縦断した日であることから、台風が発生したフィリピン諸島の密林の中で今まで人目に触れることがなかったウィルスが、台風に乗って北上してきたのではないかという結論に達しました。」

教授がフリップに描かれた図と共に説明に入る。説明によると、一般的に反時計回りで風を吹き散らしながら進む台風がウィルスを巻き込んで日本にまで届ける確率は極めて低いのだという。何故ならほとんどが海上で飛び散り、日本に到着する前の段階で四散してしまうからだ。

ところが今回の7号の場合、上空に向けて上昇する気流が強く、そのためウィルスが落下してきたところをトランポリンのように再度巻き上げられ四散せずに日本まで運ばれて来た。日本に到着した段階で台風の勢力が弱まっていた結果、雨雲の中に混じったりしたウィルスが日本国内で撒き散らされることになったらしい。特に高層ビルの多い東京では、ウィルスが落下しやすい環境となり、多くの人間に感染させる結果となった、とのことである。

「このウィルスの注意すべき点は空気感染するということです。キャリアの呼気にウィルスが混ざっており、その際半径1メートル以内に近接したノンキャリアに感染する確率は70%〜80%程度とみられます。潜伏期間についても現在調査中ですが、今まで人類が感染したことのない未知のウィルスであるため、人間の体の中には免疫が用意されておらず、抵抗力がありませんからいずれは発症することになりそうです。我が研究所が現在ワクチンを開発中でありますが、未だ完全なワクチンの完成には至っておりません。」

原因がウィルス!頼りない教授の発言に皆沈黙し、それぞれの顔に不安の文字を浮かび上がらせながらそれぞれの考えを巡らせていた。直接死に至らないのはまだ救いがあるが、それだけに話が厄介になっている面もある。

人類は今までに様々な発見をしてきたが、今日は細菌学の歴史上に新たな1ページが加わる記念日となったようである。そしてその記念日はおよそ誰も幸せにしない最悪な1ページであった。(つづく)