NY話のつづきです。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20160224.html
車はセントラルパークの脇を通り抜けて北上しますセントラルパークは日本で言うところの皇居のような、大都会のど真ん中にある自然豊かな別天地リスは勿論のこと、コヨーテなどもいるそうです翌日またゆっくり行ってみることにします
男性のガイドさんは、ずっとニューヨーク話を続けながら運転していました自分は10数年前にアメリカンドリームを追いかけてこの街にやってきた。今はこうしたガイドの仕事をしながら生計を立て、まだ夢を追い続けている、と。
物価がバカ高いNYですが、それでも人を惹き付けて止まない都市道ばたを見やると、若い浮浪者がスタバの前や不動産王で大統領候補トランプ氏のホテルの脇など、アチコチで物乞いしていますところが彼らに悲壮感は無く、本を読んだり案外のほほんとしていますそんな彼らにビジネスマンが買ってきたサンドイッチを手渡したり。この浮浪者達も、それでもNYから離れる気はなく、やはりアメリカンドリームでの一発逆転を夢見ています
セントラルパークの脇にはコンドミニアム(分譲マンション)がズラリと軒を連ねていますこちらは億ションなどという次元ではなく、100億円という物件もザラ先にも紹介したように、マンハッタンの不動産価格はとんでもないバブルで、家賃が平均で月額3000ドル(約34万円)とかの世界です。その中でもking of kings達の住処がここセントラルパーク周辺貧富の差が激しいのはよく知られていますが、この界隈はスーパーが5個くらい付く勝ち組のアジトです
見た感じ、それ程新しいものではなくて低層なものも多いのですが、それもこの周辺の環境を意識してのものでしょうか。高い建物を建てると、後ろの建物からセントラルパークが見えなくなってしまいますからね
この辺りのコンドミニアムで最も有名なのがダコタ・ハウス。セントラルパーク西側の丁度真ん中辺りに位置し、最上階からはセントラルパークを一望できることでしょうもう130年以上の歴史がある古い建物ですが、かつてジョン・レノンとオノ・ヨーコが暮らし、そしてジョン・レノンが玄関口で暗殺された場所として有名です。
そのジョンとの思い出や歴史を守るため、オノヨーコはこのコンドミニアムの大部分を所有しているとのこと。その資産価値は数千億円規模とも。ひぇー
そしてこのコンドミニアムは株式会社のように、所有者が所有割合に応じて入居希望者を審査することができるのだとかというわけで、このダコタ・ハウスに関してはオノ・ヨーコがいわば大株主で、どんなに大金を積まれても、どんなに著名人であっても、オノ・ヨーコがウンと言わなければ入居を拒否されるのだそうですかつてマドンナやビリー・ジョエル、アレックス・ロドリゲスといった有名人がオノ・ヨーコのお眼鏡に適わず入居を拒否されたのだとか
それら高級なコンドミニアムは当然警備も厳重入居者の許可が無いと、一切訪問者は入ることはできないようです今このダコタハウスに住んでいる日本人はオノ・ヨーコともう一人。ドイツ人医師と結婚して、今は未亡人として一人で暮らしている80過ぎのお婆ちゃんだとか。
で、そのお婆ちゃんの知り合いということで、とある日本人が一度ダコタ・ハウスの中に入れて貰える約束まで取り付けたそうですが、当日になってお婆ちゃんが「やっぱりダメ」と言ったために入れず非常に神聖不可侵な場所のようです
NYの各コンドミニアムの入り口にはどこも門番が立っていて、住民全ての顔を覚えているのだとかそうやって不審者を中に入れないような仕組みになっているようです治安は昔に比べて良くなったとはいえ、まだまだ危ない国ですしね
そんな門番達はこれからクリスマスの時期になると住民達からボーナスが出るので、丁度今頃の時期から張り切り出すのだとかこの辺りの高級なコンドミニアムの場合、クリスマスのボーナスだけで10万ドル(1000万円超)規模になるので、非常に書き入れ時なのだそうです
その話を聞いていた女性のガイドさんが「えぇっ、クリスマスにはボーナスを渡さないといけないんですか」と初耳だった様子。自分の住んでいるコンドミニアムで渡したことがないとのこと男性ガイドさんは「そりゃまずいよ。何かあった時助けてもらえないよ」と言って車内に笑いを誘っていました(つづく)