KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

枯れざくら~昔の防衛大学校物語 留学生

防衛大学校入校話の続きです
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20200531.html

防衛大学校には各国から留学生がやってきて、日本人と一緒の訓練や教務を受けています勿論「西側」の国でないと留学は許されないわけですが、我々の時代はタイがほとんどでした(その他東南アジアの国々)。現在ではモンゴル、ベトナム、韓国など多国籍になっているようで、今や防衛学の教官となった同期曰く「戦史の授業になると留学生がいるので色々気を遣うのよ」ということでした。

タイからの留学生は同期で10名弱程度。それが0学年~4学年までいるので、全体では40名強程度という規模でしょうか。「0学年」というのは日本語研修生の期間が1年間あるためで、そういう意味ではタイからの留学生は2年間も下級生として厳しい指導を受けないといけないのです(※ただし留学生には必殺技「ニホンゴヨクワカラナイ」で逃げる手があります

ただ日本に派遣されてくるくらいですから、留学生は皆スーパーエリートですたった一年で難しい日本語を完全に習得してしまい、会話をしていて「え?それどういう意味?」と聞き返されたことなんて一度もありません(ですから「ニホンゴヨクワカラナイ」は本来あり得ない)。ハッキリいって字も私よりキレイに書きますから、報告書を提出した際に「お前の報告書の方がタイ人のものかと思った」とよく言われました

少人数コミュニティなので、食堂などではタイ人同士で学年の壁関係無く仲良く食べている風景をよく見かけます。お米文化ですし、日本の食事も比較的問題無く受け入れている様子。ただ味噌汁に無茶苦茶七味唐辛子を入れて辛くして飲んでいましたけれど

というわけで、私の最初の清掃の長は4学年のタイ人でした。名札にはカタカナで名前が書いてあります。恐らく、私の人生で初めて会ったタイ人。私はなるべく動揺を隠しながら清掃に取りかかります

私はその時、申し送りノートに書かれていないモップを一つ余計に持ってきてしまいました。
「お前、モップなんか持ってきたの?」と言われ、清掃の動作を止めて「はい」と応じたものの「ふーん」と鼻で笑われそれっきり。本来であれば激しい雷が落ちるところでしたが、お咎め無しでした

私はちょっと拍子抜けして、再度清掃に取りかかり、最後に一通り点検を受けた後に、特に何事も無く終了となりましたぶっちゃけて言えば、タイ人の上級生はあまり怒りません(※人によりますが、やはり人種的な壁があると思われる。あるいは微笑みの国の人達だから?)。タイは文化的に「頭に神様が住んでいる」ので、頭を叩かれることも決してありません。

逆にタイ人とはいえ容赦無くシバかれますけれど、0学年時にコツを掴んでいるのと基本優秀なので元々そんなにシバかれる素地がありません。

ですから私はとりあえずその日はラッキーでした他の清掃場所を担当した同期などは、掃除の時間が終わってもなかなか戻ってきません掃除が終了した後に散々詰め寄られ、何度もやり直しを命じられ、消灯時間ギリギリまで帰って来れませんでした。(つづく)