防衛大学校入校話の続きです
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20200510.html
廊下で上級生をある程度の距離で視認した場合は、自衛隊の基本「敬礼」をする必要があります敬礼をスルーする「欠礼」は最大の非礼であり、「シバき」(指導。関西弁の「しばくぞ」から。)を受けて当然の行為です
部屋の外では、一年生はさながらサバンナに住む草食動物のように、360度に警戒信号を発しながら行動しないといけません人が接近してきた時、まず目線は胸の位置の名札です。名札には学年毎に色が付いていて、危険度は信号の色と同じですすなわち2学年は緑、3学年は黄、4学年は赤。ちなみに1学年は白です。つまり名札に色が着いている人にはとにかく敬礼をしないといけないわけです
私は入校前に視力回復の針治療を受けたくらいに弱視だったので、当時メガネはとにかく必須でした敬礼したら相手も一学年だった、曲がり角でバッタリ出くわし反射的に思わず一学年同士で敬礼しあった・・・というのも、最初の頃は「あるある」です
敬礼はいわゆる右手を帽子のツバにかけて曲げて行う「挙手の敬礼」と、帽子を被っていない場合には脇を締め、腰から頭にかけて一直線を保ちつつ角度10°のお辞儀する「10度の敬礼」の2パターンがあります。
それに朝(起床~国旗掲揚時間まで)には「おはようございます」、夜(国旗降下~消灯まで)には「こんばんわ」と大きな声を敬礼に付け足す必要があります。簡単なことですが、慣れるまでは組み合わせや緊張で頭が混乱し、しくじった場合は「シバかれ」ます
4学年の部屋の前で靴磨きをしていると、ブロックの3学年が近づいてくるのが見えました初日に歓迎会をしてくれた3学年です。もう国旗降下が終わり、私は帽子を被っていなかったので「10度の敬礼」と同時に「こんばんわ」と言いました。
すると3学年が怖い顔で「おいお前、そうやって対番から習ったんか」と詰め寄ってきました。私の記念すべき(?)初「シバき(指導)」でした(つづく)