KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

ラウンドワン(4680)のアナリストレポート

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3ヶ月以内投資判断 「やや売り」
買いのタイミング  短期の上昇狙いであれば現在
3ヶ月以内株価予想 600円〜750円

要点
・業績は足下好調だが、今後も既存株主には特損・増資による利益損失リスクがつきまとう。
・アナリストの評価は高いが、株価が足下で上昇してきた分、今度は格下げリスクが残る。
・株価は高値圏を維持しているため、700円を上回る可能性を残している。抜ければ一段高も期待できるが、下回れば600円後半の大量の価格帯出来高が相当なしこりになってくる。
・有利子負債の削減が至上命題。カジノ関連に食い込めれば面白い展開にも。


【企業概要】
ボウリングを中心とした総合的なアミューズメントを運営。現状ではアミューズメントの方が売上が大きくなっているが、組み合わせによる相乗効果を期待。前年北米に1店舗出店し、初の海外進出を果たす。今期の出店計画は岐阜に1店舗のみ。有利子負債が大きい。


【業績】
前期は増収ではあったが、減益で最終損益は赤字転落。有利子負債圧縮のため池袋の用地を売却したため、特損が89億発生。また2月にも出店形態の変更ということで131億円の特損を追加計上し、その分赤字幅が拡大した。

今期は増収増益。引き続き中期経営計画に則って、既存店を売却→賃貸の方式に変更し有利子負債の圧縮に努める。現状の会社計画の中にはそれによって発生する特損は含まれていない。ただ大きな赤字は前期出し切ったというのが会社側の見方。

既存店売り上げは回復基調であり、今期に入ってからは3ヶ月連続の前年比プラス。第一四半期は好発進と言える。ただ6月に関しては前年ワールドカップがあったため、売上が減少した年。そのため今回の5.8%の増収は見た目程の好印象は無い(ちなみに前年は既存店−7.2%)。

いずれにせよ月次売上が発表される月初辺りは、企業の決算発表などが薄い時期であるため、材料として目立ち易い特性がある。その他は各業界の総合的な指標(例えば工作機械受注や鉱工業生産指数など)程度に止まり、小売業界や同社のようなレジャー産業など、個別企業の月次は好調なものは囃されやすい。


12年3月期第一四半期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   22200
営業利益 3250
経常利益 2000
当期純益 1100


第一四半期は既に伝わっている既存店売り上げの好調から、会社計画を上ブレるのは織り込み済み。足下では月次の伸びも鈍ってきており、梅雨も早めに明けてしまったことから、夏場にかけてどこまで好調を維持できるか気になるところ。放射能汚染の影響で、海やプールのレジャーよりも屋内レジャーという選ばれ方をするのであれば、客足は引き続きプラスに働くだろう。

一方で節電の夏で冷房温度の調整を誤れば、熱中症患者を出してイメージダウンというリスクなども考えられる。日本の夏を嫌気し、円高を背景として国外脱出組が多く出る夏になれば、やはり収益機会は損なわれてしまう。消費者の選択が気になるところ。

有利子負債は1362億円と前期からの改善額は27億円。その残額は同社の年間売上の1.6倍にもあたり、有利子負債の多さが疑念視されるソフトバンク(9984)ですら0.7倍なのだから、その解消は容易ではない。

経営計画の主目的は資金繰りに向けられ、今期の借り換えは過去最大の271億円を予定(うち60億円は金融機関と合意済み)しているが、青写真通りに行くかどうかは若干懸念が残る。

何とか月次売上を伸ばし続けることができれば借り換えは認められやすくなるだろう。同時に引き続き店舗の売却→賃貸への移行を続けることによって少しでも有利子負債の圧縮を進めなければならない。会社側では今後年間300億円の有利子負債削減を標榜しているが、今期は達成可能としても、今後5年間継続できるかどうかは微妙である。

またこの手法で会計上の赤字とはいえ株主に痛みを強いている割には、月々の支払いが発生するという意味では賃貸料という名の利息に勘定科目を振り替えているだけという見方もできる。有限である有利子負債の利払いから、使い続ける限りは無限である賃貸借への変更は、確かに期間を限定した場合は効果があるが、将来の利益の源泉を代償にしているとも言える。

現預金170億円。流動比率(流動資産÷流動負債 ×100)は72%と財務状況は悪い。フリーキャッシュフローは11.5億円の赤字。それに財務上のキャッシュフローの赤字が加わるため、資金繰りは一層苦しい。

ファイナンスの可能性は極めて高い。昨年は2年連続の公募を実施し、その発行株数も大きかった。今年も足下株価が堅調な中でファイナンスを行うチャンスであるのは間違いない。また自己資本比率の改善が、金融機関を納得させる一つのポーズであるのも間違いない。


【決算を受けたアナリストの反応】
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 「アウトパフォーム」 目標株価1100円
既存店売上回復により新しい利益成長ステージに入る。

大和証券 「2(強気)」 
東日本大震災後、レジャー消費は「安近短」を中心に改善が続いており、同社が展開するボウリングやアミューズメントも足元で非常に好調。既存店売上高の継続的な回復のほか、大型の店舗売却が完了したこと、上期のリファイナンスは完了し短期的な財務リスクが低減されたことなどを評価。

コスモ証券 「B+(5段階中2位)」 目標株価650円
既存店売上高回復を評価。PBR1倍割れの株価には割安感。


総じてアナリストの評価は高く、既存店売り上げの回復基調を評価している様子。ただし、足下で株価が大きく値を上げてきたことによって、三菱UFJ以外のアナリストが投資判断を引き下げてくるリスクは残る。


【株価推移】
06年に6000円(分割前60万)の高値を付けた後は下落基調。世界的な景気後退を背景に400円まで落ち込んだが、世の中が景気回復に動いても回復は限定的。そんな中で昨年6月には海外での公募を発表。約16%の希薄化を見込むと、そのまま再度下落トレンドに入り込んで株価は265円の最安値を付ける。

秋口から反転に転じ、公募価格の526円辺りまで値を戻すものの、その辺りに上値を抑えられ一進一退。今年3月に震災が発生し急落したが、足下ではいわゆる「安近短」のレジャーが注目され、月次動向の回復と共に株価も復調。

6/30には上述の三菱UFJの目標株価が従前の620円から大きく引き上げられると、薄商いで手がかり材料難の地合の中で相対的に目立ちストップ高となった。


【テクニカル】
6/30のストップ高以降は、過熱感が感じられ700円での上値の重さが感じられるが、ここを抜けてくるようであれば一段高の期待は大きく膨らむ。ただその最も直近のきっかけと期待された7日発表の6月月次動向はやや不発。8日は小幅高で終わってしまった。

現段階で700円を明確に上回る可能性は低い。ただ、月曜もし小幅高でかつ小さな陽線を出すことに成功すれば、三陽連のチャートが完成することになり、高値更新に向かう確度は高まる。足下では6/30のストップ高でのしこりを下値支持線として高値圏を維持できていることで、ストキャスには徐々に割安感が出始めている。

従って、月曜の動きは特に注目すべきである。ただ同社が注目を浴びれるのは第一四半期決算発表が本格化してくる直前の7/22までと考えるべき。それ以後は各企業の決算に注目が集まり、相対的に同社の人気が離散する可能性が高まると見る。

であれば、それまでに700円を突破し、上昇トレンドの継続を印象付けなければならない。足下は6/30のストップ高があまりにも鮮烈過ぎたため、超えるには何かしらのきっかけが必要であるが、目先そのタイミングを逸してしまったのであれば、売り方が根負し需給バランスが改善するのを期待するしかない。


【需給】
日証金ベースでは6/30以前から売り長の状態が恒常化していたのが、7月に入ってからバランスが崩れ始めている。それでも信用倍率は恐らく1倍台で安定しているとは思われ、需給的には良好な状態は維持されていると言える。

ただ4日には過去最高の出来高を記録して、上ヒゲ陰線を形成してしまった。もし7月に推移し大きな価格帯出来高を形成している660円を割り込むようだと、当面しばらく下落トレンドへの転換が決定付けられることになりそうだ。


【同業他社比較】
同社の予想PERは19.8倍、PBRは0.8倍。予想ROEは4.2%、予想営業利益率は14.2%となっている。同業他社はどういう状況だろうか。


コシダカHD(2157)
カラオケ「まねきねこ」を中心に、温泉やリゾート事業も。最近は買収したボーリングの居抜きも。売上規模は同社の1/3程度まで急成長。
予想PERは7.5倍、PBRは3.2倍。予想ROEは42.7%、予想営業利益率は11.4%。利益率が非常に高く、成長性あり。株価も十分伸びているが、株式価値などを見るとまだ割安感も。


ゲオディノス(4650)
ゲオの子会社でボーリング場、ゲームセンターなどの運営。売上規模は同社の1/10程度。
予想PERは20.8倍、PBRは0.7倍。予想ROEは3.3%、予想営業利益率は3.5%
同社に比べて成長性が低く、株価は割高な印象。流動性の低さもある割には買われている感じ。ただ同じゲオ子会社のウェアハウス(4724)との合併再編も期待できる分、プレミアが付いてもおかしくはない。


ネクストジャパンHD(2409)
複合レジャー施設を運営。前期はようやく連続赤字から脱したものの、今期は再度赤字転落見込み。売上規模は同社の1/20程度。
PBRは4.8倍、予想営業利益率は6.7%。経営成績が悪く、有利子負債も大きい。同社よりも更に厳しい舵取りを迫られている。


同業他社と比較すると概ね妥当な評価。業界全体として有利子負債は大きめながらも、同社の有利子負債はやはり中でも大きめな部類。


【課題】
一番の課題は有利子負債の圧縮。足下ではまだ円高デフレが続いており金利は低水準におかれているが、物価はじわりじわりと上昇してきており、デフレの出口も見え始めてきている。もし金利が上がれば同社の経営を急激に圧迫することにもなりかねず、圧縮することで経営の自由度を確保することが喫緊の課題と言える。そうしなければ、M&Aなどによる成長拡大路線も見出し辛い。

典型的な内需企業であるが、アメリカへの出店なども果たして、少しずつ海外に手を広げる作戦は間違っていない。アジアなどへの海外進出や、例えばカジノ構想に参画するというような話題が出てくると面白いことになりそうだ。


※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。