KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

ニューフレアテクノロジー(6256)のアナリストレポート

★☆★☆【有料メルマガ】【銘柄診断】お申込募集中です!

「損せず焦らず無理なく細かく儲ける」をコンセプトとした有料メルマガお申込受付中!

▼下記URLから成績などご確認後、お申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/performance.html

1ヶ月当たり3,150円〜。

足下の株価急落は投資のチャンス!
間もなく天与の買い場がやってきます。
今の内から情報を集めて、反転のタイミングに乗り遅れないようにしましょう。

また今回のようなレポート作成も承ります。
無料リクエストも合わせて下記リンクよりお申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/omousikomi.html

以前のレポートはこちら
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/report.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

3ヶ月以内投資判断 「買い」
買いのタイミング  決算説明会前後(11月下旬頃?)
3ヶ月以内株価予想 27万円〜35万円

要点
・業績は他社が苦戦する中で絶好調。今期は更に業績の上ブレも期待。次回説明会で明らかになるであろう受注残に注目。
・基本戦略は押し目狙い。月曜の寄付が30万円前後で寄付くなら短期狙いで追いかけ買いも可能だが、上値余地は35万円まで。
・同業他社比でも利益率はダントツ。
・研究開発費に一段と重点を置いて、トップシェア維持に努めるべき。


【企業概要】
電子ビームマスク描画装置、検査装置、エピタキシャル成長装置の3製品を中心とした半導体製造装置の開発、製造、販売を行う。描画装置の売上が8割、受注が9割を占める。地域別売上は日本、欧米、アジアで均等。


【株主構成】
元々は東芝機械(6104)から分離独立して発祥。昨年凸版印刷(7911)、大日本印刷(7912)に対して第三者割り当て増資を実施。これに筆頭株主の東芝(6502)を加えた上位4位までで発行済み株式の約8割を占め安定的。結果浮動株は8.7%と低く、市場の値動きは荒い傾向。


【製品について】
マスクとはLSIなどの機能や性能を決める回路。それを土台となるウェハに焼き付け、前工程処理となる。同社は電子ビームで回路原盤(フォトマスク)を描画する装置で世界シェアトップ。

前々期に新開発したエピタキシャル成長装置はウェハ製造工程においてシリコン単結晶を成長させる装置。ハイブリッドカーなどのパワー半導体向けに需要が伸び、トヨタ(7203)などでも採用されている。


【業績】
前期は大幅な増収増益。半導体製造関連装置向けの設備投資が拡大したことを受けて、過去最高益を更新。

今期も大幅な増収増益で、2期連続の過去最高益更新を見込む。27日に出した中間期は売上が1.6倍、利益がそれぞれ10倍を超える大幅な増収増益。会社計画を上回る四季報予想も更に上回ってきた。

通期見通しも震災の影響などが想定以下だったことを受けて、今期既に2度目となる大幅な上方修正と増配を発表。半導体市場が世界的に萎む中でビッグサプライズとなった。

背景にあるのはスマホ、タブレットPCの伸び。今後も世界的に販売が伸びる傾向は続くが、各社の設備投資意欲が今後どこまで高まるかはまた別の問題。景気敏感株でもあり業績変動が激しく、受注動向に目が離せない。半導体の採算性が年々厳しくなっている中で、インテルサムスンなど世界の主要メーカーの動向が業界の先行きを占う。

12年3月期第三四半期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   25800
営業利益 9700
経常利益 9500
当期純益 5400

同社は最終四半期に季節要因があり、金額を大きく計上する傾向が強い。一方でそれまでの段階では装置の完成・引き渡し時期による数字のブレも大きく、正直見極めが難しい。ただ元々見通しがかなり保守的な会社であるため、今回の通期見通しに関しても最低限達成できる自信があるものと見受けられる。従って今期に関しては、更なる上積みも期待できる。

有利子負債は47億円で前期比77億円の大幅な減少。現預金は164.1億円で実質無借金。有利子負債比率(有利子負債÷自己資本)は36.8%。流動比率(流動資産÷流動負債 ×100)は170%と財務状況は良好。

フリーキャッシュフローは前期143.3億円の黒字。大部分を有利子負債の返済に充て、今期で0にすることも可能なポジションとなってきた。上述のように昨年第三者割り当て増資を実施済みであり、特にファイナンスリスクは無いだろう。


【決算を受けたアナリストの評価】
いちよし経済研究所 投資判断「A(買い)」 適正株価 39.5万円


【株価推移】
07年の上場直後は一時初値の1.8倍水準まで上昇したが、その後はサブプライムショックなどの世界的景気後退を受けて最安値15000円まで急降下。株価は一気に1/30の水準にまで下落し続けた。

ただ昨年の8月からは業績の急回復を背景に、株価は戻り歩調を強める。そして27日の好決算を受けて金曜はストップ高比例配分に。大量の買いものを残した。なお、市場では半導体関連ということでインテルの株価との連動性が高いと見られている。


【テクニカル】
5日からの戻り局面で株価は主要な移動平均線を全て上回っている。一目均衡表でも雲抜けを一気に果たし、三役好転を達成。週足などでも同様で、過熱感を示す指標はオーバーヒート気味ではあるものの、トレンド系の指標は全て上昇トレンドを指し示す。

月曜も買い気配スタートはほぼ間違いないと見て、上値の目処はまず7/28の年初来高値336000円であるが、月曜のストップ高の価格が339500円であり、この前後で抵抗力があるだろう。

ただし後述のように同業他社との比較などでは圧倒的な利益率・成長性を示し、ファンダメンタル的には割安とも言える。過去最高益を更新し、急成長しているのであれば、株価も過去最高値を付けても不思議ではない道理である。

もし月曜に30万円前後くらいで寄り付くのであれば、積極的に買っていっても良いだろう。さしあたって今回の急動意の先は、上場直後のもみ合い水準である35万円で抵抗力が強そうであり、上述の335000円辺りと合わせて二つの節目が用意されていると言えそう。となると、あまり高値で寄り付くと上値余地はその分小さくなって妙味が薄れる。

足下全体地合では、出遅れ銘柄の下値拾い、リバウンド狙いが買いの主流であることから、決算がもう一週間早ければ短期資金も巻き込んで強い相場持続が見込めたものの、目先の上昇持続力は弱いものと見る。

基本は押し目狙いの戦略を。押し目の目安はボリンジャーバンド+2σのラインと思われるが、その辺りで下げ止まりを確認してから拾うかどうか判断したい。高値陰線となった場合は7月下旬以降の流れのように、しばらく下落トレンドが続きそう。その際、次の反転のきっかけは決算説明会(11月下旬頃か)前後を挙げたい。


【需給】
7月下旬の第一四半期決算発表時に株価はストップ高となったものの、その翌日に大商いで高値陰線を付けてから株価は3ヶ月間下落歩調となった。

その時のしこりはある程度残っていると見られるが、一方で信用買残は7/29の週をピークに約1500株減少。第一四半期決算前よりも買い残高が減っており、足下の下落過程において相当程度の投げ売りが出た様子。逆に投げ売りで形成された下落トレンドともとれる。

現水準でも3500株程度の買残で、今回の盛り上がりでは十分消化しきれる株数。従って現在の需給面は良好と捉えたい。問題は月曜以降の高値水準で陰線を付けるかどうかに因ってくるだろう。


【同業他社比較】
同社の予想PERは5.1倍、PBRは4.3倍。予想ROEは53.2%、営業利益率は35.1%。配当利回りは1.7%となっている。同業他社はどういう状況だろうか。


アドバンテスト(6857)
半導体検査装置ではアメリカベリジー買収で世界最大手。描画装置である露光装置も手がける。
会社予想は非公開のため四季報予想によるPERは26.3倍、PBRは1.2倍。予想ROEは5.1%。営業利益率は8.9%。配当利回りは1.1%。有利子負債比率は31.6%。

同社に唯一勝っているのがPBRと有利子負債比率のみ。ベリジー買収効果を早期に発現させて、シェア拡大と価格決定力を強めたい。研究開発費は売上の2割と大きい。


東京応化工業(4186)
半導体・液晶用フォトレジストで世界首位級。
予想PERは15.8倍、PBRは0.6倍。予想ROEは4.1%。営業利益率は8.0%。配当利回りは2.2%。無借金。

PBRや配当利回りは高い。ただし利益率や成長力を考えると同社の方に大きく軍配が上がる。


日立国際電気(6756)
国際電気、日立電子、八木アンテナが合併し設立。通信、映像、半導体製造システムで売上等分。シリコンエピタキシャル成長装置も手がける。
予想PERは12.3倍、PBRは0.8倍。予想ROEは7.1%。営業利益率は4.8%。配当利回りは2.1%。有利子負債比率は1.2%。

PBRや配当利回りは高い。半導体製造装置の売上は1/3程度のため参考ではあるが、やはり利益率や成長力は同社の方が上。


レーザーテック(6920)
貫通電極エッチング深さ検査装置、マスク検査装置などを手掛ける。
予想PERは6.7倍、PBRは0.8倍。予想ROEは12.6%。営業利益率は19.7%。配当利回りは4.4%。有利子負債比率は26.6%。

PBRや配当利回りでは同社に勝る。成長率なども高めで、まだ中間決算を発表しておらず、同社の決算を受けてレーザーテックにも期待がかかる。


同業他社との比較では財務体質はもう少しだが、今期中にも他社並の水準まで改善できそう。業績では半導体需要の減少に他社が苦戦する中で圧倒的な強さ。足下の株価水準を肯定して余りあるレベルに。


【課題】
順調に業績を伸ばしており、同社固有の課題はあまり見あたら無い。強いて挙げれば現在業績が好調ということは、将来の装置更新サイクルの波による反動減が警戒される点。常に同社の受注残高の推移には目を配っておきたい。

研究開発費を今期30億円見込んでおり、全体売上の約9%に相当するが、他社平均は10%強の見込み。それが同社の高い利益率の要因とも言えるが、抑えすぎるのもどうか。

やはり業界の先行きには不安が生じる。確かにスマホは今後も成長を続けそうだが、それは競争激化の末、勝ち組企業の寡占が進んでいくことが予想される成長である。

その中で半導体業界は生産の集約化が一段と進んでいくであろう。であれば、勝ち組企業にいかに納品できるかが分かれ目で、幸い同社は電子ビームマスク描画装置で世界シェア首位であることから有利なポジションにある。今後も高シェアを維持し、他社の追随を許さないように一層研究開発を積極的に進めていくべきである。

その中でエピタキシャル成長装置は自動車業界向けという新しい切り口で、顧客の幅も拡がりリスク分散を図ることが可能。こちらももっと推していきたい。

ただし自動車業界も国内、そしてタイでの災害によってサプライチェーンが脅かされ、全体の生産が止まってしまう脆さを露呈している。例えばカーナビが洪水で作れなくなったばっかりに、顧客への納品が遅れるという事態も表面化してきた。それ程パーツ一つの供給不足が全体に与える影響は大きい。

一方でそれらを教訓に生産拠点を分散し、リスクヘッジを図ろうという動きも出ている。これは同社を含めた製造装置メーカーにとっては追い風であり、世界的に販売網を持ち合わせる同社のビジネスチャンス拡大に期待したい。


※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。