KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

東日本ハウス(1873)のアナリストレポート

今週のお題ゴールデンウィーク
★☆★☆【有料メルマガ】【銘柄診断】お申込募集中です!

「損せず焦らず無理なく細かく儲ける」をコンセプトとした有料メルマガお申込受付中!

▼下記URLから成績などご確認後、お申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/performance.html

1ヶ月当たり3,150円〜。


相場が続く限りチャンスは無限大!
一度お試しください!


また今回のようなレポート作成も承ります。
無料リクエストも合わせて下記リンクよりお申込ください。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/omousikomi.html

以前のレポートはこちら
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/report.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


12年5月4日現在
3ヶ月以内投資判断 「中立」
買いのタイミング  現在
3ヶ月以内株価予想 350円〜500円


要点
・2000年以降の最高益更新はほぼ確実と見られるも、会社計画はやや楽観的。優先株償却など資本政策の改善を急いだ分、財政面ではやや厳しさも。
・株価水準は同業他社比などではやや割高。足下は円高により内需系・新興市場系が買われやすい地合ではあるが、テクニカル的にも決算が出揃う5月下旬辺りにピークアウトか。
・需給は良好。東証上場などが実現すれば上値追いも。
・外資や国内大手などの大資本をバックにつけて財務面の強化を図り、営業力を一段と強化していく必要がある。


【企業概要】
東北地盤の注文住宅大手で全国展開。子会社にホテルや銀河高原ビールも。今月中に優先株を一掃し、東証上場も視野。


【業績】
前期は減収減益。震災による着工延期などの影響をモロに受けたものの、減少幅は比較的抑えることができた。

今期は大幅な増収増益、2000年以降の最高益更新を見込む。第一四半期の段階では前期比増収で赤字幅も縮小。景気先行きの不透明感に対する住宅着工の減少など事業環境が厳しい中で、復興需要を取り込んだ豊富な受注残を背景に、会社計画に対する進捗率は16%と概ね例年並のスタートに。

足下では他の大手同様に太陽光発電システムを標準搭載した住宅の受注拡大に力を入れる。一方で東北地方の人手不足による人件費向上、並びに特需消失後の供給過多に懸念。営業力の強化が必須である。その他、建設資材高騰や不足など、コスト面におけるリスクには目を光らせる必要がある。


12年4月中間期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   19700
営業利益 −620
経常利益 −960
当期純益 −1150

中間期までは季節性要因もあって赤字は致し方なし。会社計画は例年やや楽観的なため、通期会社計画は未達懸念もあるものの、それでも売上500億クリアは最低限達成可能なレベルと思われる。

資本政策においては優先株が今期中に一掃されることで、以後株主還元余地が大きくなる見込み。一段の増配も十分期待が持てる。


有利子負債は222.2億円で前期から41.6億円増加
有利子負債比率(有利子負債÷自己資本)は262.5%
現預金は48.2億円
流動比率(流動資産÷流動負債 ×100)は81.2%で前年の92.7%よりは悪化。

有利子負債比率は大きく、流動比率も低い。財務面はあまり良いとは言えず、資本政策を優先した分のしわ寄せが出ている格好。


フリーキャッシュフローは前期44.7億円の黒字

前の期に比べて純粋に利益幅が減少したことが響き、営業キャッシュフローは減少。今期は逆に利益拡大によりフリーキャッシュフローの改善は期待できるものの、資本政策改善のため財政キャッシュフローは赤字が拡大見込み。


粗利率は38.4%で、前期の37.8%との比較ではわずかに改善。
予想ROAは11.3%で、前期の7.6%から増加。

利益率に関しては改善傾向が見られる。一方でまだ改善余地は残されているように見受けられる。


ファイナンスに関しては2月に売出が既に実施されているために当面はなさそう。ただ有利子負債圧縮などの目的で、あるとすれば東証上場とセットで行われるものと思われる。


理論株価
買収価値を示すEV(時価総額−現預金+有利子負債)は366.1億円。今期予想EBITDA(営業利益+減価償却費)は68.2億円であり、結果EV/EBITDA倍率は5.4倍となる。同業他社の平均値はおよそ4.8倍と見立てられ、それらを元に計算した理論株価は328円となり、現状の株価は事業価値分析上はやや割高と捉えられる。


【株価推移】
バブル崩壊以後は右肩下がりの状態が続き、08年には一時73円まで下落する場面があった。しかしその後は業績回復に歩調を合わせて下値を切り上げる展開に。そこに昨年東日本大震災の発生によって復興特需が見込まれると、動意付く契機となった。

株高の恩恵を受ける形で、筆頭株主も高値で売出に成功。その後も値崩れは見られず、足下では2000年以来12年ぶりの高値水準となっている。


【テクニカル】
震災以後に弾みの付いた株価は、しっかりした業績や資本政策の裏付けもあって順調な上値追いが続いている。特に売出が発表された後も75日線で反発。その後の大相場を演出している。

直近4/26には年初来高値を更新。400円と25日線を下値に抵抗力が伺える。ただMACD新値足は暗転し、ボリンジャーバンドも収斂でトレンド変化の兆しも。パラボリックは良好で、一目均衡表も三役好転の形となっていることから、上昇トレンドは辛うじて維持されている格好ではあるものの、正念場と言えそう。

さしあたり、現在は11/25→3/2までを第一波とし、3ヶ月周期の第二波動に乗っているものと思われる。11/25安値の半年の信用期日にも当たるのが今月下旬頃であり、概ねその辺りで一旦ピークアウトの予想。第一波で安値から高値まで約倍化したので、第二波も250円の倍にあたる500円あたりが、心理的節目とも重なり妥当な水準と見られる。

その後調整するのであれば、75日線と1/17高値、4/11安値が重なってくる350円辺りが下値目処と考えられる。

短期的には円高局面で新興市場が強いこともあり、消去法的にも買われやすい場面であるものの、500円辺りでピークアウトの見込み。その後は3月期決算銘柄の決算が出揃うことで好業績銘柄に資金が移行する地合になることもあり、400円を挟んで材料待ちの膠着状態となるのではないかと思われる。


【需給】
2月には255円で総計350万株超の売出を行ったものの、特に需給が悪化することなく再反転。出来高は先月月間ベースで過去最高を記録し、回転が効いている状態。特に直近では年初来高値を更新してきたことから、上値のしこりはほとんど見られず、需給は概ね良好と言える。

ただ優先株消却を23日に発表し一伸びしたものの、4/2に過去最高の出来高を記録してからの気迷いの流れは大きく変わっていない感じ。

特に信用買い残は360万株超と、過去最高水準となっている。日々の出来高が平均77万株程度であるから、これではやや上値に重くのし掛かってくる印象。例えば東証上場決定やそれに伴う記念配など、上値追いのため盛り上がる材料が必要である。


【同業他社比較】
同社の予想PERは4.4倍。PBRは2.6倍
今期予想営業利益率は9.7%
配当利回りは1.2%
同業他社と比較すると、それぞれどのような位置付けだろうか。


大和ハウス工業(1925)
戸建て住宅大手。マンションや商業施設など多角的に取り組み、海外進出にも積極的。売上は同社の30倍規模。

予想PERは20.6倍、PBRは0.9倍
今期予想営業利益率は6.1%、予想ROAは4.6%
有利子負債比率は58.9%
予想配当利回りは2.4%

同業の中で最も時価総額が大きい超大型株。その分PERでは割高となっているが、PBR面で見た場合や財務体質の健全性などでは割安。既に大会社でもあるため利益率は同社に比べて小さい反面、財務体質はしっかり。配当利回りでも同社に比して優位性。


積水ハウス(1928)
戸建住宅では首位。マンション販売にも注力。

予想PERは11.9倍、PBRは0.7倍
今期予想営業利益率は4.8%、予想ROAは5.5%
有利子負債比率は35.4%
予想配当利回りは3.4%

やはり225採用銘柄ということもあって、PERは同社に比べて高い。一方でPBRや財務体質の健全性から見ると割安。利益率は低いが、配当利回りは同業他社比で最も高い。


住友林業(1911)
住友金属鉱山(5713)が筆頭株主で、住友グループ。注文住宅と木材加工が主軸。リフォームやアメリカでの海外事業に力を入れる。

予想PERは17.0倍、PBRは0.8倍
今期予想営業利益率は2.8%、予想ROAは4.6%
有利子負債比率は38.8%
予想配当利回りは2.5%

PBR面では割安なものの、利益率は小さい。


ミサワホーム(1722)
注文住宅で大手。同社同様東北での営業に強み。トヨタ(7203)が資本参加し、トヨタグループに。

予想PERは6.6倍、PBRは優先株発行のため算出無し
今期予想営業利益率は2.8%、予想ROAは4.7%
有利子負債比率は210.0%
配当は無配。

同業他社の中では最も利益率が小さく資本の状態も悪いものの、トヨタグループをバックに復活を期しているところで、株価変化率も高く上値追いが続いている。ミサワに比べると同社にはやや割安感。


これら他社との比較では、株式価値の観点からはやや割高な印象を受けるものの、利益率は高い。PBRに関しても優先株の消却が決まったばかりであり、ここから数字が一気に小さくなっていく見込みであるため、極端な割高感も無い印象。


【課題】
2015年にはピークアウトすると言われる戸建住宅需要の先細りの中で、もっと先行きの期待できる事業の多角化戦略を打ち立てる必要があるだろう。既に住宅版エコポイント等による需要の先取り効果を享受した以上、国内景気・雇用の先行きが不透明な中、事業環境は厳しさを増す一方である。

例えばビール子会社の立ち位置が不透明。ホテル事業との連携は考えられるものの、ビール大手各社が国内ビール販売に苦戦する中で、なかなか黒字の維持は難しいのではないか。地ビールの物珍しさが一巡すれば、売上の伸びにも限界が来そうだ。

規模の面でなかなか海外進出などが難しいのであれば、高齢者住宅のノウハウを持つ企業との提携で需要のある新分野を開拓する、運営するといった取り組みも必要になってくるものと思われる。日照時間の短い東北地方ではソーラー住宅よりも、高齢化の進む地域にあった商品の提供が訴求力を持つだろう。

資本政策が積極的に行われている点は評価したい。一方でその分事業規模の小ささ、財政面での弱さが目立つ印象であるから、大企業グループなどを背景に据えたいところ。現在は復興需要があるため営業力が弱くてもカバーできるが、その後の反動局面に備えて営業力強化を図るためにも、財政面の余裕が必要である。

外国人の持ち株比率が低いことから、まだまだ大口投資家の入り込む余地は大きそう。配当を断続的に上げているし、優先株の消却などでも機関投資家にアピールできる下地は出来上がった。これら大口投資家の組入が始まれば需給は一段引き締まり、株価に上値追いの余地が生まれる言える。


※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。