KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

GCAサヴィアングループ(2174)のレポート

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3ヶ月以内投資判断「中立」
買いのタイミング 第三四半期発表前後(10月下旬頃)
目標株価 3ヶ月以内 7万円

要点
・中間期の内容は厳しさが残りそう
・M&A市場自体は前期下半期辺りから回復傾向にあり、業界環境は更に改善していくものと思われ、先行きには成長余力がある。
・株価の変化点は10月下旬。ただしその他の要因で突発高する可能性は常に残る。
・業績改善のカギはアメリカ市場の回復、アジア市場への進出。
 

【企業概要】
GCAとアメリカサヴィアンの共同持ち株会社。その形態になってから08年東証マザーズに改めて上場した独立系M&Aアドバイザリー。国内外の案件に強みを持つ(特に日米)。最近では市場で話題になった岩井証券によるコスモ証券の買収も同社が手がけた。7/29に中間決算発表を予定している。

【業績】
例年着実に買収案件は増やしてきている。ただ同社の場合成功報酬が大きなウェイトを占めるため、一件当たりの案件の長期化・少額化により、収益面では苦戦している。1億円以上の大型報酬の案件が全報酬に占める割合は08年は2/3だったのに対し、09年は4割、今第一四半期では1割にまで減少してしまった。

特に第一四半期はアメリカでの案件がなかなか収益に結びつかなかった。アメリカの売上の前年同期比は54%減の287億円と前年比300億以上の減収要因となっている。売上に占める日米の比率も前々期までは海外案件の方が多かったが、前期で日本が2/3を、今第一四半期の段階では日本が8割を占める形となっている。アメリカでのM&A市場規模は前年から大幅な減少が続いており厳しい状況が続いている。

ただこの辺りの数字は、通期を通して見ればある程度ならされてくるだろう。それでも第二四半期での海外の盛り返しはある程度期待できるものの、なかなか大幅な回復は期待し辛い。為替の円高傾向もマイナスに作用する。

一方で業界環境は悪くない。世界は同時不況から少しずつ抜け出しつつあり、また企業の内部留保が高止まりしている事、より一層の国際競争力を高めていく必要が有ることから、M&Aの案件は増加していくものと考えられるからだ。

10年6月中間期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   3400
営業利益 −30
経常利益 −30
当期純益 −35

第二四半期は会社側が公表する実績などから見て、第一四半期以上の数字はクリアできるだろうが、累計利益ベースでの黒転は望めないのではないか。ただし同社の業績は案件が期間内に終了するかどうかで大きくブレがある事には注意が必要。

会社は通期見通しをやや楽観的に捉える姿勢があると思われる。2月時点の通期見通しと7月現在の見通しでは市場の雰囲気もやや悪化しており、先行きについてはもう少し保守的に見積もらざるを得ないだろう。

季節的要因として、同社の場合は最終四半期に大きな案件が成約する傾向にある。つまるところ通期業績は最終四半期の出来に大きく左右されると言える。

なお、財務状況に関しては無借金経営であり、悪くはない(在庫などを持ち合わせるような業態ではないため当然と言えば当然)。倒産等のリスクは極めて低いものと考えられる。

【株価推移】
2008年に再上場してからは市場環境の悪化もあって株価は下落の一途を辿る。5/25には上場来安値71600円をつけ、ピーク時からの1/7以下の水準にまで落ち込んでしまった。前期10月に出した大幅な下方修正が水準を切り下げ、もういいだろうと思って買った投資家が投げ売りに回る最悪の需給環境が続いている。

どこで下げ止まるかというところだが、少なくとも足下では積極的に買いに向かうタイミングではない。買うにしても打診買いに止めておくべきだろう。やはり中間決算が一つのターニングポイントと成り得るであろうが、上記に示したように、中間期の時点ではまだ不透明要因が大きく、株価が上向くとは正直考え辛い。第三四半期発表辺りまで横ばいを維持するのがせいぜいではないか。

ただし株価は既に随分と業績の悪化を織り込んでいると見る。長期的に考えれば概ね底値圏には達しており、長期投資という観点から見れば下落余地よりも上昇余地の方が大きいと思われる。

【テクニカル】
6/28の急上昇・急落は小型株特有の一つのエラートラックとして捉えられることから、指標面では騙しを多く含んでいるように見受けられる。慎重に見極める必要がある。

足下では株式市場の動きにもかかわらず、少しずつ下値を切り上げている事がわかる。きっかけ次第では大幅高が期待できる水準ではあるが、まだ下落トレンドが止んだと捉えるのは時期尚早。日足の一目均衡表は雲が厚く、一度入り込めばすんなり上がっていくだろうが、パラボリックがそろそろ暗転するであろう事を考慮すると、もう少し様子見が必要だろう。

週足で見る各移動平均線が密集する10万円弱のラインを何らかのきっかけで突破できれば、株価は大爆発する可能性も秘めている。逆に下方乖離すると一気に5万円を目指す動きとなりそうでもあり、今の水準は正に嵐の前の静けさと言えるだろう。週足で見ても一目均衡表の雲の薄い部分はやはり10月下旬あたりであり、丁度第三四半期決算発表のタイミングと重なる。

従って長期的な株価の変化点はやはり10月下旬になってくるではないか。4/19に年初来高値を付けた事から、その半年後に信用期日を迎える事を考慮しても、やはり10月下旬が変化日に当てはまる。

ただし浮動株数の少なさを考えると、突然高する期待感は持てる。特に2009年3月に10万円を割り込んでからは下落がマイルドになってきた。株価の均衡点に達してから振幅も小さくなってきており、変化日が少しずつ迫ってきている事を示唆している。きっかけにさえ乗れば、突発高による12万円乗せが年内にあってもおかしくはないだろう。

業績等同社固有の株価の変化点は上記に挙げたように10月下旬を予想するが、例えば3月〜4月にかけての新興市場高に伴う上昇相場や、金融株の反転による経済流動化のきっかけが生じれば、いつでも突発高を期待できるポジションにはある。特に業績の回復にはアメリカでのM&A案件がもっと回復してくる必要がある。であればアメリカ株式市場の回復も大きなカギを握る。同社を狙っているのであれば、これらの変化を細心の注意を払って見ておく必要がある。

【同業他社との比較】
国内業界No.1の野村證券も、やはり前期は国内M&A市場の縮小に苦しんだ。純粋なM&A部門では前期比40%近い減収で、国内の市場全体も30%近く規模が縮小した。またアメリカでNo.1のGSも全体市場が2割強落ち込む中で半減となっている。M&A市場全体でのGCAのシェアが極端に落ち込んだわけではないから、市場全体が回復して来れば、十分に業績は回復する素地がある。

利益面での比較を考えてみると、アメリカにおける独立系投資銀行の「EVERCORE PARTNERS」の前期営業利益率は19.0%。対してGCAは同3.6%となっており、大きく溝を空けられている。

また単純比較はできないが、国内中小企業のM&Aのアドバイザリーを専門に生業としている日本M&Aセンター(2127)と比較してもまだまだ収益力に物足りなさを感じる。前期実績で比較しても売上はGCAの約4割の規模であるのに、営業利益率は37.3%とGCAの3.6%に大きく溝を空ける。なお同社は今期も過去最高益を更新の見通しだ。

ただし同社は国内中小企業中心のため、海外や国内の大型案件が多いGCAの方がこれからの成長性は大きいだろう。同社も上場企業の案件を増やそうとしているようだが、既にノウハウを持ち合わせているGCAの方に一日の長があると言え、足下の指標では確かにGCAの方が割高に映るものの、成長性という観点ではGCAの方に軍配が上がると思われる。

【課題】
日米の案件が中心だが、アメリカの景気回復に依存するのはリスクが大きい。やはりこれからの伸びを考えるとアジアに軸足を移していく必要がある。前期から日米以外の案件も出始め、現在までも中国関連の買収が数件あるものの、これらはあくまで日本側の中国企業買収の話であり、逆に中国側からの企業買収は今後進展するであろう元高によって間違いなく増加してくる事を考えると急務であると言える(なお同社は2月にインド事務所を開設してアジア買収の拠点にしていこうと考えている。これらが業績的に本格寄与するのは、やはり来期以降と考えられる)。

案件の獲得に関しては単価の下落が著しい。国内の大型案件が野村証券を筆頭にした大手証券に牛耳られ、独立系としての強みが活かせていない。この辺りどう展開していくかが課題だ。

収益面では上記同業他社比較でも論じたが、営業利益率の低さが気になる。ただ同社の業態から人件費のウェイトが高く、売上の落ち込みがそのまま営業利益の減少に反映してくる事を考えると、逆に言えば売上さえ改善されればすぐにでも営業利益率も改善されるだろう。前々期は共同運営前の変則決算であったが、営業利益率36.7%であったから、売上さえ戻れば急速に改善されると思われる。

一方で人件費コストを除く営業利益率40%達成という前期の同社の目標は、まだまだその他コストの削減余地もあることを物語る。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。

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