KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

ソフトクリエイト(3371)についての詳細

今日は市場もお休みなので、昨日新たに推奨銘柄としたソフトクリエイト(3371)について考察したいと思います。

ソフトクリエイトのIR
http://www.softcreate.co.jp/system/contents/contents.asp

この会社は元々首都圏の小さなパソコンショップでしたが、昨今のビックカメラヨドバシカメラといった巨艦家電量販店の攻勢にさっさと業態の変化を決定し生き残りを図りました。

現在ではITのシステム開発を手がけるSI(システムインテグレーション)事業とITインフラ提供事業が柱となっており、当初のパソコンショップ事業はネット通販の「特価.com」に集約され、現在では事業全体の2割程度しか占めていません。そしてこれら3つのセグメントは、それぞれ互いにリンクしあい、シナジー効果を生み出して効率の良い事業モデルとして成立しています。

主力商品は「ecbeing」というソフトで、これは各企業がネット上で店舗を出店する際のコストを従来の1/10とできる強力な商品です。Eコマースと呼ばれて久しいですが、未だネット上に店舗を出店せず、リアルな店舗で商売をされている企業も多く存在します。そういった手前でネットショップを構築できない企業をターゲットに売り込みをかけています。

今のご時世楽天を始めとするネットモールは多数存在しますが、まずネットショップのノウハウのわからない企業はそういった大船に乗ってスタートします。そのうち軌道に乗ってくると、自前で独立したネットショップを構築したいと思ってくるでしょう。楽天の集客力は有り難いのですが、やはり出店料を所場代として払わないといけないからです。

先日楽天が新規出店料を引き上げ、既存店も来年から引き上げると公表しました。となると、より一層独立しようとする店舗も増えてくるかと思われます。そこで「ecbeing」を購入して自前でネットショップを構築という期待が生まれてきます。

他にも書類作成ソフト「X-Point」やPCの不正検知ソフト「L2Blocker」など、ソフトの品揃えも次々充実させ、開発力の高さを伺わせます。特に先日「政府・与党は、パソコンやファクシミリなどを購入した企業に対するIT減税を、2005年度末で廃止する方針。代わりに、インターネットやパソコンの情報セキュリティー対策を進めた企業に対する新たな投資減税を検討」と報じられており、これが実現すれば、ソフトクリエイトにも恩恵があると思われます。

企業提携にも積極的です。ここ半年でサイボウズ(4776、昨今の株価の上昇は見事)、ディー・エヌ・エー(2432、今年マザーズに上場)、ウッドランド(4652、村上ファンドが大株主となって話題)と株をやっている人ならその名前は知っている名だたる企業と立て続けに業務提携を発表し、ビジネスパートナーを拡大していっています。

その甲斐あってか、業績も勿論順調です。先月の中間決算、通期見通し共に上方修正を発表。特に通期見通しは更なる増額も期待できる数字となっています。

また、先日行われた中間決算説明会での社長の発言によると「仕事が多すぎて忙しい」「中期経営計画を現在の倍に」「M&Aをどんどん実施していきたいのでファイナンスを」とのこと。積極的に業務を拡大していきたいようです。

株式の需給的には昨日のブログでも書きましたが、3分割の子株が還流し、市場に流通する量は増えている状況です。そのため、株価は下落の一途を辿っていましたが、ようやくそれも一巡したようで現在は反転しつつあります。これまた社長曰く、機関投資家の持ち株比率が2%未満と少ないために、これからどんどん機関投資家への説明会を通じて持ち株比率を高めてもらおうとアピールしているとのこと。

9月末時点での浮動株比率がいくらになっているかは次の四季報辺りで明らかになりますが、子株還流前の出来高を見てみればそれ程高くないのもわかります。それが子株の還流により、流動性が高まるにつれ、機関投資家も入り込み易くなるのではないかと思われます。私はつまり需給悪化が逆にプラス要因になると考えています。

IRも積極的な会社です。マンスリーニュースを毎月頭に公表し、業績の動向をつぶさに発表しています。また株主に対するディスクロージャーも良く、上記の「ファイナンス実施発言」によって既存株主から不安の声が挙がった際にも当面はファイナンスを実施する予定はないと説明しています。まあそれならこの段階で言うなよ、という感じですが・・・。ですが、私はそもそもM&Aのための積極的なファイナンスならむしろどんどん実施して、企業価値を高めていくのがひいては既存株主の価値を増大させると思っています。

チャート的にはMACDがいよいよ好転し、長期下落相場の終焉を示唆しています。これまた昨日も書きましたが、完全に上昇トレンドに乗ったと確認できるのは75日線を5営業日上回った時点です。ただ、現在の株価水準は上場来安値(分割前の9000円→3000円)近辺ですし、見切り発車で仕込んでおいても大損はしない水準だと思います。

目標株価は大きく出て10000万円です。つまり時価総額ベースでいくと400億円程度の規模までは十分に行けると思っています。時間は半年ほどかかるかも知れないですが、それだけのポテンシャルを持った会社であると思います。

若干お調子者の感がある社長ですが、その憎めないキャラクターに夢をかけてみようと思われる方は是非どうぞ。