KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

マイストーリー分配型(Bコース)のレポート

★☆★☆【有料メルマガ】【銘柄診断】お申込募集中です!

「損せず焦らず無理なく細かく儲ける」をコンセプトとした有料メルマガお申込受付中!

▼下記URLから成績などご確認後、お申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/performance.html

1ヶ月当たり3,150円〜。

足下の株価急落は投資のチャンス!
天与の買い場を逃さないようにしましょう。

また今回のようなレポート作成も承ります。
無料リクエストも合わせて下記リンクよりお申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/omousikomi.html

以前のレポートはこちら
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/report.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

※投資信託は専門外ですが、一応リクエストがありましたので取り上げました。投資信託なので短期的に見る方はおられないと思いますが、長期的な世界情勢も予測し辛いので、とりあえずは株と同様四半期単位のスパンで検証してみます。

3ヶ月以内投資判断 「やや買い」
買いのタイミング  現在(ただし長期的には他の投信などと比較しても旨みがなく、新規買いは無用)
3ヶ月以内基準価格予想 5500円〜6500円

要点
・為替ヘッジが無いため円高がマイナスに。ただこの先円安に向かうものと想定すると、目先は多少強気に見ても良さそう。ただし戻りは限定的。
・他社の類似投信と比べて成績は良いが、同社間での比較では悪くなっている。信託報酬の差が明暗を分ける。
・解約は歯止めがかからず、残高は減少傾向。


【ファンド概要】
野村アセットマネジメントの運用で05年5月設定。世界の債券、国内外の株式を3:1で実質的な投資対象とするように投資信託証券を主要投資対象とするファンドオブファンズ。債権は半分は高利回りのものを組み入れる。

原則として為替ヘッジを行わない(Aコースはヘッジ有りのコース)。奇数月の2ヶ月決算。直近の分配金は58円で、1月・7月のボーナス分配は108円とここ2年は一定。


【人気の背景】
国内最大の証券会社野村が手がけ、株式型投信では珍しい隔月分配金実施が人気。高齢者をターゲットに奇数月に分配金を出すことで、偶数月に出る年金の穴埋めを狙った。

ただ一般的には分配金が多い投信は資産をその分取り崩して分配金を確保し投資家に分配するので複利効果が出ない。加えてコストも当然余計にかかることになる。そのため、一般的には基準価額は横ばいや右肩下がりになるファンドが多い。


【手数料・運用報酬】
購入時に約2.1%、また純資産総額に対して約年1.5%の信託報酬がかかる。


【直近の組み入れ比率などステータス】
債権 74%(内欧州向け20%。日本はほぼ0)
株式 25%(内国内17%)
現金等 1%

通貨別分配
米ドル 44%
ユーロ 20%
円   19%


直近10月の運用成績においては、欧州債権そのものの下落によるダメージは無いものの、ユーロ通貨の下落によってダメージを受けている。資産の運用成績自体はそれ程悪くない印象。


【基準価格推移】
運用開始から約1年8ヶ月での残高1兆円を突破し、その後1年で2兆円を超えた大型ファンドだったが、リーマンショックにより基準価格が5000円に接近すると解約が急増。現在は3400億円規模まで落ち込んだ。

09年には世界情勢の落ち着きから少し戻り、基準価格は7000円台を回復していたが、今年に入ってからは震災や欧州債務不安などを背景に一時5500円を割り込んで最安値を更新。解約の流れになかなか歯止めがかからない。

元々分散投資のメリットを全面に押し出して成立したファンドだけに、その安定感に対する投資家の期待が大きかった。しかし実際にはその分散効果が発揮できず、株式・通貨・債権市場が同時に混乱する中で基準価格の下落は抑えられず、投資家の失望を招いた格好に。

直近では6000円付近まで回復しているが、ユーロの下落が止まらない中で、ヘッジが無いBコースは打撃を受け続けている。高利回り債権のウエイトが大きいところも、このような状況下では逆風。


【ファンド間比較】

日興アシュモア新興国財産3分法ファンド毎月分配型

10年2月設定。新興国の債権、株式、不動産を対象に投資。債権:株式:不動産はそれぞれ5:3:2の割合で組み入れ。毎月決算。
直近の分配金は150円。購入時手数料は約3.7%、実質的信託報酬約2.3%。

設定開始以来の期間で同ファンドと比較してみると、同ファンドの方が運用成績が良い。アシュモアの方は信託報酬が大きく、特に新興国は足下のリスク回避選好の高まりから最近の成績は悪く、下落幅を大きくしている。残高は同ファンドとほぼ同規模。


野村 世界6資産分散投信(分配コース)

05年10月設定。同ファンドの好調に気を良くしたのか、同じようなコンセプトで組成される。国内株式5%、国内債券20%、国内REIT5%、外国株式15%、外国債券50%、外国REIT5%を基本投資比率に。為替ヘッジ無し。奇数月決算。
直近の分配金は60円。購入時手数料は約1.6%、実質的信託報酬約0.7%。

設定後の成績を比較してみると同ファンドに比べて運用成績は良い。信託報酬が低いのが好パフォーマンスの背景。残高は同ファンドの2/3程度。こちらも残高の減少に歯止めがかかっていない状況。


LM・グローバル・プラス(毎月分配型)

レッグ・メイソン・アセット・マネジメントが03年に設定。A格以上の外国債に70%、外国株に30%を振り分ける。為替ヘッジ無し。毎月決算。
直近の分配金は20円。購入時手数料は約2.6%、実質的信託報酬約1.3%。

直近5年での運用成績は同ファンドに劣る。為替が円高に振れることで、国内の商品を一切組み入れていないことが裏目に出た格好。毎月分配だが、分配金も小さく旨みは無い。残高は同ファンドの1/3程度。


マイストーリー株25

同じ野村アセットが01年に設定したもの。株の比率が25%、残りは債権ということで同ファンドと性質は同じではあるが、決算は年一回。
直近の分配金は45円。購入時手数料は約3.2%、実質的信託報酬約1.2%。

分配金は同ファンドに比べて随分少ないものの、基準価格は現在においても1万円を超えており、直近5年でのリターンを比較すると、マイストーリー株25の成績の方が4%上回る。信託報酬が安いことも後押し。残高は15億円程度で規模は小さい。


他の類似ファンドに比べると他社の商品に比べて運用成績は良いが、自社の他商品に比べると悪い印象。信託報酬が高いことが足を引っ張っている。

分配回数の多い投信もトータルで考えた場合は損をしているものがほとんどである。例えば同ファンドにおいても、特性がほぼ同じで年一決算のマイストーリー株25との差が歴然だ。冷静に他の投信などとトータルリターンを比べてみることが肝要だ。



【評価】
足下では欧州不安の高まりから、最も基準価格が下押ししているタイミングとも言えいるが、最悪期は脱した印象。ここからは欧州市場の一服により債券価格も安定的となり、株式も上昇してくるものと想定される。為替の円安トレンド転換も成されるものと見て、目先数ヶ月は基準価格の回復が見込まれる。

一方で主力販売先の証券会社では手数料収入のために新ファンドに乗り換える戦略を採る傾向があり、旧ファンドである同ファンドの残高がここから増えるような手応えもなく、戻りも限定的と思われる。従って敢えて新規に投資すべき商品とは言えないだろう。

もし景気の戻り局面と考えるのであればもっと積極的にリスクを取りにいくファンドを狙うべきであるし、各国の債権リスクは今後も燻り続けることは間違いない。債権重視が安定的というイメージはすっかり過去のものになったと割り切るべきだろう。

一般に分配回数の多い投信を選好する投資家は、基準価格よりも分配金に比重を置く傾向が強い。そのため残高減少が続く中でも分配金を維持するためにギリギリの運用を続けているものと想像されるが、こういった場合は「たこ足配当」となる危険性が強まる。


※投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。また同ファンドの中身に関して目論見書などを必ず再確認してください。