父の話の続きです。
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明くる日、父はまた39度の熱を出しました。病院から呼び出された母が医者から聞いた話では「今回がヤマだろう」と言われたとのこと。母からそれを電話で知らされた私も「いよいよか」と思い、車で急いで病院に向かいました。
ひょっとしたら死に目に間に合わないのか、いや母が私を動揺させないために、既に事切れているのに嘘を付いているのではないかとすら思うと、一々引っかかる赤信号がいつもより長く感じました。
私が到着した時、幸い父はまだ生き長らえていましたが、呼吸は酸素マスクに替わっていました。手を触ってみると冷たく、生命エネルギーが残りわずかであるような印象でした。
既に意識は無いということで、時折目は開けるものの、ほとんど白目の状態。目の前で手を振っても目が何かを追うことは無く、まつげを触っても反射の反応がありません。恐らく目が開いていても、もう視力は無いようです。私が父を見下ろしながら呆然としている間、母は姉や親戚に電話で次々知らせていました。
結論を言えば父の容態はその後安定し、我々はホッと胸をなで下ろして帰りました。しかし一方でもういよいよ本当に覚悟を決めないといけない瞬間が近いのだなとも思いました。(つづく)