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日経平均は金曜続落。前日のNYは消費者物価指数の発表を翌日に控え様子見ムードが台頭し、ダウはわずか6セント安とほぼ横ばいなもののNASDAQが1%超の下落。半導体株指数のSOX指数や中小型株指数のラッセル2000は2%超の下落に。何らかの株価材料が出ると期待されていたTeslaは何も材料が出なかったことで6%超の下落。Appleも最高値更新後下げに転じました。
それらを受けた日経平均は朝方から売りが先行。メジャーSQ値が28523円で決まると、その後は買い戻しが優勢に。ただ28700円手前まで戻ると、一部デフォルト認定を受けた中国恒大や佳兆業の影響を直接受ける中国株の反応を見極めたいとの思惑から次第に戻り売りに押される形。その中国株が軟調スタートながらも落ち着いた戻りを見せたことで10時以降は日本株にも買い安心感が広がりました。
後場はやや売りに押されるも一進一退の展開。ただマザーズが前場安値を下回ったことで、次第に売りが優勢に。今晩のアメリカ消費者物価指数の発表を控え、14時以降は様子見ムードが台頭しました。最終的に28400円台はキープしたものの安値圏での引けに。売買代金は2.6兆円台とメジャーSQの割には換算でした。
投資判断は「やや売り」。金曜のNYは注目のCPIが前年同月比6.8%上昇と約40年ぶりの大きさとなったものの、市場予想通りだったので3指数揃って上昇。S&Pは終値で過去最高値を更新しました。VIX指数は18.7ポイントに低下。WTI原油先物は72ドルを回復。それらを受けた日経平均先物は28560円となっており、週明けの日本株は堅調なスタートが予想されます。
まず先週の雇用統計に関しては、特に雇用者数自体はコロナでのライフスタイルの変化により、もうコロナ前の水準には戻らないと当局も諦めているような感じです。ゴールドマンサックスの試算では「失業保険の上乗せ分を失った750万人のうち、労働市場に戻るのはたった130万人」とのことですからこれ以上の金融緩和は無意味と認識している模様。であるなら来月も大幅な数字の改善は期待できず、最早雇用最大化を目的とした金融緩和を続ける理由はありません。
とりあえず今週からFOMC前のブラックアウト期間に入ったので、連銀高官のコメントが出ない点は相場が刺激されず安心感に繋がりました。ただ何よりきついのは、以後長短金利差の縮小(イールドカーブのフラット化)に繋がっているところです。
振り返ってみると、先月は雇用統計から明けた11/8がNYダウのピーク。そこから1ヶ月下落が続きました。WTI原油先物も翌11/9がピークで、同時にドルインデックスが急上昇することになった始点。元々ダウ構成銘柄にエネルギー関連株があることからも、それらの連動性は高いですが、何かと変化点になりやすいところではあります。
為替に関しては足元では主要3通貨の中では円が一番強くなっています。特にドル円は115円が当面の上値抵抗線として確認された感じで、とりあえず年内は戻ったとしても114円がせいぜいではないでしょうか。
アメリカの長期金利が上がっていく方向で日本との金利差は拡大傾向にありますが、アメリカのインフレ率がそれ以上に上がっていけば実質金利は低下することでドル安が正当化されます。ただユーロがそれ以上に弱いのでドル高基調は続く・・・という三角関係になっています。
何故ユーロが弱いのか、という原因に関しては色々あると思います。近隣のトルコの通貨がドンドン売られているのも多少は影響していると思うのですが、ここにきてまたEUの団結力にヒビが入ってきている模様です。
ドイツはメルケル首相という強いリーダーシップが無くなり、フランスマクロン大統領の支持率も頼りない中で(まだリアリティは無いものの)ポーランドやハンガリーが離脱するのではないかとも言われ始めています。探せばどこかしら不安材料は出てくるものです。
原油に関しては、OPECプラスが予想外の増産ペース維持と伝わりましたが、その割にはしっかり。パウエル議長の豹変のように予想外の決着でしたが、オミクロン騒動で先んじて下がっていた分が影響を限定的にしてくれた模様。
従来であれば、来年半ばにテーパリングが終了→でも中間選挙があるから利上げはもう少し後、という見方でしたが、次のFOMCでテーパリングが3月終了などになるなら、6月にも利上げ・・・というような急速な前倒しスケジュールが描けます。
その場合大口の投資家すぐには動けませんから、前倒し前倒しで売りを入れないといけなくなってきます。となると当然日本株にも影響が出てくるでしょうし、アテが外れた投資家の売りも強く出そうな感じがします。
日経平均の方はチャート的に200日線も下向き始めてしまい、ここから年内戻ったとしても29000円辺りがせいぜいな感じ。TOPIXも25日線と75日線がデッドクロスし、やはり上値が限定的になる可能性があります。75日前が8月安値水準にあることから、75日線自体は今週いっぱいは問題ないですが、早く戻さないと上値が苦しくなります。
ただ色々と悲観的なことを並べていますが、これらはあくまで15日のFOMCまでの相場観です。FOMCが終われば一旦急速なリバがあると考えています。なんといってもまだFRBは量的緩和を続けているのは事実。金余りである状況に変化はありません。ただ足元はその金余りが売りの金融商品に向かってしまっているのですが、売りの金融商品も原則的に現物資産などの裏付けを必要とするのですからいずれ限界があり、どこかで無理が生じてくるでしょう。
新興市場は「やや売り」。金曜は両指数共に軟調。松井証券が日々公表しているマザーズ銘柄の買い方の信用評価損率は先週△28.5%となり、あの酷かった8月の水準を下回ってきました。今週はそこからのリバを試す動きになりましたが、傷は深い感じです。
これまで好調だったサイエンスアーツ(4412)が新規IPOのフレクト(4414)の初値が決まった途端にストップ安まで売り込まれるなど、資金循環は限定的です。底打ちの確証はまだ得られていません。日本株の落ち着きには、マザーズ市場の落ち着き、すなわち個人投資家の復調が絶対条件です。
【ポートフォリオ銘柄】
BlueMeme(4069)は大幅反落。前日は琉球物流と物流のDXで協業を材料に大幅高となりましたが、マザーズ市場の弱さからその分をほぼ行って来いで戻す形。前回も書いたように、6/29の上場から半年期日が近づいてくる中で、とりあえず年内は信用買いの返済売りが出やすいという日柄もあり、上値は重いように思われます。
木曜引けより売りポートフォリオ入れとしたシマノ(7309)は反落。金曜はユーロ安の流れが進み同社も売られる形となりました。ユーロ安デメリット株として目立つものは他にSONYG(6758)やアシックス(7936)、サンリオ(8136)などが挙げられますが、それぞれ弱い動きになりました。上述したようにしばらくユーロ安の流れが続くと見ています。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。