KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

黒崎播磨(5352)のアナリストレポート

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3ヶ月以内投資判断「やや売り」
買いのタイミング 11月末以降
3ヶ月以内株価目標 250円〜370円

要点・業績面に関しては上期好調だったものの、下期は鉄鋼業の回復鈍化が想定される事から、通期業績は据え置かれる公算が高い。
・株価は足元軟調な状態が続くが、例年11月にボトムを打って、1月にかけて強含む動きがある。その背景には閑散相場で盛り上がる仕手株相場がある。
・原料価格の高騰や、原料の安定確保に課題。円高のうちに資源確保に努めるべき。


【企業概要】
耐火物(主にレンガなど)の製造で国内2位。機能性耐火物では世界トップクラス。中国、インドなどの新興国に狙いを定める。新日鐵(5401)が大株主。


【業績】
前期は減収減益。売上の6割を占める新日鐵を中心とする鉄鋼業の低迷が響いた。それでも海外資産の売却により最終利益は黒字転換し増配。

今期は増収増益を見込む。鉄鋼業の戻りによって回復期待が高まるが、足元中国での鉄鋼業減産報道など需要回復一服を鑑みるとやや心許ない。一方でその分セラミック事業やファーネス事業といったところが半導体業界の好調などを背景に強含むと見ており、8/10には業績の上方修正を出した。

また今期は更に1円増配を見込む。株主還元には比較的積極的と見られる。

10年9月中間期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   44800
営業利益 2550
経常利益 2400
当期純益 1450

中間期は8月の上方修正の数値を多少下回ってくるのではないか。主力の耐火物事業は鉄鋼業界の先行き不透明に合わせて、上期の健闘が見られたセラミック事業も半導体業界のピークアウト感を考慮すると、通期の大幅な上方修正も期待し辛い。

実際にJFE(5411)は通期予想の売上高を下方修正してきている。鉄鋼業界は主要取引先である自動車の落ち込み、またその車体に今後炭素繊維が採用されていくかも知れないという長期的な嫌気材料が滞留しており、業界全体の先行きは暗い。

為替も当時から5円近く円高が進展してしまった。1円の円高で約2.5億円の経常益下押しが想定され、やはり同社の通期業績は先行きが明るいとは言えない。

第一四半期時の流動比率(流動資産÷流動負債×100)は154%。フリーキャッシュフローに関しては前期19億の赤字だったものが、今期は25億の黒字(うち資産売却分が20億)。そこから2期前に急増した借入の返済に充てて、有利子負債の残額は228億円。

それに伴って有利子負債比率(有利子負債÷自己資本)は74.2%と、それぞれ「可」レベルの状況だ。安全面ではまあまあの水準と言える。有利子負債は前期から少しずつ圧縮しているものの、返済には時間がかかる。もし100億円規模の海外投資案件などが出た場合は、ファイナンスリスクはそれなりに生じる。投資金額が小さければ、借入で事足りるのだろうが。


【特性】
同社は仕手性の強い株とも言われている。一旦動き出すと、短期資金を中心に株価は振れ易い。また新日鐵との関係が深いため、新日鐵の動きと連動し易い。


【株価推移】
03年から3年で株価は10倍化した。その背景には過剰流動性相場を背景とした新日鐵買いが外国人投資家を中心に拡がり、それに連れて同社の株価も大幅高した経緯がある。その後は再度3年をかけて元の水準まで調整。山を作った。

また今年2月からわずか2ヶ月で株価は3倍化を見せる。今度は逆に新日鐵の先行指標となった形で、新日鐵もその後アジアにおける鉄鋼需要回復期待により株価が1.7倍化したが、当時人気化していたツガミ(6101)、鬼怒川ゴム(5196)と同じく、短期資金流入が過熱した側面は大きい。足元は8/10の業績上方修正が出尽くし感となって下落基調が続いている形に。


【テクニカル】
直近では9月中旬に超えられなかった341円という壁が上値を抑えて、300円割れの水準まで低下。一目均衡表は三役暗転とも言える形になって、200日線も明確に割り込んでしまい、反転の兆しが無い。

目先は下げ止まりを確認したいところではあるが、ここまで下値の最終防衛ラインととなっている52週線が位置する285円辺りで、今週下げ止まるかどうかだろう。つまり今週辺りが正念場であり、ここを割り込んでしまうと恐らく9/1の直近安値263円も割り込む事になるだろう。既にボリンジャーバンドの−2σに達しているが、拡大に合わせて下落歩調を強めそう。足元はそのシナリオが強そうだ。

ただ例年決算一巡後の11月末から1月いっぱいにかけて、株価が強含む傾向がある。背景には年末年始の閑散相場から、仕手性銘柄に資金が向かい易いためと見られるが、その流れに乗れば業績云々の話は無視できそうだ。


【需給】
足元の信用倍率を見ると買い残が多い。下落に合わせて増加傾向にある。また、その残高も日々の出来高に比べると多く、解消するには相応の時間、もしくは材料が必要とされる。


【同業他社比較】
同社の予想PERは9.5倍、PBRは0.8倍、営業利益率は5.5%となっている(四季報予想)。同業他社と比べてどうであろうか。

TYK(5363)
JFE系で機能性耐火物の大手。予想PERは10.8倍、PBRは0.4倍、営業利益率は6.9%。有利子負債比率は28.7%。日々の流動性が少ないため、株式としてのバリューはやや小さくなる。

品川リフラクトリーズ(5351)
JFE系で総合耐火物国内首位。予想PERは6.5倍、PBRは0.5倍、営業利益率は5.5%。有利子負債比率は120%と高い。

ヨータイ(5357)
住友セメント系。耐火れんが大手で鉄鋼の他に焼却炉などにも強み。予想PERは8.4倍、PBRは0.4倍、営業利益率は5.1%。有利子負債比率は12.3%と低い。流動性の低さもあって、同社よりも割安に放置されている。

これらと比較すると、同社の株価はやや割高に映る。ただし規模や流動性の高さなどを勘案するとそれなりのプレミアは付与されるべきであり、そう考えると妥当な水準とも捉えられる。


【課題】
耐火物製造のための原料調達に課題。足元は中国の鉄鋼消費により、原料価格が上昇傾向(3年前に比べて5%超上昇)。また原料の輸入の大半を中国に頼っており、今回のレアアースのような外交問題が出てくると供給が止まる恐れがある。至急供給元を押さえて、安定確保に取り組まなければならない。今の円高のタイミングこそが、海外の供給元を獲得する好機かも知れない。

海外展開は概ねぬかりない感じだ。まだ展開規模は小さいが、インドにおいては大手のタタグループとの連携を深めようとしており、これからの新興国需要を取り込む上で重要な動きを見せている。

ただし同社だけで展開するのはリスクも伴う。現地企業との合弁や新日鐵との共同展開などにより、リスクヘッジに努めるべきだろう。特に世界的な鉄鋼需要の先行きを考えると、大規模な投資は極力避けるべきと見る。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。