KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

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前日のNYは月末のリバランスが上値を押さえ小動きだったものの3指数揃って上昇。ダウとS&Pは年初来高値更新となりました。為替は月末で実需のユーロ売りドル買いが出たとの観測もあり、ドル円はやや円安方向に。中小型株指数のラッセル2000は2000ポイントを回復し昨年8月以来の高値水準に。VIX指数は13.6ポイントと小幅上昇。WTI原油先物は81ドル台後半に上昇。


投資判断は「売り」。先週は日銀が揺らした中銀ウィークとなりました。先週末は遂に植田日銀が始動。木曜のECB理事会まではほぼ無風でしたが、事前報道が紆余曲折した結果、前日の晩の奇襲的な動きが出ました。

個人的にはこの日経報道がアメリカの長期金利を動かしたところに意外感もありましたが、ダウも13連騰でストップというところで、市場は下げのきっかけを待っていたのかも知れません。

日銀の政策変更はあくまで日本固有の問題のはずですし、木曜の夜間にアメリカ市場に及ぼした悪影響も、一夜ですっかり戻りました。日銀の政策変更が世界に直接的に及ぼす影響としては、一つキャリートレードの縮小が挙げられるでしょう。安い日本で資金を調達して海外への投資に回す手法の巻き戻しが懸念されます。ただまだ海外との金利差の絶対水準は大きいですし、現段階ではキャリートレードが止まるだけで、巻き戻しを懸念するレベルではなさそうです。

特に発表後の金曜後場日本株の乱高下も久しぶりのボラティリティでしたが、全てが通過してみれば結局またドル円は円安に戻り、特に何事も変化が無かったかのような着地。大山鳴動して鼠一匹という、株式市場でよくあるパターンですね。

全て市場の予定調和の中で動いてきたシナリオを乱した日銀ですが、どちらにしてもYCCの修正は時間の問題でした。むしろ株高でかつアメリカの利上げも最後とみられるこのタイミングで修正しないと、しばらく修正のタイミングがない、今しか無かったのも事実。ただ直前G20後の記者会見「インフレ率が安定的で持続的に目標を達成すると確信しうる状況には至っていない」という発言を市場は信じていました。

ただ結果論で語ると、やはり政策を変更したいのならば、突然変更しないとまた外資国債売り仕掛けが出るので、こういう奇襲的な手段を採らざるを得なかったのではないかと思います。

というわけで、まあ首相が解散時期について嘘を言っても許されるように、日銀総裁も政策変更に関しては嘘を言っても許される・・・という不文律でしょうか。私も含めて騙された人は多かったように思います。ただ蓋を開けてみれば株の混乱も限定的。

日本の金利も落ち着いており、そういう意味で日銀は今回上手く乗り切った感はあります。ただ植田総裁の会見も終えて、売り方が今後の金利水準を試すのは今週から。ちなみに意外に日銀出資証券(8301)は買われませんでしたね。

市場は久しぶりのボラティリティに沸いており、日銀の結果を受けた当日後場の下げは若干大袈裟な感じがありました。というのも下げの主導が為替でもなく先物であり、例えばファーストリテイリング(9983)が先行して下げ、その後に他の銘柄が付いてくるような動きでした。

ともあれ一番市場が不確実性を持って見ていた日銀金融政策決定会合もともかく通過。警戒していた人の買い戻しが強く出ています。これが一番ボラティリティの攪乱要因でしょうか。

金曜は32000円という節目で理性的に下げ渋っており、為替も後から付いてきた感じ。ただあくまで「若干」であり、新総裁が初めて本格的に動いたのですから、そりゃこれだけの反応が出て当然です。

一つは引けのTOPIXのリバランスもあったので、それに合わせて裁定業者も何かと再計算を強いられて混乱したのだろうと思います。

ただ、私は先より「売り」、特に8月大きく下がるとしているように、まだここから下落が続くと思っているので、安易なリバは狙いにいかない方が良いと思います。何と言ってもここから決算が出て来ますから。

先の日産(7201)や本日のキヤノン(7751)のように、どうも上方修正を出しても売られていますけれど、それぞれ為替影響の大きい外需系企業は、今回のYCC変更で為替前提が役に立たなくなってきます。なのでここからはより一層「決算の中身よりも決算後の株価反応」を気にする必要が出てきます。

これで日米欧の金融政策も出揃いましたし、次の金融イベントとされるジャクソンホールまでひとまず1ヶ月くらいの目線で売り勝負はアリと思いますが、ここ1週間くらいの短期目線の場合はボラが大きいと思いますから、様子見がベターだろうと思っています。

7月第3週の投資主体別売買動向では外国人投資家は現物を197億円の買い越し。先物も425億円の買い越しということで、1営業日少なかったとはいえ、規模感の小さい買い越しに止まりました。なお信託銀行は472億円の現物買い越しで、17週ぶりの買い越し。ただ先物は1746億円売っていて、やはりリバランス売りが続いている感じです。


新興市場も「売り」。昨日のグロース指数は反発。日本の長期金利が0.605%と14年以来の高水準に上昇し、グロース株には不利か・・・とも思いましたが、日銀が残存期間5~10年の国債を対象に3000億円の臨時の買い入れオペを通知し一方的な金利上昇を牽制したこともあり、抑えられたことが安心感に。まあ世界の水準に比べて全然低水準ですから大きな影響は無いですね。ラッセル2000くらいに上がってくれれば良いのですが。


ポートフォリオ銘柄】

Deere & Company(DE)は反発。足元で小麦価格が結局元の水準に落ち着いてきたことに加え、その他の穀物軟調となり逆風に。ただ何とか一旦下げ渋りの動きを見せました。だいぶ良いところまできたなという感じがあるので、今晩の寄り付きで利食い終了とします。結局円安分だけプラスという感じですかね。


売りポートフォリオファーストリテイリング(9983)は昨日反発。先に言及していたウエートキャップの基準日が昨日あり、昨日時点で11%を超えると225算出にあたっての同社のウエイトを0.9掛けされるペナルティだったのですが、何とかギリギリ10.9%で終了。というわけで、それを意識して抑えられていた分は無くなってしまう感じです。まあ本筋は決算後の下落にあると思うので、簡単に上がらないとも思いますけれど。


・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。


なお、上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。


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株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。