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日経平均は本日続伸。前日のNYは長期金利が1.5%まで回復するものの、引き続きNASDAQが引けにかけて買われ、S&Pと合わせて最高値更新。GAFAM系に買いが入りました。またTeslaのビットコイン決済再開条件をイーロン・マスク氏がツイートしたことでビットコインが4万ドルまで買われTeslaも上昇。VIX指数は16.4ポイントに上昇。WTI原油先物は71ドル台後半までありました。
それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。そのまま次第高となり29400円を超える動きになりました。ただ中国人民元基準値が発表される10時15分をピークに利食い売りに押される動き。休場明けの中国株が原発事故疑惑で売られて始まると、上値が重くなりました。ただ後場はアク抜け感もあって前場高値を上回る動きになっています。売買代金は12時45分時点で1.2兆円台と低調。
投資判断は「やや買い」。NYダウはこれで20営業日連続で1%未満の値動き。S&Pも5/18以降で1%を超えたのはわずかに1営業日のみで、VIX指数は次第に低下してきています。その間、1.7%に近づいていた長期金利が次第に低下しており、債券買い・VIX先物売りというペアトレードが成立しているような感じ。
長期金利の下落に合わせてNASDAQが改めて買われ、ここ一ヶ月はグロース株優位の展開となっています。もう今週のFOMCを過ぎると、しばらくイベントが無いですから、VIX指数算出の元となるオプションのポジションも解消に向かっていると言えます。長期金利も低下して落ち着きを取り戻しつつあり、ゴルディロックス相場の再開といったところでしょうか。
アメリカの投資家の姿勢を見ると、全般的に機関投資家が弱気、一方個人投資家が強気という相場になっています。日本同様に市場が閑散として値幅が取れなくなってきたら、値動きの良いミーム株(イナゴが群がる低位株)物色に矛先が移るというのはわかりやすい資金の移動です。ただ勿論こんな低位株で機関投資家が運用できるはずもなく、あくまでヘッジファンドVS個人投資家という構図になっているようですけれど。
しばらくはこんな値幅の小さい上昇相場が続きそうです。となると、値動きを取りたい人は値が動く市場に移るだけでしょう。ちょっと年内のピークは過ぎたようですが仮想通貨という鉄火場がありますし、他にも商品市況もそれぞれ高値を追ってホットです。まあやはり市場規模がそれぞれ小さいのですが。
その商品市況では原油が今一番ホットです。上述したように足元でWTI原油先は70ドルを明確に上抜けてきて、18年高値77ドルを目指す勢いになっています。原油以外の商品市況はやや落ち着きを取り戻しつつありますが、原油はドル建て、ユーロ建ての上昇分の差がドル安による影響分と考えると、コロナ後の上昇分のうち2/3がドル安に因るものだと下記の記事で分析されています。
https://jp.wsj.com/articles/is-the-dollars-long-slide-coming-to-an-end--11623180036
ですからドル安が商品市況に及ぼす影響は甚大です。特に原油がこのまま高止まりし続けると原油を原材料にしている化成品の値上がりからも日用品の値上がりに通じ、大きなインフレ圧力になります。またガソリンが値上がりすれば(ひとまずはリベンジ消費が圧倒するにせよ)自動車での外出を控えようという動きが出て、コロナ沈静化後も益々巣ごもり消費が主流になるという見方も可能です。
穀物の価格上昇も生きていくために必要なものですから深刻です。アメリカでは飼料価格の上昇からポークショックが起こっていると伝わっていますし、また今夏も天候不順で穀物が不作になるのではないかとされています。まあ穀物の生育は本当に読みが難しいので結果的にどう着地するかは不明ですが、とにかく第一義的に食べ物が確保できないと、貧困層ほどエンゲル係数が高いため、それが政情不安に繋がりかねません。
日本に関しては更に円安もこの点では悪影響になってきます。ドル安が進んでいる割に円高にはなっていないので、より穀物価格の上昇に繋がります。アメリカの消費者物価指数の高まりを心配する前に、自国の方こそ心配しておかないといけないでしょう。
今週のスケジュールとしてはまず本日はアメリカで5月小売売上高、NY連銀製造業景況指数などが発表されます。それぞれ重要な指標ではありますが、最近はある程度予想から乖離しても反応が鈍いので、そこまで気にされることは無いでしょう。
16日(水)は日本で貿易統計や機械受注。また中国で小売売上高の発表があります。そしてアメリカでFOMCの結果発表。現状維持で特に問題無いと思うのですが、また例によってドットチャートやパウエル議長の発言で動きがあるかも知れません。
ただ先にも書いたようにもうテーパリングの議論は「当局者は「物価高は一時的」「まだしばらく利上げしない」と言及しているのですから、結果がどうであれ緩和継続」なので、動きがあったとしても最後は元の水準に戻ってくると思います。
17日(木)はアメリカでフィラデルフィア連銀製造業景況指数。この辺りも大きな反応は無いでしょう。
18日(金)は日銀金融政策決定会合。ここもやはり欧米が現状維持ならば現状維持という感じです。なお引けでFTSEにREITが組み込まれる最後の日になります(以前書いたように21日から組み入れられるので、前営業日の18日引けでの組み入れ)。こちらの方がREIT界隈にとっては重要なイベントであり、上昇トレンドのターニングポイントになる可能性があります。
新興市場は「中立」。本日は両指数共に堅調。アメリカでNASDAQが最高値を更新してきたこともあり、マザーズは今週も勢いが継続しています。プレミアアンチエイジング(4934)が決算を受けて急落し全市場ベースでも売買代金上位にランクインしたことでマザーズの売買代金は膨らんでいますが、マザーズでの時価総額14位レベルなのでそこまで大きく指数に影響は与えていない模様です。
【ポートフォリオ銘柄】
MTG(7806)は反発。昨日は一時1600円割れの場面がありましたが、下値を支えてくれた75日線が上昇してくる日柄になったので反発してきました。そういう意味では75日線が下落し始めてから株価も下がりましたし、非常にテクニカルに従順な値動きです。自社株買いもまだあまり買っていないようなので、余力に安心感があります。
農業総合研究所(3541)も反発。日本郵政キャピタルが3位株主ですが、本日はパルマ(3461)がやはり大株主でもある日本郵政キャピタルとの業務提携具体化で一時ストップ高。そういった連想が入ってきている面もあるかと思います。足元で穀物先物価格は落ち着いてきましたが、引き続き猛暑懸念から食品セクターの巻き返しに期待です。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。