KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

ドル建ての日経平均はしっかり

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日経平均は本日反落。昨日のNYは先週末の雇用統計改善の勢い続き、3指数揃って堅調。FANG株がそれぞれ最高値更新となり、NASDAQも最高値更新。一方、VIX指数は25.8ポイントに上昇。エネルギー株や公共株、不動産株が買われる一方、半導体指数のSOX指数は下落。長期金利は0.87%に低下し、ドル円は108円台前半まで円高が進む形。


それらを受けた日経平均は朝方から売りが先行。その後も為替が円高方向に振れドル円が一時108円を割り込むと、引っ張られる流れに。ただ中国株などがしっかり推移する中で、後場は買い戻しの動き。ドル建ての日経平均はむしろ上昇しており、本日の下落は為替影響によるもののみと解説できます。売買高は14時45分時点で12億株台と低調。


投資判断は「中立」。しかし金曜の雇用統計はビックリでした。まさか雇用環境が早くも改善するとは、少なくとも主要エコノミストは誰も予想出来ていませんでした。ネットでは「雇われて暴動に参加した人がいるから」などというネタもありましたが・・・。

ともあれまた繰り返しになりますが、それだけの好材料をきちんと株高で反応する良好な市場環境です。もし地合が悪ければ「FRBの金融緩和姿勢が終わる」「またトランプ大統領が中国に強硬姿勢を見せやすくなる」などと悪い方に捉えてしまうケースも十分考えられますから。

毎週チェックしているFRBのバランスシートはまた前週に比べて700億ドルほど増えました。全額市中に流れてM2の拡大に繋がっているかどうかは別として、金融緩和が着実に実施されて拡大続く方向性は買い手の勇気と売り手の不安に繋がります。
https://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/bst_recenttrends.htm

しかし何故ここまで市場の予想が外れて雇用者数が増えたのか。普通に考えると、何らかの「数字のトリック」があり、実体経済に即した結果ではないのでしょう。飲食店などの離職・復職の機敏さはあるでしょうけれど、現地のエコノミストでさえ読み違うのですから、別の要因に思われます。過去50年間で「大統領選直前の半年間で失業率が上昇した大統領の再選確率は0%」という事実に、トランプ大統領再選への忖度した空気が流れ始めているのか・・。

ただ私より詳しい識者のコメントを読んでも、今のところ「数字のトリック」的な部分を完全に説明するものには出会えていません。ここまでの新規失業保険申請件数の酷さに関しては、先般書いたように過剰だったということなのかも知れません。もっとも雇用統計の数字自体、また来月になると修正されたりする可能性はありますが、予想よりも好調だったのは事実です。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-06-05/QBGDMBDWRGG101

結局雇用統計の好調さを完全に否定できないのであれば、ここまでの株高は既にこの雇用環境の改善を予見していたということになり、今まで「実態と乖離した株高」と言われていたのが、実は「実態に沿った株高」だったということになります。時折見せる非常に高精度な景気判定ツール、予見性が株式市場です。

結果、NYダウは年初来高値までの距離が6.7%のところにまで戻ってきました。S&Pは4.7%、そしてNASDAQは遂に最高値更新です。対して日経平均は3.9%、TOPIXは6.4%、ドイツDAXも6.4%としっかり。一方、フランスCACは14.7%、イギリスFTSEは15.3%、香港ハンセンは13.6%という位置。こうしてみると、米、日、独は強く、その他はまだまだ回復力が鈍いという感じです。

日本の強さはコロナ耐性や日銀の買いもあるように思いますが、ドイツが強いのは遂に均衡財政の殻を破って巨額の景気刺激策を行うと表明したこと、またコロナ感染の影響が他の欧州諸国に比べてマシだった点もあるかと思います。

日本株に関しては5月の上昇はマザーズに牽引された形になりましたが、6月に入ってからは今度は為替の円安で恩恵を受ける景気敏感株に主役が交代、本日はまた新興株が買われ、それ故余計に強いという感じです。

FRBのバランスシート拡大の他にも、ECB理事会では市場予想以上の追加緩和となるパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を6000億ユーロ(市場予想5000億ユーロ)に、また期限を年末→21年半ばに延長、更に「買い入れは柔軟に対応」としたことで、ユーロ圏の株式市場も軒並み頑強。ただ、PEPPは実際にはほとんど使われていないので、規模を拡大する意味があるのかどうかは不明なようです。

景気指標の改善は前向きに捉え、悪材料は全く無視。地合が悪ければ円安やアメリカの長期金利上昇は、日本売りやアメリカの財政赤字懸念に繋がるはずです。しかしそう受け取られないところに強さがあります。

毎週の新規失業保険申請件数は毎週酷い数字ですが、ウォールストリートジャーナルにも書いてありましたけど、そもそも新規失業保険申請件数はあくまで申請件数なので、重複したり却下されたり再申請したりするため、必ずしもその数字=失業者とは言えないとのこと。特に最近支給額が大きくなっているので、とりあえずダメ元で申請してみるか・・・という人も多いのだとか。それが雇用統計との齟齬の一因のようです。

直近の裁定売り残は2.4兆円に対して買い残0.5兆円で差し引き1.9兆円と前週の2.1兆円から減少。ただそれでも高水準ではあるので、引き続きこれを材料にした強さは残ると思います。

また直近の投資主体別売買動向では、外国人投資家は現物を216億円の売り越し。一方、先物は4,291億円の大幅買い越しということで、先月末の強さは外国人の先物買いによるものだったということになります。なお、個人は現物を3,315億円の売り越しと安定の逆張り。投信も548億円の売り越し。


新興市場も「中立」。本日は両指数共に堅調。マザーズ指数は年初来高値を更新。NASDAQの最高値更新が新興株買いに勢いを付けています。東証1部のオールドエコノミー株のリバウンドが終わった途端バイオ株にまた資金が集まってくるところに肉食系の投資家の多さを感じます。


ポートフォリオ銘柄】
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)は続伸。株式市場も上がっていますが、実は6月に入ってから地味にインフラファンドも上昇しています。3月末時点を1000として算出が開始された東証インフラファンド指数も1100ポイントの高値に。同投資法人に関しては今月末に分配金落ちがあるので、更に買われる流れになっています。


日本KFCHD(9873)は続落。結局今週は一転売られる動きになっており、どんなに高い月次成長率を出しても買われない嫌な流れになっています。うーん、4月や5月の戻り高値水準である2800円より下に売られる筋合いは無さそうなので、ここは仕込み場だと思うのですが。


・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。

なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。


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株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。