いよいよ書くネタも尽きつつある防衛大学校話の続きです。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20210504.html
幸い私の同期で殉職したという話は出ていません。2年前の同窓会でもそういった暗い話が出ずに済みました。ただ職場の特異性もあって、常に死と隣り合わせであることには違いありません。実戦モードの訓練では殺傷能力が高い武器を扱い、それ故に最高レベルの緊張感と慎重さが求められ、責任も重大です。
航空機などは単なる遊覧飛行では済みませんし、自然に極端に逆らった操縦を強いられる場面もあります。荒天時でも災害派遣・人命救助などの場面では多少の無茶は必要ですし「原発に水をかけてこい」というような、どんなに無意味で馬鹿馬鹿しい命令でも唯々諾々と従って、命をかけて日々任務をこなさないといけません。
甚大な災害時には遺体捜索といった辛い仕事もあります。丁度2年前の同窓会時も同期が「豪雨災害のご遺体が見つからないと参加できない」と。結局はギリギリ見つかって参加はできたのですが「忙しすぎてほとんど寝て無くて、酒を飲むと帯状疱疹が出来るから、今回酒は飲めない」と言っていました。日本酒の飲み歩きが好きな奴なのですが。
また活動範囲も国内に限りません。ジブチのような紛争地域にも出張っていますし、駐在武官としてイタリアやインド、アフリカといったコロナの猛威が凄まじい地域にも赴任しないといけない同期もいます。彼らの無事な帰国を祈るのみ。
日々のニュースで「自衛隊機が墜落した」などと出てくると、私はまずドキッとします。誰であっても胸は痛いですが、やはりそれが顔の知っている同期や先輩、後輩だと殊更ショックは大きいです。これまでヘリの墜落で顔のわかる先輩2名が殉職されました。本当に同期を含め、現役隊員の皆には頭が下がる思いです。(つづく)