KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

サハダイヤモンド(9898)のアナリストレポート

今週のお題「2011年、夏の予定」
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※今回は超低位株のため、およそまともな判断は必要されていないかと思いますが、一応リクエストがあったものは何でも取り上げるスタンスなので作成してみました。あくまで業界の現状把握の参考と見てください。

3ヶ月以内投資判断 「売り」
買いのタイミング  当面無し
3ヶ月以内株価予想 25円〜100円

要点
・14期連続赤字見通しであり、業績面では全く期待薄
新株予約権による増資により、借金はなく財務状況は良好に映る。ただしフリーキャッシュフローは慢性的な赤字が続き、新株発行の財務キャッシュフローで命脈を繋ぐ。
・市場が新たな上場廃止基準などを策定してきた場合、マネーゲームは強制終了となるリスクをはらむ。


【企業概要】
ロシア産ダイヤモンドの製造販売を主とする持株会社。13期連続の赤字であり、疑義注記が取れる見込みはない。


【業績】
前期は広告や人件費を圧縮することで赤字幅を縮小したが、利益の出ている事業はない。

今期も赤字見通しであり、14期連続の記録は途切れそうにない。足下の消費マインドの低下は、一段と宝石などの不急の高額商品の消費意欲を減退させている。同社の事業環境は引き続き極めて厳しく、同業他社の相次ぐ撤退・破綻は、見た目のきらびやかさとは裏腹な台所事情を如実に物語る。

地金などの輸入販売は円高の恩恵もあるが、セグメント的には極めて小さく、また薄利で今後の貢献度合いは期待薄。


12年3月期第一四半期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   500
営業利益 −200
経常利益 −300
当期純益 −300


例年第一四半期はあまり進捗が良くないが、今年は震災も加わって一層厳しさが増しそう。事実震災後の自粛ムードにより結婚式の件数が減少し、ブライダル関連銘柄の業績に対する懸念材料となっている。

ただ一方で、震災後に逆に結婚指輪に対する記念品の思い入れが強くなり、一部では売上が前年比1.5倍となったという業者もいるのは事実。この辺りどう転ぶかが第一四半期の数字に表れてくるであろうが、正直それが同社の事業的欠陥を抜本的に改善できるものではない。あくまで一過性のものである点は留意が必要だろう。

有利子負債は0。新株予約権の払い込みにより資金を調達し、赤字の補填に使っている状態が続いていることから借入はないが、本質的には業績が悪くそもそも借入が難しいというのが現状だろう。例えば6/27のIRにもあるように子会社レベルでは海外で借入を行っているものの、3ヶ月という短期の資金繰り目的によるもので手一杯であり、利率も14%と消費者金融からの借入と大差ない。

現預金2300万円。流動比率(流動資産÷流動負債 ×100)は145.7%と見かけ的には財務状態は良好。ただフリーキャッシュフローは3.5億円の赤字。それを新株の発行で補う自転車操業は毎年の風物詩。

ファイナンスの可能性は極めて高い。むしろファイナンスが途切れるようであれば資金繰りが滞り、同社のビジネスモデルは成り立たなくなる。


【株価推移】
新株予約権の大量発行による増資で株価が1円に向かうと株式併合、減資により名目上の基準価格が変更され、再度1円に向かう悪循環に。超低位株のマネーゲームの代表格となっている。

ただJASDAQで新基準による「10円未満株上場廃止」ルールが4月から適用されると、5月に入ってから突然出来高を伴って仕手化。上場廃止にさせるわけにはいかない関係筋による力業と見られる。

結果6/1に株価10円未満による上場廃止が回避されると、株価は安心感から更に買い向かう流れに。それによって創られた好循環の需給環境と、東証1部市場が閑散としている中で資金が行き場を失い、相対的にマネーゲームの盛り上がりが注目されると、買いが買いを呼んだバブル形成となっている。


【テクニカル】
※足下の株価形成にテクニカル的な部分を論じても効果が無いので省略。上値目処は心理的な節目の100円と思われるも、バブルの前ではあまり意味のない数字である。ただ足下の上昇に派手さが一段と際だってきたため、総仕上げによるピークアウトは近いと思われる。


【大株主の動向】
主要株主の一つに宗教法人慈照会があるが、一説によると信者からの布施として奉納されたとのこと。宗教法人間での移動も頻繁に行われている模様。

また5月にオフショアに本拠地を置く中国系投資ファンドが新株予約権を行使。7000万株近い株式を手に入れて一気に筆頭株主に。その後、巧みに5%ルールにかからない程度に関係個人に配分されているが、彼らの動向が市場を大きく左右する。


【需給】
上述のように新株予約権が行使されると発行済株式総数は2.6億株と3割超の増加。信用買い残は足下の上昇相場により改善傾向にあるも、出来高は連日発行済株式総数の1割超の水準で賑わっているため、今更買い残が云々と影響するような相場ではない。


【同業他社比較】
同社のPBRは10.0倍。予想ROEは−27.1%、同業他社はどういう状況だろうか。


光彩工芸(7878)
山梨地盤の総合宝飾メーカー。
予想PERは10.3倍、PBRは0.4倍。予想営業利益率は2.2%。予想ROEは3.5%。
今回取り上げた銘柄の中で唯一営業黒字見通しを出せる銘柄。


田崎真珠(7968)
真珠ではトップ。高級宝飾品を扱う。以前サハダイヤモンド田崎真珠株を買い集めて、その後株券の行方が不透明になったということもあった。業績は赤字が継続で疑義注記あり。震災によりアジア系外国人観光者が減少したことで、今期も赤字継続の見通し。
PBRは0.8倍、予想ROEは−15.3%。


クロニクル(9822)
宝飾品、ブランド品の販売以外に競馬予想サイトなどのWEB情報事業が主力。ただ孫会社の社長と従業員が薬事法違反で逮捕されるなど黒いイメージで、疑義注記付きの株価も超低位のいわゆるボロ株。
PBRは0.3倍、予想ROEは−13.9%だが、赤字は4期連続で、今期も継続見通し。あくまで同社よりはマシという程度。


同業他社との比較は超低位株の場合は全く意味を成さないと思われるため、総評は割愛する。それにしても銀座ジュエリーマキの三貴といい、とにかく宝飾業界は景気が悪く、またイメージも良くない印象である。


【課題】
課題は山積みである。まずは利益を出さないと始まらないため、宝飾事業以外の事業転換も考えるべきであろう。

とにかく今の株価はあくまで創られた相場であるという認識は忘れずにいるべきだろう。おそらくまともな投資対象と見ている投資家はいないだろうが、マネーゲームにできるのもJASDAQを管理する大証が次の上場廃止基準を策定するまでの間である。

もし大証が同社のような超低位のいわゆるゾンビ銘柄を放置しておけない、となった場合に、次の施策が打たれる可能性は十分ある。今回の「株価10円未満上場廃止」ルールは同社のように株式併合がされれば簡単にクリアできる骨抜きのルールであり、時価総額基準にしても同社のように2.5億株以上発行してしまえば物理的にクリアは可能である。

取引所にしてみれば、ブランド力を保つためや、教科書通りの投資家育成の観点からはこれらの銘柄は目の敵でもある。下手をすると売買の多さがシステム負担を大きくするという実害もある。であれば、同銘柄にとっては、この辺りの政治的な思惑がどう働くかに生殺与奪の権を握られているとも言える。

株式市場の本質は資金調達の場であり、そういう意味合いでは最もフル活用しているとも言えるが、既存株主はいつまでも希薄化を強いられることにより、倒産しなくても株券は無限に紙くずに近づくという状況が終わる兆しは見えてこない。投資家はあくまで割り切りのスタンスを崩さず、冷静に市場を見る目を心がけるべきである。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。