KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

今日はSCN(3789)のフォローです

今日は久しぶりに銘柄のフォローコメントを書いてみようと思います。そして今回は昨日上方修正を発表し、推奨してから半年以上ほったらかしだったSCNにスポットを当ててみます。

SCNはまだ上場して1年未満の若い会社です。そのほぼ上場当初から値動きを追い掛けている銘柄ですが、残念ながら株価は一貫した右肩下がり。上場当時はマザーズ時価総額ランキングトップ10に入る程の比較的大型上場であり、今のミクシィほどではないですが当時市場の話題にもなりました。それが今や子会社であるソネットエムスリー(2413)、DeNA(2432)に時価総額ベースでも話題性でも負け、すっかり主従が逆転したねじれ現象が起きています。

↓マザーズ時価総額ランキング
http://quoterank.yahoo.co.jp/ranking/search?b=1&mk=17&kd=4&ca=1&tm=day&

ただここはニッポン放送の時とは異なり、株主構成がソニーグループでがっちり固められておりますから、敵対的TOBが発生するという事はなさそうです。

会社はネット接続プロバイダSo-netとそのポータルサイトの運営を主業務としています。10月1日には、より明確にサービス内容と会社名をリンクさせるために「ソネットエンタテイメント」に商号変更する予定です。

さて、昨日は接続事業の会員数増加と事業採算の改善により、上場以来初めてとも言える上方修正を発表しました。今期連結通期予想を営業利益で約8割、経常利益で6割予想に比べ増加。先日出たばかりの四季報予想に対してもそれぞれ5割程度の増加と結構なサプライズになると思われます。

↓SCNのIR
http://www.so-net.ne.jp/corporation/IR/release/index.html

特に良かったのが今回の上方修正は本業の好調さを表すものになっており、今まではソネットエムスリーやDeNAの業績に支えられた業績だったので、ようやく「子離れ」ができそうな環境になりつつあることです。特に業界的にパイの奪い合いであるプロバイダ事業、ポータルサイト運営事業で利益を上げられる事は今後の同社の自信にも繋がっていきます。

加えて昨日同時にモバイルコンテンツ、オンラインゲームの運営会社であるゲームポット(3792)と資本業務提携を発表し、将来的には3割超の株式を保有して持ち分法適用会社にすると発表しています。これはDeNAとの連携を強化し、相乗効果で業績を上げていく公算だと考えられます。ゲームポット自体も業績は順調ですが、今後やはりコンテンツの充実にはオンラインゲームの存在が必須であり、特にモバイル端末での運営、広告の獲得が収益の柱として成長しそうです。

株式価値の面では、かつてよりこのブログで口を酸っぱく言っていますが、保有株式のうち上場しているソネットエムスリーとDeNAだけの価値をSCN一株分の価値に換算してみると昨日時点で27.8万円となります。つまり今の時価で売れると仮定して(無論売却する時には時価より下の価格で売却する事にはなりますが)、株主に還元するとしたら今の株式価値を上回った金額をゲットできるということになります。つまり保有株式によるPBRが1倍割れしているという見方ができます。これには非上場の株式価値や今回好調だった主業務のプロバイダ事業等を含んでいない価値になりますから、適正価格はどう見積もっても30万以上に考えられるわけです(ちなみに今回のゲームポットも同様の方法で含めるとそれだけで既に29.4万円となります)つまり今の株価水準より7万以上上にあるわけです。

テクニカル的には大底を打ったという確認は未だできないものの、上記の理由により十分な底値圏にあると言って良いと思われます。ただ昨日までのチャートだけだと短期的にはストキャスの割安感から上向くとは思いますが、長期的には一目均衡表の雲も割り込み、MACDも暗転しているため苦しい展開が続きそうです。しかしながら来週火曜は上方修正を受けて上伸するでしょうから各指標も改善していき、ここが長期下落相場終焉のターニングポイントと十分成り得そうです。

リスク要因は新興市場全体の雰囲気です。マザーズ指数に強く連動する銘柄であり(自社、ソネット、DeNA共にマザーズ上場の時価総額ランキングトップ20内の銘柄であるため当然なのですが)、どんなにこの会社の適正株価が30万以上であると認識していても、実際に株価が動いてくれないという事実です。

一方、昨日初値を付けたIPO達がそれぞれ後場急伸した経緯があり、これによって新興市場は来週の動きが強まりそうな兆候もあります。ですがどちらかといえば今回の材料を機に、SCN自身が新興市場を引っ張っていってくれる事を期待したいものです。加えて黒字を無事続ける事ができれば、東証1部上場もそれ程遠い未来の話ではないと思われ、株式の需給面も改善が期待されます。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は投資成果を保証するものではありません。