KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

プラネックスホールディング(6784)のアナリストレポート

★☆★☆【銘柄診断】リクエスト受付中!

あなたのご希望のレポートを今回のような形に仕上げます。
下記よりお申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/man-dollar/service2.html

またテクニカル的な分析を元に「損をせず無理なく細かく儲ける」をコンセプトとした有料メルマガ【テクニカルで1銘柄】もお申込を受付中!
KA.Blogで挙げる銘柄以外で、3営業日で5%の上昇を目指します。

1ヶ月2,980円〜長期割引もあります。
是非是非下記URLからご確認後、お申込ください。
忙しすぎて銘柄をチェックできないあなた、てけてけをあなたのアナリストとして雇って分析と時間の投資経験を手に入れませんか?

↓サンプル版
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/man-dollar/sample.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3ヶ月以内投資判断「やや売り」
買いのタイミング 当面見送り
目標推移 3ヶ月以内7万円〜10万円

要点
・業績は申し分ない。母体であるPC周辺機器事業もスマートフォンや携帯ゲーム機の売れ行き好調によるWi-Fi需要の増大から無線LANが売れて黒字をキープ。FXも口座数を着実に増やしている。
・FX規制による成長鈍化は否めないが、株価にはその辺りの事情は十分織り込まれているはず。むしろ業者の淘汰・再編により残存者メリットを享受できる可能性すらある。
・株価は足下急伸してきた反動がどうしても警戒される。水準的には悪くないが、明日発表される中間決算で通期見通しがどの程度上方修正が出されるか、その幅次第で今後の株価は大きく左右される。
・機関投資家に好まれるようなPRをすれば、株価の更なる飛躍が期待できる。

【企業概要】
無線LANルーター等PC周辺機器の製造・販売が母体の持ち株会社。その他にも証券会社やFX会社を子会社に持ち金融分野にも進出。業種は多岐に渡る。JASDAQ上場。8/2に中間決算発表予定。

【業績】
19年にFX会社「MJ」を連結してからは売上が急拡大。営業利益も同社が本格寄与した20年からは黒字化し、FX事業が新たな収益の柱に。前期はMJが金融庁より業務改善命令を出されたことを受けて減収減益となったものの、今期は昨今のスマートフォンブームによるWi-Fi利用者の増加から無線LANルーターの売上が伸び、情報通信機器部門も黒字確保。両輪の収益ドライバーが上手くかみ合って回転している印象だ。

ただFX事業は今月より規制が段階的に強化。レバレッジの上限が50倍となり、投資魅力の減退に繋がると指摘されている。一方、FXの規制に関しては以前から指摘されており、この辺りの変化については既に織り込み済みと見られる。むしろ駆け込み需要を狙ったキャンペーンなどの促進により顧客数増加。先日第一四半期発表時に示した上方修正から更なる上方修正を出し、高値圏で株価は推移している。

FX業者は規制によって事業者の淘汰・再編などが進んで残存者メリットを受ける可能性すらある。ブームは間違いなく下火になるだろうが、どのように伸ばして行くかで息の長い事業に仕上げていく事は可能である。

10年12月第三四半期予想(KA.Blog) 単位:百万円 
※既に上方修正の見通しが出され、また明日中間決算の発表が予定されているため、次の第三四半期決算の数字を予想します。

売上   8000
営業利益 2850
経常利益 2850
当期純益 800

明日発表される決算において、通期業績予想の上方修正が出てくる事は前提条件であり、どの程度の幅のものが出されるかに関心が持たれる。上半期分のみの上方修正や上方修正自体が見送られた場合、株価は急落するリスクを孕む。

特にWi-Fi関連はまだまだ売れていく事が予想され、製品売上高の伸長が期待できる。製品売上が増せば、その分コストダウンも見込め、営業利益率のアップにも大きく貢献する。

一方、FXの収益は横ばいより少し良い程度に止まりそう。口座数が増えても、比例して取引数が増えるわけではない。為替が円高の続く状況では、スワップポイントもなかなか取れないから、投資家の旨味が減るからだ。実態はキャンペーン目当てで一時的に取引が増えているというケースも多いだろう。

経常利益以下の金額は評価損益や為替損益によって大きく振られる傾向があり、外部環境次第で振れ幅が大きくなる可能性がある。

なお財務状況は良好。顧客の証拠金も第一四半期時点で76億円きちんと計上されており、有利子負債の額も3億円弱と同社のキャッシュフローの規模から考えると取るに足らない程度のものだ。

【株価推移】
金融子会社連結前の新興バブルの時代には23万円まで付けた事があったが、バブル崩壊後は1/23の1万円にまで下落。その後08年5月にMJの連結が業績に寄与し上方修正を発表すると、株価は動意付き5万円まで回復。それからリーマンショックで急落となり2万円前後で推移していたが、丁度1年前の昨年中間決算発表から再動意。そのまま現在まで株価は右肩上がりに上昇し、4倍化している。

動意付いてから1年に当たる次の中間決算は、一つの変化点になる可能性がある。本格的に注目を浴びて出来高が高まってきたのは6月以降で、3ヶ月サイクルにも当てはまる。

MJを連結してからは先行きの見通しが難しくなり、何度と無く業績修正を繰り返してきた。それによって株価の変化率も大きくなり、短期資金を呼び込んで個人投資家好みの銘柄に仕上がっている。ただし今まではFXの好調により上方修正がメインだったが、今後はそれを約束するものではない。歯車が逆回転し出すと恐い。

今まで業績の良さがきちんと評価されていなかったのも事実だ。投資家は突然降って湧いたFX事業という全くの異業種への参入に驚きと疑いをもって見ていたから、ずっと株価は低位に放置されていた。その分の修正によって最近の株価は過熱を帯びているように映るかも知れないが、水準としては妥当なところだ。指標面では割安感さえある。

ただ指標面の割安感は今後の成長力の鈍化を考えると妥当な数字とも言える。持続的な成長は期待できるものの、投資家の期待値は更に高いところにあるだろう。通期業績の修正幅が生半可な者であった場合は、そっぽを向かれるリスクが大きい。

【テクニカル】
流動性は比較的高い。信用買い残は出来高が増え始めた6月以降増えてきたが、日々の出来高から見れば十分消化可能な水準で、特に上値の重石要因として恐れるほどではない。

テクニカル的にいくら見ても、結局は月曜に上方修正があるかないかで方向性が大きく変わってくるが、いずれにしても決算通過後は上下のどちらかに振れる可能性が高い。恐らくこのまま横ばい推移していくということはないだろう。

さしあたって現状を分析すると7月は95000円という壁に上値を抑えられている。実に6日・8日・27日・28日と4回トライして失敗、30日は決算待ちで高値キープという形で5度目のトライをお膳立てした。ここを上抜く事ができればもう一段上のステージ(13万円を目指す)事も考えられるが、そのハードルは少しばかり高いようにも思える。

どちらかと言うと一旦出尽くしによる7万円下落コースの方が可能性が高そうだ。7/5の大陽線でわずかばかり空けた窓71700円〜72800円を埋めて、そこから再反転の流れが一番順当と思われる。

その下落を短期間で済ませてしまえば調整一巡感も出て、上昇してくる75日線と一目均衡表の雲を下値支持帯に再度上昇してくる下地ができるのではないか。業績的には申し分無いので、大枠での上昇トレンドは維持されると見る。一旦過熱感を冷ました後は、再度9万円の水準までは戻って来るだろう。

【同業他社比較】
パソコン機器ではメルコHD(6676)が挙げられるだろう。メルコHDの営業利益率は前期6.5%。こちらもやはり無線LANを含むネットワーク機器の売上が直近の第一四半期で前年同期比23.7%の増加となっており、成長が著しい。メルコHDの株価もこのところ調子が良い。

一方同社は通信機器部門のみの営業利益率は前期で1.7%。売上増により改善されたとしても4%程度までと思われ、まだまだコスト削減の余地がありそうだ。

FX業者ではマネーパートナーズG(8732)。前期の営業利益は18.0%。対して同社は27.0%と高い。

もう一つ最近株価の伸びも調子が良い澤田ホールディングス(8699)もFX業者を傘下に持つが、同社の証券部門は営業損失となっている事から(単純にFXのみではないものの)、やはり同社のパフォーマンスはかなり良いと言える。良過ぎる位だ。

【課題】
先日出たIRではインドネシアの金融会社を買収、FXの海外展開を図る。海外ではレバレッジ規制が無いため、MJの顧客を海外に誘導するというのも一つの妙案かも知れない。そういう意味では非常にしたたかに事業展開をしており、業容拡大の期待は大いに持てる。

ただし元々金融関係のスペシャリストではないため、法令遵守のコンプライアンスがきちんと構築されているかどうかが気にかかる。既にMJは金融庁から指導を受けて営業停止も喰らった過去がある。この業界はやはり信用度が第一であるから、シェアの拡大と共に一層脇を固める必要がある。

またそれぞれの事業の業態があまりにもバラバラ過ぎて有機的に結びつけられない点も難点。まだその時では無いが、将来的には事業の選択と集中が問題視されてくるのではないだろうか。

最後に株主構成。久保田社長が実質過半数を握っている事は経営の安定に不可欠だが、外国人投資家や投信などの持ち株比率が極めて低い。この辺りの数字は持株会社化する以前から見ても恒常的に低い。先ほど例に挙げた同業他社などは20%程度は彼らの所有であり、バランスが良い。

良いように採れば、これから彼らに保有してもらえる伸びしろがあるという事だが、裏を返せばこれだけ業績が良くなっても、プロの機関投資家には魅力的とは映っていないという事だ(もしくは怪しさすら感じているのかも知れない)。もっとこの層に訴えかけていく事ができれば、株価の更なる飛躍に繋がるだろう。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。