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日経平均は本日続落。前日のNYはFAANG株が決算で弱いNASDAQ銘柄に引き続き売りが出て軟調。それを受けた日経平均も朝方から売りが先行。本日の日銀金融政策決定会合の結果発表を警戒し、前場は動き辛い展開になりました。北朝鮮がICBMを製造しているのではという一部報道もあり、地政学リスクも台頭。
中国のPMIがそれぞれ弱かったことや、10:15に出てきた人民元基準値が引き続き元安設定となって、中国株が軟調スタートとなりましたが、為替が円安方向に振れたことで、下げ幅を縮小の動き。売買高は11:15現在7億株弱と閑散。
投資判断は「やや売り」。今週の重要イベントラッシュを控え、警戒感が強まる展開になっていますが、いきなり嫌な事を。以前指摘した「南北首脳会談後に天井を付けて、TOPIXが半値になるアノマリー」ですが、今のところ6/12を高値に下落トレンド継続の格好となっています。
超長期のTOPIXチャートを見ると、96年、00年、06年、07年の高値を結ぶ上値抵抗線は今年1月に上回りかけたものの(大体1850ポイントに位置)、それに跳ね返されつつある流れです。まだ3月安値を辛うじて下回っておらず、形としては再度上値トライに行く可能性は残されていますが、月足のMACDは暗転してしまっています。
ともあれ本日は昼過ぎに出てくる日銀金融政策決定会合の結果を前に戦々恐々とする値動きとなっています。個人的には、少なくとも表面的には日銀は来年の消費増税まで緩和持続の旗を降ろすつもりは無さそうですから、まだ日銀が出口を示すことは無いのだろうと思います。
それよりもアメリカ株のトレンド転換の方が気になります。NASDAQやラッセル2000といった小型株指数が消去法的にもグングン買われて高値を更新していったのは、結果論的に理解できます。他方、ボーイングやキャタピラーなど米中貿易戦争も絡んだところは買い辛く、NYダウはまだ高値まで5%程の距離を残しています。
これまでNASDAQはFAAMG株に代表される時価総額20%程度を占めるわずか10社程度の銘柄がそれぞれ高値更新となっており、指数押し上げの原動力になりました。それが先日のFacebookの決算を受けた暴落により変調を来しつつあります。高PER銘柄などが決算を受けて期待から現実的な数字に目が向かうのは、日本株でも良くある話。
昨今のG7などが象徴しているように、保護貿易主義で自国を優先するアメリカに資金が集まっている形で、それ以外の国の株価は決して強くありません。特にひどいのは中国。選挙対策など国民からの支持を得たい時に海外に対して強気に出るというのは、お隣韓国でもよく使われる常套手段ですが、アメリカという世界のリーダーがやるような戦略ではありませんね。
ともあれそういった背景もあって、上海総合指数は16年以来の低水準。 また他の新興国も通貨安によるダメージが大きく、それ以外では財政や政情不安の続くイタリアが年初来安値圏にあります。
やはり中国やイタリアといったところは下落のスピード如何で売り方の材料にされますから、気にしておく必要があるでしょう。特に日米欧の金融政策の変更によって先進国の長期金利が上昇となるならば、新興国からの資金流出という動きに繋がるという見方が拡がり、更に中国やその他新興国、そしてイタリアから資金が逃げていく格好になるかも知れません。
しかし一方で、アメリカの長短金利差はジワジワ縮小していっていますし、09年7月から開始したアメリカの景気拡大期も来月でいよいよ10年目に突入しようとしています。
結局、欧州が金利引き上げ開始時期を来年夏以降としたことから、それまでは利上げがグングン進む米債券の方に魅力があるということで、米国債が買われる→金利が上がり辛いという展開になっています。先般のイタリア不安の際もそうでしたが、海外で景気後退感が出る程、アメリカにとっては有利な状況になっているとも言えます。
しかし先行き楽観派、懐疑派双方の共通認識としては「そろそろどこかで天井を付ける」ということで間違い無いと思います。その中で「それまでのチキンレースの最後まで搾り取る」という「あくまで相場持続期間の読みの勝負」となっているわけですから、時間の経過と共に買い方は焦る展開になるはずです。
例えばそれが「売り抜けるために最後に持ち上げよう」というような動きに繋がって「チキンレースは最後に一番旨みがある」というような状況になったりします。そういう短期的なフレには騙されないようにしていきたいところです。
日経平均に関しては、引き続き23000円の上値の重さを意識した推移が続いています。オプションの特にプットの建玉が23000円以上が薄いことを考慮すると、上値が相当重いと見ています。
逆に言えば、今週これだけのビッグイベントを経て23000円を超えることができないのなら、今後数ヶ月は無理でしょうし、私は年内23000円超えは無理だろうと考えています。夏枯れ相場に向かっていき、アメリカが夏休みモードに入ってしまうと、いよいよ相場が持ちこたえられなくなる可能性はあります。
アメリカの貿易戦争、来年に控える消費増税、ユーロ崩壊リスクなどを考えると、ここから株高に向かうシナリオが見えてきません。
最後に雑感ですが、以前日経に出ていた「日銀のETF買いにより、日銀がイオン(8267)など5社の筆頭株主」という話。示されていた流動株に占める日銀の割合にビックリ。ファーストリテイリング(9983)は実に浮動株の7割を占めて、ダントツの占有率になっています。
同社はこれを早く解消しないと恐らく浮動株基準に抵触して、例えばMSCIや、最悪日経平均といった指数から外される事態になってくるのではないでしょうか。そう考えると本日の決定会合でETFの買い入れ変更くらいはあっても良さそうです。
新興市場も「やや売り」。本日は高安まちまち。本日よりメルカリ(4385)がマザーズ指数に算入となったことで、マザーズ指数は実質的にメルカリ指数に変貌しつつあります。これに来月はMTG(7806)が加わることで、実質的にメルカリ・MTG指数になりそうですが、ともあれメルカリが先週から昨日まで買われた分、MTGにも指数算入に向けた買い需要がありそうです。
【ポートフォリオ銘柄】
売りポートフォリオの竹内製作所(6432)は続落。昨日はアメリカで建機大手キャタピラーが好決算を発表しましたが下落。日本の建機株もコマツ(6301)が好決算を出しても売られたように、先行き不透明感の方が勝る展開になっています。地合が悪くなってきたので、もう少し下落を見込みます。
同じく売りポートフォリオのソフトバンクG(9984)も続落。アメリカでNASDAQがFacebookなどの大幅安から天井を打った形になっており、アリババなども軟調。日本でNASDAQとの連動比率の同社の売りに加え、日銀によるETFの買い入れ対象変更思惑がNT倍率の低下に繋がっています。
チャート的には先日急騰した際に通過した価格帯出来高の薄いゾーンであり、なまじ1万円手前でもみ合いが続いた分、しこりも大きそうです。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。