KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

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3ヶ月以内投資判断「中立」
買いのタイミング 現在〜9月中旬
目標株価 3ヶ月以内 3万〜5万円

要点
・第一四半期決算は比較的順調なスタートを切った。ただし原価低減にはまだまだ改善の余地がある。
・足下はiPhoneiPadという話題が先行して過熱した結果、株価は5万円強の水準でダブルトップを付けて上値を重くしている。
・現在の株価水準が適正水準。超短期的には先週発表の決算で、株価はもう少し上を目指しそうだが、4万円辺りで上値は重そう。何らかのきっかけで5万円を突破してくると大相場に発展する可能性があるが、現段階ではその可能性は低いと見る。
・同業他社と比較すると利益率の面で見劣り。また、足下短期資金を中心に人気化してきた背景から、多少の割高感も。
・株主に外国人や機関投資家の影が無い。この辺りを確保できれば、株価は上値を一気にブレイクしてくるものと思われる。まずは黒字確保に注力を。


【企業概要】
デジタルハリウッドからコンテンツ事業部が独立。ワンストップで請け負うWeb制作・コンサルが主業務。映画制作も。主要株主にはCCC(4756)、博報堂など錚々たる企業が名を連ねる。

【業績】
8/9に出した今期第一四半期決算は前期比2桁の増収・営業赤字縮小とはなったものの、最終赤字は拡大。ただ第一四半期は季節性により赤字が出易い時期であるため、比較的好調なスタートを切ったとも言える。

業界自体はまだ伸びる余地がある。各企業も緩やかな景気回復に併せて、IT投資をまた増額してくるであろう。今回の決算も各セグメント毎に増収となっており、売上が伸びれば増収効果で自然と原価も低減されてくるであろうから、積極的なサービス展開が望まれる。

現在は大口の既存顧客に対するサービスを掘り起こし、単価の引き上げを狙う形を重視しているが、ここで実績やノウハウを積み重ねれば、自然と取引先も増えてくるだろう。戦略としては非常に良い傾向であると思われる。

また他社と協業という形で、GREEやモバゲーなどにSNS向けのゲームを提供し出した点も株式市場のテーマに乗っている。同ジャンルもこれからまだ成長余地があり、一つの収益源として育っていく見込みがある。

ただし最近の株高要因として一番に挙がっているiPhoneiPad向けの開発は、まだまだ期待先行の部分が強い。売上の中で10%未満程度のものだ。ここから急速に伸びていく、専門部署を立ち上げる、と言っても同社の柱となる程の稼ぎ頭になるとは、少なくとも現段階では考え辛い。せいぜい10数%まで持って行ければ良い方ではないか。この分の過剰な期待は剥落する可能性が高い。

また事業別では映画配給のエンタテイメント部門が足かせとなっている。前期は無かった映画の配給が一本あったため、前期比では当然増収となっているが、営業赤字が拡大している。今期も特に目立ったヒットを期待できるようなタイトルは無く、同社の出発点とも言える事業ではあるが、もう少し整理・縮小を考えた方が良いのではないか。前期も制作中止を受けて2億円の特別損失を計上した。通期での黒字化を見込んでいるが、恐らくは難しいと見る。

11年3月中間期予想(KA.Blog) 単位:百万円 

売上   7700
営業利益 △20
経常利益 △20
当期純益 10

現預金は比較的豊富にあり、特に目先ファイナンスを行うなどの心配は無いだろう。営業キャッシュフローがもう少しあれば尚良いが、悪くない水準と言える。有利子負債も2億5千万程度で、同社の現預金・キャッシュフローから見れば大した事はない。実際に第一四半期で半減しており、経営に悪影響を与えるものではないと見る。

通期で営業利益以下を黒字に持ってくる事は、十分射程圏内にあるだろう。PBRは足下でも通期見通しでも1倍割れの水準。利益とのバランスを考えると、株価の評価としては今の水準辺りが適正価格と言えるだろう。


【株価推移】
新興バブル期には一時265000円(4分割考慮)を付けた株価も、ライブドアショック後の下落、並びに不採算事業の整理・撤退などによる規模・利益の縮小を受けて、昨年には上場来安値11710円を付け、約1/20まで下落した。

ただ今年2月の新興株高スタートから5月のギリシャショックによる失速を経て、一時株価は3倍化している。その背景にあるのは前述したようにiPhoneiPadという新しい需要の風だ。同社は関連銘柄として注目され、成長性に期待する買いが入っていった。丁度市場のテーマに乗った形と言える。


【テクニカル】
株価は6月に51400円の高値を付けた後一旦過熱感を冷ますと、その後7月上旬に52800円の年初来高値を付けた。背景にあるiPadの発売、iPhone4の発売のタイミングと一致してくる。以後カタリストを失って調整。ダブルトップを付けた形となっており、上値抵抗力は強いと見る。

ただ足下では先週の第一四半期決算を受けて反転。商いを伴って力強い上昇を見せた。実需の買いと閑散相場における短期資金が売買を交錯させている形で、金曜には一転大幅安を演じてきている。

各指標を見てみると、まず75日線と200日線は大きな下値抵抗線として機能している事がわかる。今年に入ってからは75日線が、5月の大調整の場面では200日線がそれぞれ下値サポートラインとなって反発を見せている。その2つの線の上昇が続いている事から、株価の大まかなトレンドも上向きと言える。

次に注目したいのはやはりMACD。同社の値動きは非常にMACDに素直に沿った動きをしている。特に6月の上昇局面ではMACDのマイナスからの好転によって非常に大きな上昇トレンドを描いたが、足下でもやはりマイナスからの転換を見せている。目先は一山期待できる流れになるだろう。DMIも新値足も好転してきているから、確度は高そうだ。

日足の一目均衡表では雲に入った事で、一つ居心地の良さが出てきた。ただし基準線に上値を抑えられた格好で、遅行線も基準線を抜けずにいる。まずはこの基準線が目先の壁で、7月下旬の戻り高値4万円、雲上限と4万円前後は壁が厚く上値を重くしそうだ。ここを突破するとダブルトップの5万円が目標となってくる。

また週足でみるとやや形が悪い。26週線で跳ね返っているものの、MACDは暗転となっている。

まとめると、目先34000円〜40000円辺りの水準は居心地が良いのだろう。ただし上値が重く、突破するのは簡単ではない。それでも四半期決算発表を背景に出来高を伴って足下では強い動きを見せており、市場全体(特に新興市場)が盛り上がれば、一気に突破し、株価は強含む可能性も秘めている。

もし株価が5万円を超えてくるようなら大相場になる可能性があるが、現段階ではあまり確率は高く無いと見る。更なる株価上昇のためのカタリストに欠けているからだ。目先1、2ヶ月はチャートと全体相場の流れに沿った動きに推移するのではないか。であれば目先は短期的には買われるが、やがてボックス圏相場もしくは緩やかな下落トレンドに移行すると見る。


【需給】
大証金の貸株残高は先週一週間で700株近く増加した。これは最初に高値を付けて盛り上がった6月以来の水準で、ヒストリカル的に見れば新規売りの買い戻しも期待され、もう一山期待できるところにある。対する融資残も1000株を割り込んで、短期的には需給は良好だ。

【同業他社比較】
まずはフルスピード(2159)。こちらはSEO対策が主流となっており、同社とは完全に業態が重なっているわけではないが、大部分で業務が重複している。営業利益率は5%程度で推移しており、同社の今期見込み1.5%と比較しても高い利益率となっている。フルスピード自体はフリービット(3843)の連結子会社化する方向でTOBも成立。今後益々合理化されていく事を考えると、同社との差が広がる事になりそうだ。

ネットイヤーグループ(3622)。こちらもWeb制作を柱として、総合的なコンサルを行っているが、営業利益は2%程度。一方PBRは0.6倍と、同社に比べてやはり割安感がある。

ゴメス・コンサルティング(3813)。こちらは規模こそ小さいが、金融向けを中心に総合的なWeb評価サービスを提供している。営業利益率は前期実績値で2.8%とやはり同社に比べると高い。こちらもPBRは0.8倍と割安感がある。


【課題】
業務提携では大きな企業を押さえており、土台はしっかりしている。市場のテーマ性に沿った銘柄でもあり、短期資金を呼び込み易い。

ただしこれから業績を拡大していくにあたって、一層のコスト管理は必要になってくるだろう。上述したように同業他社に比べて利益率が低く、また株価水準が割高に映る点は、同社の上値を重くしそうだ。

また株主構成にも気を遣って、もっとIRの努力をすべきではないか。そうする事によって現在提携先ばかりに偏っている持ち株比率に外国人や機関投資家の名前が連なり、株価には一層の強さと安定感が加わるだろう。

変則決算も含めて、足下では3期連続の赤字となっている。今期こそはしっかりとした黒字を確保して、投資家の信認回復に努めなければならない。それを実現する事が何よりのIRになるのかも知れない。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。