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本日の日経平均は反発。前日のNYは米中通商協議再開報道を受けてダウが一時急伸。一方、NASDAQはiPhone新製品発表会を受けて出尽くしの売りが出たこともあり軟調となりました。
それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。明日のメジャーSQを前にファーストリテイリング(9983)とソフトバンクG(9984)が朝方から年初来高値更新となり、露骨な指数持ち上げ圧力が働きました。中国株が安心感からしっかりのスタートとなると再度高値を伺うも、その後は出尽くし売りが上値を押さえる展開に。
後場もファーストリテイリングとソフトバンクGは上昇する一方で日経平均は上値が重く。半導体関連株の下落が足を引っ張る形に。売買高は13億株台、売買代金は2.3兆円台と前日並で低調でした。
投資判断は「やや売り」。先日サウジのアラムコIPOが無くなったという話で原油価格は下がるのかと思いましたが、70ドル辺りが居心地の良い感じになってきました。足元で超大型ハリケーンがアメリカ南部に襲来、またアメリカの原油在庫の減少傾向が続いていることからも高水準が維持されそうです。
ドル建てで取引されている原油は、ドル高が原油価格下落圧力に繋がるので逆相関の関係でもあります。直近ではトルコ通貨危機がピークアウトした8月半ばをボトムに強含んでいますが、他方でドルインデックスは上げ一服。
https://jp.tradingview.com/symbols/TVC-DXY/
そう考えると、前回「原油を産出できず経常赤字の新興国は原油高で一層苦しい」と書きましたけれど、ドルが下落→原油上昇→上記新興国通貨下落という流れが出来ることになるのでドルには頑張ってもらわないといけません。が、ドル高はドル高で外貨建て債務を増幅させるというジレンマもあります。
またドルインデックスにファンダメンタルズ的に大きな影響を与えるアメリカ長期金利は足元で下落基調にあります。他方、2年債など短期債の金利が上昇し、長短金利差は再度0.21%まで低下してきています。この長短金利差の縮小は将来的なアメリカ経済の弱さを意味します。
https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yield-streaming-chart
アメリカのGDPなどは高く、雇用も消費も文句の付けようがない程順調です。ただ足元では耐久財の最たるものである住宅の指標に陰りが出ていること、次点の自動車にも関税問題などで陰りが出てきそうなことから、長期債の需給面では(FRBの再投資減少や売り方の買い戻しなどで)金利上昇圧力が強いはずなのに、一向に金利が上昇しないのが先行き不安感を示しています。
一方、その「長期金利がなかなか上がらない」ことを前向きに捉え、いわゆる「ゴルディロックス」的なぬるま湯経済が続いていくと見て安心しきっているのがVIX指数の低水準です。8月には1月以来の10ポイントに迫る場面がありましたが、トルコ危機により一時上昇を見せました。その後一旦沈静化しましたが、実はじわっと上昇基調を示しています。
https://nikkei225jp.com/data/vix.php
個人的にはどうも1月中旬からのVIX指数の上昇と、8月中旬からのそれの動きが類似しているように見えて不気味です。
日経平均に関しては、やはり23000円が高いハードルです。瞬間突破してもすぐに誰が上値を売ってくるのか、という犯人捜しはしておく必要があるでしょう。その辺りはやはり外国人投資家が犯人ではないでしょうか。8月までの段階で日本株の現物を3.9兆円近くも売り越しており、裁定買い残なんて貯まる余地すら無い印象。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-28/PE5SPE6K50Y601
じゃあ9月はどうかというと、9月は過去46年間の統計で唯一外国人が売り越している最悪の月。15年にはなんと2.6兆円、16年には1.1兆円、17年は0.6兆円と少しずつ落ち着いてきていますが、それでも続いています。理由は色々考えられていますが、10月末に決算を迎えるアメリカのファンドの節税目的による損出しの売りが出やすい、という指摘があります。
https://www.traders.co.jp/domestic_stocks/stocks_data/investment_3/investment_3.asp
そういった背景もあって、9月は「陰線を付けやすく、下落しやすい」月でもあります。確かに9月の終わりには中間配当落ちがあるので、そもそも下落圧力はあります。しかも年々配当額が増えているので、落ち分によるマイナスも大きくなっています。が、3月はそうでも無いわけで、配当落ちのせいにしてしまうのは適当ではないでしょう。
また日本とアメリカの月間騰落率がマイナスになりやすい月でもあり、やはり外国人の売りが影響しやすいと言えます。
新興市場も「やや売り」。本日は高安マチマチ。マザーズはメルカリ(4385)が上場来安値更新波動で公開価格3000円に接近。マザーズ指数の上値を重くしています。流れとしては一旦割らないと気が収まらないような感じであり、大型株の方が強い東証1部銘柄などとは対照的。その他MTG(7806)など好業績の大型株に頑張ってもらうしかないですね。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は反発。上述のようにメルカリが弱い分、時価総額マザーズ2番手の同社の奮起が期待されます。本日引け後に出てきたヤーマン(6630)の決算では結局海外部門が絶好調。なんだかんだでアジア人の美容機器に対する購買力に衰えは無く、やはり同社も高成長継続できると連想されます。
売りポートフォリオのソフトバンクG(9984)は大幅高。売りで取り上げて以降グイグイ上がって赤っ恥の上塗りが続いていますが、冒頭でも述べたように本日は年初来高値更新となりました。このままグングン上がって日本の時価総額1位までいきそうな勢いすらあります(その場合、2万円乗せする必要がありそうですが)。
アリババの下落、そして予想通りスプリントとTモバイルの合併審査一時停止という悪材料があっても関係無し。証券会社が入れ替わり立ち替わり高評価を与えて買い支え、昨日もみずほの格上げがありました。うーん、参りました。明日のメジャーSQを過ぎても反転しないなら、遂に白旗を揚げる必要がありそうです。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。