KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

日銀ETF買い不発

★☆★☆ 第7回目開催決定!

テレビ東京日経CNBCラジオNIKKEIなどでお馴染み、あのブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏が高岡で7度目となる自主開催セミナーを開催されます!!

馬渕治好氏略歴
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub1.html

内容 :「世界経済・市場展望」
(※世界の経済動向、主要市場の先行き、政策要因や投資家動向などの全体観について、最新情報を踏まえながらわかりやすく解説。なお質疑応答を含め、個別銘柄の株価判断はありません)
日時 :9月17日(土) 13:30~
場所 :富山県高岡市 JR高岡駅前 ウイング・ウイング高岡
参加費:4000円

事前お申込制となっており、定員に達し次第締め切りとなります。
セミナー終了後は懇親会も予定されています(※自由参加。別途5000円程度)。

詳細を下記リンクよりご確認の上、お申込みください。
http://kokucheese.com/event/index/402909/

東京では3日で定員に達する人気セミナーです。
当然私も参加します(^_^)/

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本日の日経平均は反落。前日のNYは高安マチマチ。原油価格の下落を受けてエネルギー株が売られましたが、AppleGoogle持株会社アルファベットなどが買われてNASDAQはまた高値更新となりました。

それを受けた日経平均は朝方売り先行のスタート。為替が円高でも昨日までしっかりしていた反動も出ました。その後は日銀によるETF買いの期待感もあって 下げ渋りの展開。香港市場は台風でお休みになりましたが、上海株が落ち着いたスタートになると次第に安心感が広がる格好。16500円台を回復しました。

ただ本日の10年物国債の入札を控えて、先週の日銀金融政策決定会合以降大きく売られていた国債が下げ止まらず。後場はその入札結果も低調で、銀行株など の売りに繋がりました。日銀のETF買いがあったものの、全然効果が見られず前場安値を割り込む展開。結局安値引けで33業種全て安くなりました。売買高 は20億株弱、売買代金は2.1兆円弱と低調でした。

投資判断は「売り」。「えっ、これで追加緩和ってことになるの?」という日銀の決定から2営業日が過ぎました。日銀が株を買うことが、果たして貨幣の流通 量を増やすことになるのか甚だ疑問ではありますが、為替が円高に振れて原油が下がる中では案外しっかりした動きが続いてはいます。

今回の日銀金融政策決定会合の結果を改めて抑えておくと、最も重要なポイントは「日銀が為替を意識しなかった」ことです。今までの金融政策は基本「いかに 為替を円安に持って行くか」に苦心したものでありました。つまり円安→輸入コストの増加→物価上昇という経路で、デフレ脱却に向けた動きを期待していまし た。

ところが今回、一番大きく変更された点は「ETFの年間買い付け枠を3.3兆円→6兆円にほぼ倍増」にしただけです。つまり、単なる株価対策に終わりまし た。確かに株高→円安になることは度々あるので、全く為替に無関係ではありません。が、それはあくまで外国人投資家の為替ヘッジによる副産物であって、直 接的に為替に影響を及ぼすものではありません。

為替に関係無いから円高が進む。非常にわかりやすい動きが金曜の夜間に現れました。アメリカの方も日本が「追加緩和した」なんて思ってもいないような、ほ ぼ無風に近い状態でした。まあもっと言えばイタリアの銀行モンテパスキのストレステストの結果が酷くても、フランスのGDPが悪くても、アメリカは唯我独 尊の動きを貫き通していますが。

もう一つのポイントとしてはGPIFというクジラが1頭消える分、日銀が肩代わりしようとする動き。日銀の追加緩和ということに耳目が集まったお陰で、 GPIFの過去の運用結果に関心が集まらなかったことは幸いでしたけれど、元々ポートフォリオ内で日本株を十分に買ってしまったGPIFの余力は残ってい ません。その分をETF買い付け増額で補おうという魂胆です。

一方、日銀は4月から保有株を売却する一方、設備投資や賃上げに積極的な企業のETFを連日少しずつ買っています。日銀が企業の信賞必罰の方向性を示すのであれば、本来この「設備投資ETF」買い付け枠を増額する、というのであれば、筋が通っているような感じもします。

しかしそうではなくてETFを通じた全体の買い付け余力を増やしました。まあ設備投資ETFの流通規模が少なすぎて、買えないというのも実務面ではあるでしょうけれど。

そう考えると、アベノミクス以降外国人が去り、GPIFが去り、で次の担い手は一体誰になるのか?という点に不安感を残している状態と言えます。まあ今はクジラよりもポケットサイズのモンスターの方が人気がありますが・・・。

ここで金曜の日経平均の動きを振り返ると、日銀金融政策決定会合の結果が伝わった直後に失望感から16174円まで売り込まれました。その後一旦買い直し の動きが出たものの、再度売り込まれて、13時半には再度16174円の安値を付けました。しかしそこから一段売り込む動きが見られないと、売り方も限界 ということで引けにかけて買い戻しの動きが出ました。

この動き、6/24のBrexitの時もそうでしたが、当時も2/12の安値14865円と並ぶ14864円で下げ止まり、混乱の中でも秩序立った動きを 見せました。つまり日銀発表の12:44→安値を付けた12:50までの6分程度の間に日経平均は500円以上下げたわけですが、混乱しているように見せ かけながらも、実は大口に統制された動きになっているのです。機械的に1円単位まで管理されているというような状況。

一方「追加緩和」というキーワードに引っかかってアルゴ取引が発動するようにでしょうか、ETFの買い付け増額だけでも(※実際には細かい変更点が他にも色々ありますが)日銀発表資料の表紙には「金融緩和の強化について」とあり、これが緩和だと強調されています。

引け後の黒田総裁の会見でも「金融政策に限界があるとは考えていない」と棒読みしていましたが、今回ある種一番無難な策のETF買いのみ(しかもREIT 増額は無し)というところを見ても、明らかにもう打つ手が無いように思われます。次回9月の日銀金融政策決定会合での対応に含みを持たせた感じにもなって いますが、個人的にはこれならまだ全く動かず完全に追加緩和無しの現状維持の方がマシだったとも思います。

今週最大の注目イベントは週末のアメリカ雇用統計ですが「アメリカ企業の売上の伸びは11年~14年末までは年平均5.2%のペースだったものが足元まで は2.1%に鈍化。一方、全米各地でストが起こるように、労働者の賃金は11年~14年末までは4.7%だったものが、その後は逆に5.3%に増えた」と ムーディーズのジョン・ロンスキー氏が指摘しています。

労働者の賃金が増える、というのは消費にとっても良いことですが、実態が伴っていないのに上がるというのは、企業を疲弊させていずれ雇用者にしわ寄せが来 ます。その兆しが先々月発表された5月分の雇用統計の数字の悪さでした。ですから、恐らく今後は+20万人などといった景気の良い数字は出てこないのだろ うと思います。

実際、ピークを迎えつつあるアメリカの決算を見ても、決算開始前にロイターの主要500社の利益見通しは-4.5%と見られていました。とりあえず、ここ までの段階で案外予想を上回る決算が出て来たことで、その見通しは-3.0%まで上方修正されました。ただ、プラスに転換する程の力強さはなく、そうなる と益々賃上げが企業収益を圧迫→採用を絞る→雇用者数の伸びは鈍る、というサイクルに陥る可能性が強いです。

なので週末の雇用統計はまた警戒しなければなりません。結局いつも何らかのイベントがあって警戒警戒ばかりですが、8月の場合は夏休みモードで大きなイベントが少ないため、月初の雇用統計の流れが一ヶ月の流れを決める可能性が強く、特に重要です。


新興市場も「売り」。ただ本日は全般的な手控えムードの中でそーせいG(4565)が買われ、マザーズ先物は一応上場来の高値を付けてきました。この辺り どこまで勢いが続くかは東証1部の落ち着き次第でもありますが、為替の円高に影響が小さいマーケットであることや、新興市場の決算発表が遅めであることで 幕間繋ぎの売買感が強いと思います。個人的には相場玄人以外近づかないのが賢明でしょう。


ポートフォリオ銘柄】
日本プロロジスリート投資法人(3283)は反発。本日は物流系REITの本 命とも言える三井不動産ロジスティックスパーク投資法人(3471)がIPO。公開価格27万円に対して29万円の高値を付ける好発進となりました。やは り物流系は安心して見ていられますね。REIT全体の方は先月末にREIT買い付け枠の増額が無かったことの失望感も漂っていますが、引き続き利回りの高 い金融商品は需要が強いと思います。


売りポートフォリオ大東建託(1878)は 反落。高値圏はキープしているものの、なんだかんだで決算発表以後上値切り下げの展開が続いています。足元で債券価格の下落によって金利が上がってきてい ますが、金利上昇は地主さんの建築コスト上昇に繋がるわけですから、同社にとってはマイナスです。引き続き売り目線で。


さて、今回は一銘柄買いポートフォリオに入れたい銘柄があります。それはファーストリテイリング(9983)です。

ご存じユニクロの運営母体ですが、本日7月の既存店売上高を発表。前年同月比+18.1%ということで、今年最高。前年に比べて土日が2日間多かったもの の、暑い日が続く中、夏物がしっかり売れている様子です。その他衣料品各社や靴のABCマート(2670)などの月次もしっかりしていますしね。

それはそれとして、今回買いポートフォリオに入れる要因の最大のポイントはやはり日銀によるETF買いです。先週末、金融政策決定会合において日銀はETFの買い付け枠をほぼ倍の年間6兆円に増額しました。

日銀は様々な種類のETFを買い付けますが、大和証券が以前試算したものによると3番目に日銀の保有比率が高くなるのが同社とのこと。言わずもがな指数ウェイトも高い銘柄なので、買われる株数も多くなってくるでしょう。

またチャート的にも上値にまだ200日線が控えていますが、先月決算を受けて急騰し、そこから上放れの機運が出て来ています。一目均衡表は三役好転の形で、ボリンジャーバンドの+2σも拡大が続いていることから、上値余地が拡がっています。

海外売上も大きいので現状為替の影響を結構受ける銘柄ですが、基本は製品を海外で作って輸入しているので、外需系企業に比べると影響は小さいですし、実際 市場でもそのように見られています。そもそも国内月次売上を受けて株価が動くこと自体、外需系として見られていない証拠ですね。なので足元の円高の影響は マイルドと捉えられます。

上述したように、地合全体としては下落基調が続くとみていますが、日銀による買い支えなどで株価的には安定した状態が続くと思います。配当利回りは低いですが、一応8月決算銘柄なので、権利取りの動きも多少はあるかも知れません。

目標は37000円に。明日の寄り付きから買いポートフォリオ入れとします。


・・・と、また文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。


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