KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

イオンクレジットサービス(8570)のアナリストレポート

今週のお題「私のちょっとした特技」
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3ヶ月以内投資判断 「中立」
買いのタイミング  900円まで下がるのを待つ
3ヶ月以内株価予想 900円〜1100円

要点
・震災による消費減速懸念、総量規制による信販会社の逆風も続くが、今期は増収増益を見込み成長は持続。
・株価は足下では緩やかな下落基調。900円手前で反発の材料を待ちたいが、現れない場合はヒステリカル的なボトム圏である900円まで水準的な反発力が期待できない。一方で信用売り残の多さは株価の下支え要因になりそう。
・同業他社比ではしっかりした経営力がある。
・グループの総合力に囚われず、他社との連携を強めて顧客のニーズをくみ取っていくべき。


【企業概要】
イオン(8267)系カード会社。アジアなどに現地法人を置き、海外進出に積極的。電子マネーに力点。


【業績】
前期は減収増益。コスト削減の徹底により、四半期毎に営業利益率は改善。取扱高は伸びたものの、電子マネーの収益計上方法を見直し減収となった。

今期は増収増益を見込むもやや迫力に欠ける印象。カードの稼働会員数は6%増加を見込む。毎期きちんと稼働会員数が増加し、稼働率も上昇。緩やかではあるが成長力はある。ただ震災直前まで前年同期比25%高で推移していた取扱高は、震災直後の消費心理の急速な悪化により、前期比とほぼ同水準にまで一気に落ち込んだ。

利息返還請求に関しては、先行指数とされる開示請求件数に減少傾向が見られ、徐々に沈静化の方向に。会社側では今期の返還額を47億円と試算。引当額からの割合で考えても、概ね40億円前後の数字になってくると見られ、過不足の無い見込みと思われる。

貸金業法の改正はやはりこの業界にとっては逆風だが、他のノンバンクに比べると同社は融資・ローン事業の割合が小さく、相対的に影響は小さい。特に同社は電子マネー事業において伸びしろがあり、アジアでの展開に注力していることもあって、他で稼ぐ術がある。

そもそも日本のウォルマートと目されるイオングループであることが最大の強みだろう。ショッピング系カードとしては最も守備範囲が広く、WAONとも繋がり易い。中国の銀聯とも業務提携し、アジアでNo.1のショッピングカードを目指す。


12年2月期第一四半期予想(KA.Blog)単位:百万円
売上   40000
営業利益 4400
経常利益 4400
当期純益 2000

第一四半期は震災の影響を最も受ける期間であるため、前期比やや弱いスタートとなるだろう。ただそれでもその後の反動、巻き返しが十分期待できるため、特段悪材料視される事はなさそうだ。

有利子負債は4827億円で前期から375億円減少。ただしそのうち300億円は債権流動化によるものであり、あまり前期とは変化無し。有利子負債比率(有利子負債÷自己資本)は303%とやや改善。同業他社との比較では有利子負債は小さい方で財務内容はしっかり。

流動比率(流動資産÷流動負債 ×100)は222.9%。現預金は309億円。フリーキャッシュフローは202億円の黒字。この辺りの数字には特段不安感は無い。


【株価推移】
06年1月に実質的な上場来高値を付けた後は、リーマンショックなどによる世界的な景気後退から一時1/6水準まで下落。リバウンドにより一旦倍化したものの、その後は概ね800円〜1300円の範囲で推移している。

震災による急落後は1100円近辺で推移していたが、4/5の決算発表を受けて失望売りにさらされる。今期営業利益見通しが210億円の1.4%増益の見通しにとどまり、前期の従来計画にも届かなかった。震災の影響は限定的と見られていただけに、売り材料と捉える動きが先行した格好に。

株価はその後ほぼ横ばいが続いて、足下1000円を手前で下げ渋っているが、結果として震災前の株価水準が上値の限界となっている状況。


【テクニカル】
震災による下落の後は75日線に頭を抑えられた格好になっていたが、決算による期待外れの下落によって、一層明確になってしまった。その後200日線に下支えられるように底堅く推移していたが、5/2に上値でアイランドリバーサルが示現。5/11に窓埋めを果たすと、それを合図に200日線も割り込んでしまった。

足下では心理的節目1000円が下支えとなっているが、これは間もなく割り込んでくるであろう。MACDは暗転しており、一目均衡表も雲を、遅行線も実線を下回っているため、下落トレンドは継続中であると言える。相場全体が薄商い症状に止まる中で反発の材料も見出し辛く、当面は横ばいないし緩やかに下げ続ける雰囲気がある。

水準的な底値も1000円を割り込んでしまうと見出し辛くなってくる。もし株価が900円まで下落するような場面があれば、ヒストリカル的な下値に達するため拾うべき水準と言えるが、それ以外にテクニカル的な買い場面は期待できない状況。上述のように第一四半期決算があまり期待できないならば、それまでの間に他の好材料出現に期待する他無い。


【需給】
信用売り残は日々の出来高に比して大きいが、元々売り長傾向の強い銘柄であり、それによって株価のトレンドが変わるような印象は見あたらない。株価の下支え要因にはなりそうであるが。なので上記テクニカル的な下落要因と相まって、余計に売り辛くもあり買い辛くもあり、株価の膠着感が強い一因となっている。


【同業他社比較】
同社の予想PERは16.5倍。PBRは1.0倍。今期予想営業利益率は12.2%、予想ROEは6.0%となっている。同業他社と比較すると、それぞれどのような位置付けだろうか。


クレディセゾン(8253)
ショッピングカードで首位。事業規模は同社の1.5倍程度。西武百貨店系のセゾンカードが主軸だが、みずほや高島屋など幅広く提携し、裾野を広げている。
予想PERは13.2倍、PBRは0.6倍。予想営業利益率は9.4%、予想ROEは4.9%。有利子負債比率は418.5%。
株式価値としては同社に比して割安であるが、利益率、成長率をは同社より弱く、有利子負債の大きさによって事業価値は同社より割高である。


オリコ(8585)
オートローン(自動車等の購入ローン)では最大手。みずほ傘下で立て直しを図る。
今期予想は未開示のため前期実績ではPERは5.0倍、PBRは優先株発行により純資産マイナスのため算出不可。営業利益率は1.9%。有利子負債比率は450.8%。
利益率が小さく、負債も大きい。将来的なみずほ傘下による再編期待はあるものの、当面は実現性が小さく、株式価値が割安に置かれている点も致し方なし。


UCS(8787)
ユニー(8270)系ショッピングカードを発行。事業規模は同社の1/10程度。
予想PERは8.3倍、PBRは0.3倍。予想営業利益率は6.2%、予想ROEは3.3%。有利子負債比率は336.3%。EV/EBITDA倍率は23.6倍。
事業規模、株式的な流動性の低さなどから、株式価値は割安な印象。ただ利益率や成長性を考慮すると、概ね妥当な評価か。


セディナ(非上場会社の傘下入りし4月に上場廃止
三井住友FG(8316)系列。直近公表された前第三四半期時点の決算短信を元に評価。
営業利益率は0.8%。ROEは1.9%。有利子負債比率は1121%。
財務体質に難があり、三井住友の庇護下で出直し。行く行くはプロミス(8574)、ポケットカード(8519)といった同グループ系列ノンバンクとの再編が期待されている。


丸井グループ(8252)
ショッピングカード事業の走り。同社のカード事業の利益率は前期実績26.5%と高い。売上に占める割合は全体の1割程度のため参考ではあるが、利益のほとんどをカード事業が生み出している格好。


同業他社との比較では有利子負債の割合も落ち着いており、利益率も高い方。経営状態は健全であるが、株式的には若干割高な印象も受ける。


【課題】
飽和感が強くなってきているカード事業に関しては、会員獲得に対する方策が肝であることは言うまでも無い。それには当然顧客のニーズに合ったサービスを提供する事が第一である。

ほとんどサービスが横並びのカードに対する顧客の望みは、やはり一枚のカードで全て対応できる利便性であろう。電子マネーやポイントの種類拡大を考えると、ごちゃごちゃカードが割拠するのは煩わしい。

その点、同社はグループの規模を生かして最も有利な立場にあるのは間違いない。ただあまり同社のグループ力を駆使してイニシアチブを取ろうとすると足下をすくわれる。むしろ積極的に他社(例えばT-POINT、SUICA)との提携を図って、グループにこだわる必要は無いだろう。WAONイオン銀行以外とも積極的に繋がっていくべきだ。

利益率に関しては改善されてきているものの、まだまだ改善余地があるものと見られる。与信コストは今後の経済情勢等を勘案すると逆に保守的に見る必要もあるが、大きな借入金に対する金利や販管費は削減できるだろう。

また借入そのものに対する体制もしっかり維持する必要がある。特に他社と比較して金融機関系列では無いため、急速な景気悪化に対する備えとして、コミットメントラインは充実させておくべきである。

顧客情報の管理は当然ながら万全を期すべき。特に足下ではセンシティブな風潮になっており、万全のセキュリティで臨まなければならない。一方でグループ全体の連携が強いので、同社以外のグループでの顧客情報漏洩に関してもリスクが生じるのはデメリットでもある。

株式的には何らかの優待は設けても良いのではないか。イオン系列であり、イメージとしても個人投資家は何らかの優待を期待するだろう。カードサービスと連動性のあるものを提示すれば、安定株主も確保できるのではないか。

会社側は長期的には融資事業を現在の1/2から1/4程度にまで縮小の計画を示している。改正貸し金業法に対応し、事業の選択と集中を行う姿勢は正しい方向性と思われる。国外のアジア地域に力を入れているのも、国内の礎がしっかり固まっているからこそできる業だ。顧客のニーズを取り込んでアジアNo.1のワンストップカードを提供してもらいたい。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。