KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

あおぞら銀行(8304)のアナリストレポート

今週のお題甘酸っぱい思い出
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3ヶ月以内投資判断 「やや買い」
買いのタイミング  再来週以降
3ヶ月以内株価予想 235円

要点
・今期は減収増益の見込み。ただし会社予想はやや保守的。最終的には会社計画をやや上回りそうだが、最終四半期は減税による繰延資産の取り崩し損や一層の引当金積み増しに注意が必要。
・公的資金が残り、来年には大部分が強制転換を迎える。ただし現株価水準は下限転換価格を大きく下回っているため、増資による返済リスクは小さい。一方で3.5億株の潜在株は意識すべき。
・テクニカルや需給は良好。上値は価格帯出来高の薄いゾーンであり軽そう。
・現体制では事業領域が狭く、業績をこれ以上広げていく事は難しそう。新生銀行(8303)との合併が破談になった今、また新たなパートナーを捜していかなければならない。


【企業概要】
日本債券信用銀行。国有化の後にハゲタカファンドと揶揄されたサーベラスに売却。06年に再上場後、10年には新生銀行との合併話が持ち上がるも破談。地銀とのパイプが強い。行員数は少なめで少数運営。


【業績】
前期実績は大幅な増収増益で黒字転換を達成。他行と同様にリーマンショックの影響からは立ち直りつつある。

今期は減収増益の見通し。先月末に出た決算は通期に対する進捗率が高く、最終的には会社計画は上回る見込み。利ざやが改善し、営業経費も前期に比べて6%超の減少傾向にある。また貸出金に対する貸倒引当金の比率も4%超と、与信費用は引き続き邦銀最高水準に保守的に見積もっての上。破綻などを見込んだ金融再生法開示債権も景気回復に合わせて減少傾向にある。

なお中間期末時点での連結自己資本比率は15.6%、Tier1(狭義の中核的自己資本比率)は16.7%と申し分なく、第三四半期時点では一層改善しているはずである。


11年3月期予想(KA.Blog)単位:百万円
経常収益 131000
経常利益 25000
当期純益 26000

最終四半期は景気回復の元で順調に数字を積み上げていく結果、通期見通しは上ぶれるものと見ている。ただしここ数年は最終四半期に貸倒引当金を多額に積みます動きがあり、最終四半期で三四半期累計の倍近く積み増す事があるため注意が必要。また法人減税分の議論に関しては通期見通しには織り込んでおらず、法人減税がなされれば402億円近く残っている繰り延べ税金資産の取り崩しにより損失が発生する。

未だ優先株として公的資金が1800億円分残っているが、そのうちの大部分を占める第5回の丙種優先株が来年10月に普通株への強制転換を迎える。これは毎年10月に市場平均株価に応じて転換価格が見直されるものであるが、下限転換価格が450円となっており、いずれにせよ現状の株価は大きくその水準を下回るものであるから、同行にとってみればりそなHD(8308)のように速やかな増資を行って処理する動機は発生しない(ただし当然国からは良い顔はされない)。

一方で約1年半後には普通株に転換され、その場合は約3.5億株の増加要因となる。そろそろ株式的にはこれらの潜在株式を織り込んだ数字で、株式価値を評価していかなければならない。



【第三四半期決算を受けたアナリストの評価】
シティグループ証券:「2H」中立 目標株価200円
株価水準は既に妥当なラインまで上昇している。来期は減益となる可能性を考慮しなくてはならない。


【株価推移】
06年の再上場後、517円の高値から株価は一貫した下落トレンドを辿る。リーマンショック後には66円まで下落し最安値を付けた後は反転。しばらく100円前後の株価推移が続いたが、昨年9月以降は上放れの動きが出てきて、足元では200円を伺う水準に。


【テクニカル】
昨年9月安値を起点として75日線突破後はメガバンクなどよりも先に上昇トレンドに転じてきた。GS等各社アナリストによる財務面・収益面の改善に対する好評価を受けて、上昇に加速が付いた面もある。25日線を支持線とした着実に下値を切り上げながら値を伸ばしてきている。

テクニカル的には25日線と75日線のパラレルが続き、典型的な長期上昇トレンドの形が出来上がっている。今回の場合はテクニカル的な問題ではなく、水準的な観点から、200円手前での目標到達感を背景に、やや突破には手間取る展開を予想する。

一旦MACDが暗転してしまったこと、また今週の値動きによってパラボリックが暗転に転じてくる事などを鑑みて、目先は180円台での日柄調整を要する流れになると見たい。

なお長期的には月足などで見ても、また銀行株が景気回復局面の中で選好される流れを見込んでも緩やかな上昇を継続していくと見て取れる。特に年初来高値水準である190円〜235円辺りは、08年の8・9月のわずか2ヶ月で下落したところであり、価格帯出来高の薄いゾーンとも言える。

また同社の今後の株価推移については、メガバンクや地銀との相対的な評価の観点から、同行の位置する微妙なポジションを見極める必要がある。


【需給】
信用倍率は0.5倍と売り長の状態にある。また足元では年初来高値を更新している局面であり、現在の水準が約2年半ぶりの空白地帯を攻め込んでいる段階である事を考慮すると、需給は大変良好な状況にあると見て取れる。


【同業他社比較】
同行の総資金利ざや(運用資産の利回りと調達資金の利回りの差。銀行本業の収益性を示す指標)は0.95%。予想PERは13.4倍となっている(ただし同行の場合は未転換の優先株が残っているため、潜在株式も考慮するとPERは17.5倍となる。)。これらの数字は他行と比べてどうだろうか。


新生銀行(8303)
旧長銀。同行よりも先に再上場を果たす。リテールファイナンスに重点を置くが、総量規制で裏目に。傘下のアプラス(8589)やシンキなどのリテールカードローンが足を引っ張り赤字が続き、今期はようやく黒字転換の見込み。

総資金利ざやはカードローン子会社の収益寄与が大きいため2.3%と高いが、一方でTier1比率は6.9%と悪い。今月頭に業績予想を上方修正した結果、予想PERは5.1倍。

りそなHD(8308)
先日増資を発表し、公的資金の一部返済を発表。早期財務健全化を標榜する。総資金利ざやは1.71%。予想PERは7.6倍。第三四半期時点での連結Tier1比率は9.6%。

横浜銀行(8332)
総資金利ざや0.65%。予想PERは13.3倍。第三四半期時点での連結Tier1比率は10.0%。地銀首位の同行だが、利ざやは前期比も前四半期比でも低下。都市銀行に差を付けられる格好に。

東京スター銀行(非上場)
第三四半期時点でも未だ赤字から脱却できていない。今期は通期では黒字転換予想。中間期時点での総資金利ざやは0.18%。連結自己資本比率も8.9%と、収益面・財務体質両面において厳しい。立場的には同行の次の再編相手でもあるが、これらの面が改善されないと話は盛り上がってこないだろう。


これら他行と比較すると、Tier1比率の高さから同行の財務の健全性は伺い知れる。ただし既にこれらを織り込む形で、ここ半年で株価は2倍近くまで上昇してきた結果、PER的にはやや割高な印象を受ける。


【課題】
銀行業全般に言える事だが、大企業は資金を貯め込んで現預金を大量に抱え込んでおり、資金需要が薄い。貸し出しは財務基盤の弱い企業にばかり需要があり、企業成長の裏付けの無い借入が増えてくれば、金融株にとってのリスクは大きくなる。各行共にバンカーとしての真価がいよいよ試される時代になってきたと言え、そういった場合には少人数の営業体制はやや他行に比べて頼りない印象を受ける。

そんな状況下では他の邦銀同様、貸し出しが伸びない中で収益の中に占める債権売買の割合が大きくなってきている。実際にバランスシートに日米の国債が前期比1000億以上増え、その存在感を増している。今までは質への逃避による債権価格の上昇が債権売買益の増加に結びついてきたが、足元では金融緩和や国債格下げリスクに伴う債権下落リスクが日に日に増してきている。金利上昇時による下落リスクがその分大きくなっており、注意が必要だ。

新生銀行との合併は未遂に終わったが、であれば引き続き次の一手を探らなければならないだろう。事業基盤が限られており、単独での今後の成長は難しいからだ。地銀との資本・業務提携を強化して、先日の山形のきらやか銀行(8520)の他にも筑波銀行(8338)、福島の東邦銀行(8346)などとも手を結んでいるが、それぞれ第二地銀レベルであり、拠点の拡大という意味では局地的だ。

今日日大手鉄鋼業界も生き残りを図って再編に動く中で、聖域などは存在しない。特に国際展開に弱い同行は、更なるスケールメリットの拡大に向けて、もっと抜本的に他行と握手を求めなければならないだろう。

大部分の優先株が強制転換される来年10月の手前から、再度再編の話が盛り上がってくるであろう。その場合どこと組むかによって、同社の株式的な評価もまた変わってくるはずだ。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。