KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

私をコスモス畑に連れてって 後編の前編

「おしっこ」を訴える娘を抱え、私は汗だくになりながら縦横無尽に駆け回りましたもう本当に普段の運動不足が祟って、乳酸が溜まり足が上がらなくなってきたのですが、火事場の馬鹿力と持ち前の大和魂で(?)足を動かし続けました

そうしてようやく地図に示された場所に着いたのですが、トイレが見当たらないのです「あれ?あれ?」と焦っていると、やがて母が後から追いついてきました。私は娘を降ろし母に「ちょっとトイレ探してくるから、娘を頼む」と言い残し、トイレが記された施設をぐるりと巡って探します

すると、建物の裏側にトイレがありましたそれを見つけた私は母と娘に向かって「おーいこっちにトイレがあった」と叫ぶと、母が娘の手を引っ張りながら「早く早く」と駆け寄ってきました。

ところがここで悲劇が。母があと数歩というところで見事に「スッテン」と転んでしまったのです母も80歳で比較的元気とは言え、当然足腰は弱ってきています。それにスキー場の凸凹した斜面ですから、慌てていたことも重なり足がもつれてしまった模様。手を繋いでいた娘も祖母ちゃんが転んだのに連れて転んでしまいました

その拍子、母は年のために反射が鈍く手が出るのが遅かったのと、娘を押しつぶしてはいけないと変な態勢で半身をよじったことから、左目の辺りから地面にゴチンと強打結構な音がして、周囲の人々も思わず「あっ」と視線を集中させた程でした。

「あぁ母ちゃん大丈夫」と私が駆け寄って起こすと、母は左目の上からじんわりと流血しかし母はハンカチで抑えながら「早く行かれ早く行かれ」と手で払い、トイレに促すのです。「でも大丈夫?」と聞き直すと「私のことは良いから早く」。場面が異なれば、映画の一番良いシーンのセリフです

ここ数年で一番の「咄嗟の決断を迫られた瞬間」になりました。意を決した私は「母ちゃん、すまん」と地面に座り込んで左目を押さえたままの母を残し、娘を抱き抱えてトイレに向かいました近くの人が母に「大丈夫ですか?」と声をかけていましたが、母は「大丈夫です、大丈夫です」と。周囲の人から見ると、年老いた親を置いて走り去って行くとは、一体なんて非情な息子なのか

そんな視線を背中に浴びながら娘をトイレに連れて行ったのですが、ここで更なる悲劇が襲います。なんとそこのトイレも開かないのです「あれ?あれ?」と何度引いてもダメ。誰かが使用しているような気配がなく、何も掲示されていないのですが、どうやらここも使用禁止のようなのです

「どうして使えるトイレが一個も無いんだ
本当に「踊る大捜査線」の名ゼリフ「どうして現場に血が流れるんだ」と同じくらいの声量で私は絶叫しました。何故こんなに人が集まる場所で、トイレがアチコチ使えないのかこの絶望感と怒りを、もし演技で再現できるならば主演男優賞獲得必至なものになっていたと思います(つづく)