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日経平均は本日反落。前日のNYは注目のアメリカの4月消費者物価指数は予想の+8.1%に対して+8.3%と上回る形。一応3月の+8.5%からは落ち着いたものの、長期金利は一時3%超に上昇し、3指数揃って軟調。10年債入札は低調だったものの、先月よりはマシだったことで、その後長期金利は2.93%に低下しました。VIX指数は32.6ポイントに低下。
それらを受けた日経平均は朝方から売りが先行。ただ一昨日の5月安値を割り込むと、その後は下げ渋りの展開に。前引けにかけて高値を付け26000円台を回復しました。しかし窓埋めが完了した達成感も出て、後場は一転売りに押される展開に。
これまでとは真逆に引けにかけてジリジリと売られ、安値圏での引けとなりました。巨額損失が懸念されたソフトバンクG(9984)が8%超の下落となり、日経平均の下落率が大きく。売買代金は3.2兆円台と前日並の活況。REITは辛うじてプラスでした。
投資判断は「中立」。今週のスケジュールとして、まず本日はアメリカでは30年債入札があります
13日(金)はまず寄り前にMSCIの定期入れ替え発表。先にも示したように、日本株はまた15~19銘柄ほど除外されると見られています。またオプションSQ。そして決算が実質最終日で1200社超という高密度な一日です。
岸田首相が安倍首相の「Buy my Abenomics」になぞらえ、厚顔にも「キシダに投資を!」とロンドンで講演したことが日本株に効く・・・とは冗談でも言いませんが。NISAの拡充や水際対策緩和などは勿論前向きな良い話ですが、何故日本人に向けて説明する前に外国人投資家にメッセージを送るのか。本当にあの人の頭の中はどうなっているのでしょうか・・・。
他方、「金融所得課税の議論」「岸田内閣の支持率55%に上昇」などなど、株式市場に逆風なニュースも続いています。それを先取りして織り込んだ下落というのならわかりますが。
愚痴はともかく、先週まででアメリカが5週連続陰線に対して、日本株の方は日経平均もTOPIXは4週連続陽線と対照的。日本の底堅さは一つやはり円安が効いていると言えます。またバリュー株が相対的に有利でハイテク株比率の低い日本株にとっては優位な点が現れていると見られます。連休の谷間ながらも先週2日間は売買代金が3兆円超えと活況。全体感としては好需給な印象です。
更にアメリカ株も含めて今の市場トレンドはここまで売られて来た銘柄の買い戻しが主体。そういう意味でも世界の株式市場の中で先行して売られて来た日本株には優位性があり、4/27のブログでも「NT倍率は下落傾向」としましたが、それもそういった意味から説明がつきます。元々日経平均の寄与度が高い銘柄にハイテク系が多いので、足元のNASDAQの下落が特に日経平均に重石になりそうです。
ここまで出てきた決算は概ね大型株が主体ですが、うち市場予想を上回ったものが3割程度と総じて失望感が強いという内容ながら、実はプライム市場指数の方が総じてしっかりしています。決算が出てしまえば、ある程度腹が固まる感じです。
長期的な観点で言えば為替が円安になり、プライム市場への移行で持ち合い株も削減傾向。となると外資に日本企業を買収してくれと言っているのに同義です。アメリカの長期金利上昇局面で高PBRが否定されている今は、低PBR優位の時代といえ、その分日本株には優位性があります。なので日本株のうちバリュー株は狙っておきたいところです。
チャート的には日経平均の月足の一目均衡表の基準線が今月から上向いてきたことを指摘する声もあります。基準線とは過去26ヶ月の高安の平均値を示しますが、27ヶ月前がコロナショックの20年3月であり、その安値分が計算から抜けたので上昇した形。
これは下値抵抗力にもなりやすいのですが、現状24221円。来月、再来月には更に上昇するとみられ、この5月を無事乗り越えられれば、私が以前言っていた年内24000円までの下値は実現しにくくなっていきそうです。
なお、先々週末時点の信用倍率は前週4.6倍→4.8倍と悪化。買い残は3.1兆円で大きく変化無いですが、売り残が0.6兆円とやや減ったので悪化したという感じです。まあ一般的に連休に入るので逆日歩忌避で売り残が減りやすい傾向はあるものの、案外今回の連休を警戒して買いを手じまう人は少なかったということですね。
最後に面白い材料は先日出たキヤノン(7751)の自社株買い。同社が自社株買いをしたら、大体相場は底入れし始め一ヶ月くらいはしっかりします。逆に言えば相場が急落しているから自社株買いをするわけですが。ちなみに前回は20年2月末に実施しましたが、コロナショックの暴落時だったので、さすがにそれを支えきることはできませんでした。
企業側にしてみると散々株価が下がってしまったら円安なども相まって外資系同業やアクティビストなどに狙われかねません。特に今はプライム市場になったことで持ち合い解消売りが進んでいますから、余計に株式が取得されやすい環境にあります。
であれば、対抗策として自社株買いを決議しやすいでしょう。経営陣にしてみれば「明日のTwitter社になる」のは嫌でしょう。それがキヤノン以外にもSONYG(6758)やトヨタ(7203)の自社株買いに繋がるわけで、今決算シーズンは日本でも自社株買いが特に増えています。
新興市場は「やや買い」。本日のマザーズ指数は6%超の暴落。終値ベースで2月安値も割り込んでコロナ急落時以来の安値を更新となりました。グロース市場の値上がり銘柄数がわずか21銘柄と全面安でした。売買代金は929億円と前日よりは膨らんだものの低調。投資家ももう諦めの境地に入っているのか、相手にされていない市場になっている感じがします。
やはりマザーズ市場が回復してこないと大型株市場も元気が出ませんね。まあ圧倒的に寄与度が大きかったメルカリ(4385)が2月に安値を付けた当時の2/3程度の株価になっている割には健闘していると言えるのかも知れませんけれど。何の慰めにもなりませんが。
【ポートフォリオ銘柄】
アニコムHD(8715)は反発。昨日に決算と中期経営計画を発表。正直数字的には当たり障りの無い感じですが、アク抜け感にも繋がり一時値上がり率ランキング上位にも顔を出しました。地合の悪化もあって長い上ひげになりましたが、これで8営業日連続陽線に。メロンの大量保有報告も出てきたので、ここから反撃となるかどうか。
トヨタ(7203)は続落。昨日後場に発表した今期減益見通しがネガティブサプライズを誘って、日本株の売りに波及した感じになっています。ただ本日は2000円ラインで何とか踏ん張りプラス転換の場面も。
なお今期想定レートはドル円115円と堅め。ここから円高方向に戻すとしても年間で120円くらいは維持できそうな感じはありますから、今後の上方修正含みではあります。トヨタは日本株の旗印として下方修正できないという責任みたいなものがありますから、どうしても期初は堅めに出さざるを得ないですから。自社株買いに関しても、実施が一ヶ月後の6/17以降ということなので、そこまで踏ん張れればまた浮上しやすそうですが。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。