KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

ウェブマネー(2167)のアナリストレポート

3ヶ月以内投資判断「買い」
買いのタイミング現在〜8月上旬
目標株価 3ヶ月以内25万円

要点
・業績は着実に増収増益を重ねそう。ただし第一四半期は無難な数字に終わる。
・業界環境は良好。オンラインゲームが更に伸びていく事を考慮すれば、同社の存在感は益々高まるものと思われる。
・株価の変化点は8月中旬頃。ただしそれまでに下値を固めておく必要がある。15万円台はキープしたい。
電子マネーの競争激化でシェアが奪われる可能性も。

【企業概要】
フェイス(4295)を親会社に持つ電子マネー運営会社。主にオンラインゲームを中心に、ネット上での課金システムの決済を手がける。2007年12月JASDAQ NEO上場2号銘柄。8/11に第一四半期決算発表予定。

【業績】
上場後、売上(WebMoney販売額)に関しては増収を継続しており今期も継続見込み。事業の選択と集中により前々期は利益が減少したものの、前期は持ち直しを見せる。売上の7割を占めるオンラインゲーム市場は世界的に着実に伸びてきており、それ伴って国内のゲーム各社も決算発表においてオンラインゲームへの注力を示した会社が多い。

同社のオンラインゲーム市場におけるシェアは4割に達しており、業界の伸びがそのまま業績の伸びに比例する可能性が高い。今期中にもスクエニHD(9684)がオンラインゲームのビッグタイトル「ファイナルファンタジー14」が発売を予定しており(PC版9月末、PS3版11年3月)、環境は良い。

特にDeNA(2432)のモバゲーやグリー(3632)の伸長によって、モバイル環境下でのソーシャルゲームユーザーが急拡大、同社の存在感は益々増してくるだろう。ただし足下ではモバゲーの月間PVに息切れ感が出ており、今までのような勢いで伸び続けるというのは楽観に過ぎる。

それでも今期も増収増益はほぼ確実と見て良いだろう。特に6月下旬にはプリペイド型電子マネーの5月決済額が前年比42.5%増となったという報道もあって、同社にも好決算期待が高まった。

電子書籍の台頭期待も新たな材料として期待できる(実際の収益に対する貢献度は別として)。

11年3月第一四半期予想(KA.Blog) 単位:百万円
売上   11770
営業利益 177 
経常利益 185
当期純益 110

業績は下期偏重の季節性があり(12月〜3月が書き入れ時)、第一四半期は大人しい数字になってくるものと思われる。逆に第一四半期で上記内容を超えてくるようであれば、通期上方修正も期待できる。

財務状況に関しては有利子負債も無く良好。そもそもビジネスモデルが前受け前提となっているため借入やキャッシュフローの心配は無い。その分現金残と加盟店への未払残が多くなる傾向がある。

【株価推移】
上場時は今風のビジネスモデルが囃されて、またJASDAQ NEO銘柄の第一号であるユビキタス(3858)が好調なIPOだったことから買われたものの、その後株価は失速。最高値から最安値27400円まで実に94%の下落となっていった。

それから昨年5月の好決算見通しをきっかけに株価は反転。今までの下落の鬱憤を晴らすかのように上昇し、今年3月〜4月末にかけては新興市場の戻りを背景に出来高も急増。戻り高値249500円を付けた。その後も下落→上昇の激しい波の中で、現在は再度反転の機を窺う水準に付けている。

流動性は比較的高く、売買代金には安定感がある。株式分割の可能性はまだ低いと思われるが、あってもおかしくはない水準でもある。

【テクニカル】
足下では短期底打ち反転の兆しがある。昨年5月の上抜け以来、2月・5月・そして現在も200日線を明確な支持線として反転してきている。各指標も割安感からの反発を示唆しており、特に新値足も陽転してきた。目先は短期上昇トレンド入りしているイメージだ。

一方で上値の抵抗線は4・6・7月高値を結んだところに引く事ができ、これらに挟まれて株価は煮詰まってきている。そう見ると短期的な戻りは75日線と同抵抗線が重なる18万円辺りが一つの節目となってくるものと思われる。

もし次回決算発表などでこのラインを上抜ければ追撃の買いを仕掛けるべきだが、上記に示したように第一四半期の決算は季節性的な要因から投資家には多少弱めに映るため、他の何らかの要因が出ない限り業績自体が株価上昇のきっかけとしては望めないのではないか。

ただ需給などの日柄を考えると、丁度決算のタイミングが株価の変化点にも当たる。株価サイクルを考慮すると8月中旬辺りから徐々に買いが入ってきてもおかしくなさそう。いずれにしても11日の決算を無難に通過する事が重要だ。余程の悪さで無い限り株価には上昇圧力が強いと見る。新興市場などの盛り上がりがあれば動意付き、次の節目である20万円を目標に、更に抜けるようであれば25万円が目標と変えてくる。

逆に14.5万円を割ったら売却。これは明確に守った方が良さそうだ。ここを割り込むと下落トレンドが確認されるため、良くても現値維持がせいぜい。別の銘柄に資金を向けた方が効率が良い。また信用期日の到来が10月下旬に来る事を考えると、上記シナリオ通りに上手く事が運んだとしても、9月中旬辺りで株価はピークを打つと見る。

【同業他社との比較】
同じく電子決済サービスを手がけるウェルネット(2428)が同業他社という位置づけになるが、同社の同サービス部門における営業利益率は直近の決算では1.8%。対してウェブマネーは1.6%となっている。この辺り完全に業態が被っているわけではないので単純比較は難しいものの、特に大きな差は感じられない。妥当なラインとも言える。

またクレジット決済を手がけるGMOペイメントゲートウェイ(3769)がSNSアプリ決済を手がける会社を設立してきた。この辺りはまだまだ相手としては不足だが、親会社との連携によりやがて無視できない勢力に育つ可能性がある。いずれにせよ競争相手が増えてくる事は、この業界の場合有り難いとは言えないだろう。

【課題】
リスクとしては大手電子マネーとの競合が挙げられる。SuicaEdyWAONなど、加盟店の多さから使い勝手も良いため、これらがオンライン系に大きく食い込んでくるようであれば、同社のアドバンテージをやがて侵食してくるリスクは大きい。その方がユーザーにとっても残額が生じるリスクが少なくなるし、ポイントなどで囲い込まれる強みがあるからだ。このジャンルはシェアの大きさが加速度的にスケールメリットを大きくする。だからその逆が生じると一気に業績を悪くする可能性がある。

ただし当面はまだ少し時間的な余裕もあると思われる。群雄割拠している間では、なかなか単独首位となる発行体は出辛い。その間に同社も加盟店を囲い込んでシェア向上に努めなければならない。また有力加盟店と共同で、同社オリジナルの特典を与えるような形で会員の囲い込み策も必要だ。

しかしそのためには受け取り手数料の引き下げなども生じ易く、競争激化が予想される。現在同社は手数料率を比較的高めに設定できる小口加盟店を開拓しようとしているが、それはそれで効率が悪いので微妙なところ。

そもそもウェブでのポイントというシステムが、このままずっと残り得るかどうかも考えなければならない。将来的には全て非接触型カードやクレジットなどの現金入金に直結する決済に移行してしまう可能性もある。ここが一番の事業的な課題だ。

なので短期〜中期的な見通しでは「買い」と言えるが、長期的には簡単に業績を上げ続けるわけにはいかないように映る。であればもし上記シナリオ通り株価が推移したとしても、更なる上値追いの期待はかけられないかも知れない。次の新たな展開が株価上昇のカタリストとして現れない限り、過剰な期待は持つべきではない。

そのカタリストとしては海外のゲーム会社との提携など、投資家好みのキーワードの提供が必要になってくるだろう。オンラインゲーム市場はアジア圏において圧倒的に大きい。そこに日本のユーザーが入り込む時に、同社がユーザーと海外メーカーとの橋渡しをできるような環境を整えられれば、同社の地位は更に確固たるものと成り得る。

最後に親会社フェイスの業績がパッとしないのも同社にとっては悩ましいところだ。フェイスが共同制作した映画「告白」もヒットとなったものの、大して株価材料にもなっていない。あまりにも親会社の不振が続くようだとウェブマネーの株式切り売りもリスクとして出てくるので、需給面での不安材料とも成り得る。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★☆★☆【銘柄診断】リクエスト受付中!

あなたのご希望のレポートを今回のような形に仕上げます。
下記よりお申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/man-dollar/service2.html

またテクニカル的な分析を元に「損をせず無理なく細かく儲ける」をコンセプトとした有料メルマガ【テクニカルで1銘柄】もお申込を受付中!
1ヶ月2,980円〜長期割引もあります。
是非下記URLからサンプルをご確認後、お申込ください。
忙しすぎて銘柄をチェックできないそこのあなた、てけてけをあなたのアナリストとして雇って分析と時間の両方を手に入れませんか?

↓サンプル版
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/man-dollar/sample.html