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日経平均は金曜反落。前日のNYはECBによる追加緩和期待が高まったことや、アメリカの利上げが4月までは無いという観測などから大幅続伸。WTI原油先物が小幅ながら続伸したことも買い安心感に繋がりました。
それを受けた日経平均も朝方から買いが先行。前日好決算を発表したファーストリテイリング(9983)が実質上場来高値を更新したこともあって、SQ値は17341円と高値で決定。しかしそれが裏目に出て、そこや大発会の寄値が意識され、上値が重くなる展開に。そのまま売られて後場は一時マイナス圏に沈む場面がありました。
アメリカ雇用統計に対する警戒感や3連休前の様子見姿勢が拡がった格好。引けでは17200円台に戻せず。売買高は25億株台、売買代金は2.4兆円台とSQで膨らみました。
投資判断は「やや買い」。金曜のNYは注目の雇用統計を受けて反落。雇用者数の伸びは予想を上回ったものの、FRBが気にする時間あたりの賃金の伸びが予想より下回ったことで評価の分かれる展開になり、ここまでの急反発の反動も出ました。週間のNY株の上下幅は09年以来の大きさとのこと。ドル円も118.50円まで円高が進んで、先物は17000円割れの水準に。
とりあえず月曜は日本がお休みなので、月曜の動きをまず見てみたいところです。個人的にはまた利上げが遠のく内容だったことで、株にはプラスの雇用統計だったと思いますから、見直しの買いが入ってくると見ています。
来週からはアルミ大手アルコアの決算を皮切りに、アメリカで決算シーズンに突入します。基本的にはアメリカも日本同様、原油安メリットを受ける側の国なので、比較的好調な内容が見込めるでしょう。ただある程度は足元の株高の中に織り込まれていると見られるため、それが素直に更なる株高に繋がるとは簡単に言えません。その辺りが今高値波乱となっている株式市場の難しさを示しています。
ただいよいよアメリカのシェール会社の破綻が表面化したり、パリでテロが相次ぐ割には世界の相場は強い印象です。ギリシャの話も一旦は横に置かれ、また25日の選挙が近づくと意識されるのでしょうけれど、まずは高原状態をキープしておきたいという動けが優勢です。
翻って日本の方を見ると、海外要因以外に悪い材料は全くといって良いほど見あたりません。需給面でも前回空売り比率が最高値を付けた10/14の3日後に安値を形成して、そこから急速な切り返しの動きが見られました。6日の空売り比率最高値更新は、売り方の最後のスパートだと思います。
その空売り比率は金曜も35%をマークしましたが、SQであることから元々数字が小さくなりやすい日(分母の売買代金が大きくなるため)でした。にも関わらず35%という高水準ですから、引き続き売り方の手は緩んでいない感じです。それでも何とかプラス圏を維持したのですから、むしろ底堅さは感じます。今後の上昇のためのエネルギーを蓄積しているといったところ。
今のところ、短期的には株価はしっかりで、来週いっぱいかけて一旦は17800円辺りまでの戻り→その後は25日のギリシャ総選挙に対する警戒感から17000円手前辺りまでの調整、という形で荒っぽく、かつ昨年12/8,29の高値と12/17,1/7の安値をそれぞれ結ぶ線で形成される三角持ち合いが続くと見ています。
それが上値ブレイクか下値ブレイクか、というところでしょうが、25日のギリシャ選挙の結果は基本は前回も書いたように極左野党がまともに政権を形成できない(与党現状維持か再選挙)と思うので、上値ブレイクの可能性が高いと見ています。ただ同時に第三四半期決算発表も本格化してくるので、その辺りを絡めた地合になってくるでしょう。(こちらも基本的には円安・原油安で好業績が相次ぐものと見られる)
昨年の投資主体別売買動向の統計が出揃いましたが、最大の買い主体は「信託銀行」ということで、国内の年金資金が2.7兆円弱でトップ。外国人投資家は前年比95%減となる0.7兆円弱に止まり、それらが引き続き最大売り主体である個人投資家3.6兆円の売りを吸収した格好になりました。
年金資金に関してはGPIFなどの買い需要が13兆円と試算され、加えて日銀がETFを3兆円分買ってきますから、今年も引き続き下値の固い展開が続くのではないでしょうか。株価水準的にはリーマンショック前の高値水準に接近していますから、この辺りの戻り待ち売りが多いでしょうけれど、そろそろ個人の売り玉も尽きてきたと思うのですが。
新興市場も「やや買い」。金曜は各指数共に軟調。東証1部の値上がり率ランキングにドコモ(9437)が入ってくるくらいに、久しぶりに大型株の強さを感じる一日でしたが、その分相対的に新興市場が弱かった格好。直近IPOは総じて売られ、信用規制の入ったFFRI(3692)も一時ストップ安するなど、ここまで上がってきた銘柄にとっては厳しい一日になりました。
チャート的にはマザーズの方は12月から下落トレンドが続いていましたが、日経JASDAQ平均や東証2部指数は年初来高値を付けた後の陰線となっていることで、週明け更に下落してくるようなら短期的な天井感は出てしまいます。個人投資家の懐具合にも直結する市場ですから、その辺りをまず見定めたいところです。
【ポートフォリオ銘柄】
丸和運輸機関(9090)は反落。上場来高値を寄り付きで更新してきた後は売りに押され、高値で包み陰線となってしまいました。ただ同業のキューソー流通システム(9369)が今期の好業績見通しと自社株買いを発表したことで急騰。同社にも良い刺激材料になったと思います。金曜はボリンジャーバンド+2σまで戻したことで、過熱感を上手く冷ましたと捉えたいところ。
そして今回は一銘柄買いで初のREITを取り上げてみたいと思います。日本プロロジスリート投資法人(3283)を。
まずREITに関しては昨年の追加緩和後、順調に上値を追い続けるものが多く見られます。東証REIT指数は足元でも年初来高値を更新して、市場が波乱しようがおかまいなしの上値指向。有料メルマガにおいても昨年「NISAなどで長期投資をしたいならREIT」という主旨を書きました。
背景にはまず日銀のETF買いがあり、順調に買っていってくれる点が一つ。年間900億円分のREITのETFを買い付けてくれますが、これはREIT全体の時価総額10兆円に対する割合の0.9%。対して株式市場500兆に対して3兆円の買い付けで0.6%に止まります。株ですら日銀の影響力の強さが意識される中で、REITは尚更です。
じゃあREITの中で何をチョイスするか、というところですが、今訪日外国人で流行っているホテル系、もしくはEコマース市場の更なる拡大から物流系が良いと思っています。ただホテル系はもう随分高くなってしまったものが多いので、今回は物流系から同ファンドをチョイス。
まず、上述のにように日銀のETF買いを期待するのであれば、一定の規模と格付けが意識されます。日銀が買うETFの要件は以下の通り。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL0507R_V01C10A1000000/
というわけで、物流系でかつ日銀がしっかり買ってくれそうなところという条件を満たしているのが同ファンドということで選びました。分配金利回りは2.9%でREIT平均の3%をやや下回っているところは残念ですが、不動産価値としてのここからの成長性の期待です。
個人的にREITを扱うのは初めてなので、今回はちょっと試験的に。こちらは2年ほどの長期的視点で捉え、とりあえず目標は30万円に設定。週明けの寄り付きから買いポートフォリオ入れとします。
【注目銘柄】
セリア(2782)は大幅続落。こちらは7日配信の有料メルマガで売りで取り上げ。月次動向で2ヶ月連続既存店マイナスとなったことを材料視しました。そして見事急落となって今年一発目の目標株価達成となりました。
と言うわけで、取り上げ根拠を以下に記します。
「▼セリア(2782) JASDAQ 売買単位100株
3930円 出来高51900株
1/8売値 3860円~3920円
1/23までの目標株価 3500円
損切り 4070円超え
【評価】
業績 △
テクニカル ×
需給 △
同業他社比 △
その他ポイント 景気回復感からの魅力低下、円安によるコスト増
100円ショップで2位。若い女性をターゲットにした店舗展開で、他の100円ショップとは一線を画す。業績は連続の増収増益が続いており、今期も過去最高益更新の見込み。ただ下半期に入ってから月次動向は冴えず、既存店売上高は11,12月と共に前年同月比を割り込む格好。
足元で景気回復感からデフレを象徴する100円ショップは相対的に魅力が低下。他の100円ショップを運営するキャンドゥ(2698)、ワッツ(2735)なども株価が冴えない。為替の円安で仕入れコストが上昇していることもマイナス材料。
テクニカル的には各移動平均線を下回り、上値が重いところ。長期的には昨年1月,7月,11月の高値で三尊天井を付けた格好になっており、中期的にも11/4,11/19の高値でダブルトップを付けた形に。
MACDは好転しているものの、パラボリックは暗転継続。一目均衡表は三役逆転の形が継続しており、ストキャスも暗転。週足でもそれぞれ下落トレンドを示唆。
需給面では長期的に右肩上がりの株価推移であるが、昨年からは4000円前後での横ばいが続き、売り買い一巡感。一方、短期的にも12/9から4000円で横ばい推移が続いていたが、本日の陰線で下放れの動兆。上値にしこりを残した格好に。
信用買い残は差し引き1.8万株で、12月のピークからは減少基調にあるものの、長らく売り長の状態が恒常化してきた同社にとっては取り組みの悪いところ。日々の出来高との比較では返済売りは重石にならない水準。
それでも浮動株比率が2.2%と小さく、もし売り方の買い戻しが本格化すれば、上値追いの勢いは強いものになるため注意が必要。(反面東証1部などへの指定替えの期待は薄く、もし指定替えがある場合は増資・売出がセットになってくるものと見られる。同時に分割もありえる。)
予想PERは22.6倍で同業のキャンドゥ(2698)の33.8倍との比較では割安。一方、PBRは5.0倍で同2.3倍との比較では割高である。予想ROEは22.3%で同7.1%との比較では高い。配当利回りは0.6%で市場平均1.6%との比較では小さい。また同社には株主優待も無い。
売値は本日安値を割り込むところでかつ、あまり安くなり過ぎないところで。目標は3500円に。損切りは12/15の戻り高値を上回るところで」
・・・他にも書きたいことはたくさんありますが、恒例の文字数制限のためここまで。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。