KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

久しぶりに2%近い急落に

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日経平均は本日反落。前日のNYは足元の株高の状況に対して、決算シーズンを通過しても維持できるかどうかの懐疑的な見方が広まり3指数揃って軟調。株安、ドル安、債券安のトリプル安の流れになりました。個別ではビットコインの急落や衝突死亡事故を受けてTesla株が、またアームの買収に対してイギリスが調査開始と伝わったNVIDIAがそれぞれ3%超の下落に。VIX指数は17.3ポイントに上昇。

それらを受けた日経平均は朝方から売りが先行。下落する25日線を割り込んで、29100円割れまで売られました。10時以降は下げ渋りの動きが出たものの、上値は重い格好。後場は日銀ETF買いが見込まれています。売買代金は12時45分段階で1.2兆円台と低調。


投資判断は「中立」。ここ最近の欧米の経済指標はかなり強いものが目立っています。ISM製造業景況指数が64.7と37年ぶりの絶好調でした。S&Pが最高値を付けている理由もよくわかりますが、ドイツでもIfo業況指数が96.6と2年ぶりの高水準。中国とアメリカの需要で「爆発的に伸びている」という指摘もあったように、ユーロ安も刺激材料になりドイツDAXが足元で最高値を更新となっています。

これが「表」の株高の根拠だとすれば「裏」の根拠は結局これだけ北半球が暖かくなってきてワクチンも普及してきているのに、またコロナが再拡大してきている点でしょう。以前より「緊急事態宣言が出れば株高」と指摘してきたように、コロナが広がれば金融緩和が長期化し、更に市中にお金が回るというロジック。フランスでは3回目のロックダウンですし、ドイツでも急増。アメリカもここ2週間ほど感染者数がまた増えてきています。

片方では確かに経済指標の回復がありますが、もう片方でコロナ拡大により金融緩和が続く(あるいはこれだけ経済が回復しても続けられるだけ長期金利の上昇を抑えることができる)という両輪で上昇しているのだと言えます。そんな実態にそぐわない株高が世間の反感を買うわけですね・・・。

長期金利の下落に関しては、ウォールストリートジャーナルの記事では「アメリカの長期金利上昇は日本が主因」というものがありました。まあこの手の話は今や日本が中国から再奪還した米国債保有トップの国ですから当然出てきます。ただ記事にもあるように日本時間でのアメリ長期金利の動きが大きいことや、確かにこの受渡日ベースでの年度の境で変化が出て来たことなどを考えると、影響が大きいのは事実でしょう。
https://jp.wsj.com/articles/how-japanese-investors-accelerated-the-treasury-selloff-11617246709

足元ではNASDAQも復調基調。ただ強いポイントはGAFAMというよりも半導体関連です。IntelTSMCによる巨額設備投資計画や、日本や台湾で相次ぐ半導体工場の火災。こうなってくるとスパイの仕業ではないのか・・・と勘ぐってしまう程に半導体工場で火災が相次いでいます(台湾の列車事故も事故原因からひょっとして?根拠の無い陰謀論は好みではありませんが・・・)。

トランプ大統領の置き土産とも言える米中ハイテク戦争で、半導体が安全保障上の最大の武器になることが表面化し、各国自前で供給できる体制を整えようとする動きが加速しています。この辺りが韓国や台湾の株価も強くしている要因と言えます。

為替に関してはアメリ長期金利と連動する形で新年度相場から少しドルインデックスは低下する格好。短期筋のポジションは丁度年度末の境目なので変化はまだ見られませんが、引き続き円売りポジションが膨らんでいます。
https://www.oanda.jp/lab-education/oanda_lab/oanda_rab/imm/

一方、4月の新年度以降、日本株はパッとしません。日銀短観で示された想定為替レートがドル円で106円07銭ということなので、今の為替水準に比べると随分と貯金がある形になっています。ただそれを受けて機械株などの輸出関連株が買われるか・・・というとそれ程でもないという状況が続いています。

日銀のETF買い付け状況を見ると、毎日毎日12億円ずつチビチビ買い続けてきた「設備・人材投資ETF」すら新年度から買わなくなった模様。REITの方も買い入れ方針こそ変更されていないものの、既に買い入れ対象となる銘柄の大部分で10%近い保有状況になっていて、それ以上の買い付けができないことから、事実上下支え効果が低下しています。ステルステーパリングが進んでいる印象。

前向きな話としては「15年に発行したトヨタ(7203)の種類株の5000億円分が4月に消却され、個人投資資金として還流する」という話。昨年はドコモのTOBで大量の資金が市場に還流し相場の下支え(特に同じ属性である高利回り商品へ)となりました。まあドコモの4兆円に比べると全然規模が小さいのですが、そういう話もありますよ、という程度で。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD311Y50R30C21A3000000/

あと商品市況では、大豆やコーンといったところが高値を付ける動きに。アメリカ農務省が発表した作付意向面積が市場予想を下回り、供給が絞られるという見方もあって強い動きが続いています。足元の円安もあり、ここからインフレの並がジワジワと襲ってきそうな気配があります。外食産業にしてみれば、コロナによる客足不振に加えて更なる打撃になりそうです。


新興市場は「中立」。本日は両指数共に軟調。ただ2部指数などはプラスに転じるなど、小型株は相対的にマシな動きを見せています。マザーズは4月高のアノマリーも下支えしていますが、本日はバイオ系銘柄に買いが入って、紀文食品(2433)が売られたらすかさず別の値動きの良いところに短期資金が行きたがっている元気さは感じられます。


ポートフォリオ銘柄】

ネクス・インフラ投資法人(9286)は続伸。この地合の中でしっかりと年初来高値更新となっています。実は昨日の段階で東証インフラファンド指数は最高値を更新。REITも比較的しっかりしており、全般的に値動きが安定的な資産に資金が逃避している動きが見られます。引き続き市場規模の拡大に合わせて注目度合いが高まってくるパターンを想定。


売りポートフォリオ京都銀行(8369)は続落。新年度相場になってからは魔法が解けて下落が続いて本日は値下がり率ランキングにランクイン。目標とした6000円まで指呼の間となっています。足元のアメリ長期金利低下基調や銀行株の好調な決算を通過しても反応が薄いことから、銀行株に年初来安値更新している銘柄が相次いでいます。


・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。

なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。


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株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。