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日経平均は本日続伸。前日のNYは出てきた住宅関連の指標が弱かったもののIBMが決算を受けて買われたことで、ダウは23000ドル乗せ。3指数共に最高値更新となりました。
それを受けた日経平均も、朝方から買いが先行。ここ最近のパターンで買い一巡後は一旦利食い売りに押されるものの、その後買われて21500円を前引けにタッチしました。
後場は急速に利食い売りに押されるものの、チャート上の窓を埋めると間もなく反転し下値切り上げの動き。最終的には寄り値まで戻し、十字線となりました。結果日経平均は29年8ヶ月ぶりの13連騰に。売買高は15億株台、売買代金は2.4兆円台とやや低調でした。
投資判断は「中立」。石川製作所(6208)など軍事関連株が高値圏をキープしている一方で指数もグングン上がっていくのはやや違和感もありますが、とにかく強い日本株です。石川製作所に関してはブラックロックの保有が8%を超えるなど、単なる独自要因かも知れませんが。しかしつい先月まで今年の連騰の最長が4だったのですが、13連騰とはすごい豹変ぶりです。
足元では裁定買い残が急拡大。やはり先週も拡大となり、ここ1ヶ月で一気に1兆円積み上がりました。と言ってもまだ2.4兆円レベルですから、過去大きく積み上がった4兆円といった水準と比べるとまだ過熱感はありません。
https://www.asset-alive.com/nikkei/demand_supply.php
ただ一説には日銀ETF買いが裁定残を積み上がりにくくしているとも言われており、以前と同じ水準論で語るべきではないという説もあります。となると、裁定売りを日銀ETF買いが吸収しているとも言え、既にいっぱいいっぱい買われているのかも知れません。
が、一方では急落のリスクは抑えられているのかも知れません。この辺りちょっと判断が難しくなりましたが、日頃の売買代金が2兆円レベルと低いですから、裁定買い残が3兆円を超えてきたらいよいよ警戒が必要と言えるのではないかと思います。
↓昔の記事ですが、裁定買い残が増えない理由
http://jp.reuters.com/article/idJPL3N1AY2IB
一方、アメリカのVIX指数は今月一時過去最低の9.11をマークし、その数字の不吉さとは裏腹にユーフォリア感(多幸感)が蔓延しています。一部では恐怖指数というあだ名を返上して慢心指数と言い換える向きもありますが、実際そんな感じになりつつあり、一体何がどうなったらアメリカ株は下がるのやら。
https://chartpark.com/vix.html
ただ何でも極端なものは良くありません。個人的にはこの低すぎるVIX指数は要警戒だと思います。VIX指数はS&Pのオプションの取引価格から算出されており、取引されるオプションの盛り上がりで価格帯にバラツキがある程指数が高くなります。今はVIX指数が低い=皆あまり将来値が動かないと読んでいるので、取引の中心は現値からのレンジの狭い価格帯が中心になっているということです。
となると、オプション取引参加者で儲かるパターンはコール(買う権利)やプット(売る権利)を売ること。コールやプットは期限にそれぞれの行使価格を上回ったり下回ったりした時に利益が出るものですが、期限までにその水準からはみ出なければ利益にはならず権利が失効します。
ですからオプションの売り手に回れば、値動きが小さいので期限までにオプションを行使される可能性が低く、簡単に儲かることのできるのが近況です。両建てしてしまえば(つまりコール・プット共に売り)、この先相場が上に行くか下に行くかの相場観を予想する必要すら無く、値動きが小さいということだけを頼りに儲けることができます。
実際S&Pの時系列を眺めてみると、ここ一ヶ月で値幅が2桁になったのはたったの3日間。変動率でも9/11に1%以上上昇して以降、ずっと1%未満の変動率の日が続いています。と言うか、今年に入ってから1%以上値が動いた日はわずかに7日間しかありません。今年はオプションを売ってきた人がずっと儲かり続けている年とも言えます。
https://jp.investing.com/indices/us-spx-500-historical-data
ということは、もし何かがあって値が大きく動く日が立て続けに起きるとすると、このパターンが崩壊することで相場が一気に動き出す可能性があります。それは例え上に大きく動き出したとしても、です。その場合もVIX指数は上昇し、オプションの売り手は損失を被ります。93年に算出開始されて以降最も低水準ということですから、それだけ市場が警戒していない証拠でもあるわけで、その影響の大きさは計り知れない感じになります。
ちなみに過去最大はやはりリーマンショックの08年に記録した89.53。VIX指数自体に連動するETFなどもありますから、この辺りからちょっかいを出される可能性だって0ではありません。
というわけでアメリカ株は連日高値更新、高値更新と書いていますが、上がり始めた丁度1ヶ月前の9/8からの比較ではS&Pは4%しか上がっていません。その間債務上限問題のクリアや減税案の進展など、色々最悪期は脱したはずですが。
新興市場は「やや売り」。本日は両指数共に堅調。引き続き東証1部の大型株が十分値動きが大きい中、新興市場は蚊帳の外の状態が続いています。ただやはり東証1部がこれだけ調子が良い中で決算シーズンが近づいてきますから、出遅れ新興市場にも一旦は資金は回ってくるのだろうと思います。
【ポートフォリオ銘柄】
売りポートフォリオの大東建託(1878)は反落。13日の急落で空けた窓を埋めそうで埋めない動きが続いています。この地合で大型株なのに買われない、陰線が続く、という辺りに明らかにこれまでとの基調の変調を感じます。
同じく売りポートフォリオのソフトバンクG(9984)は反発。傘下のアメリカ通信大手スプリントとTモバイルのいよいよの統合が報じられ、10000円到達となりましたが、その後は出尽くし感が強まっています。
世界株高の中で市場全体の牽引役とはなっているものの、一方で10兆円ファンドの投資先も例えばウーバーのように様々なしがらみや各国の規制の壁に阻まれて、思うように進まない様子。この辺りは孫社長の腕の見せ所ではあると思いますけれど、過剰な期待感は一旦剥落という感じがします。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。