父の話の続きです。
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結局父はそのまま入院することになり、しばらく点滴で過ごすことになりました。肺炎が治ってご飯が喉を通るようになったら、少しずつ口から栄養を摂取していくように、と。病院のベッドに入って横になってから、逆に父の顔色が悪くなったようにも見えました。ただ医学的なことはよくわかりません。
それから数日が経過。入院前から全く食事をせず点滴だけで過ごす父は、骨と皮だけのようにやせ細っていきました。そして我々が行った時はほとんど目を瞑ってイビキをかいて寝ているだけのようになりました。
目はほとんど開くことがなく、時々目を細く開けるものの、寝ぼけているような、ちゃんと我々を認識しているかどうかわからない感じ。終始口を開きっ放しで、発声も「あー」としか言えない状態でした。ただ顔色は血色を帯びて赤みを増していき、肺炎も治った様子でした。
その病院は10年前に父が脳の手術をしていた大病院でしたが、その際父のリハビリを担当してくれた先生が今もおられました。その先生が病室の前を通る際、父の名前を見つけて声をかけてこられました。私は「よく10年前の患者のことを覚えているなぁ」と変なところに感心してしまいました。
そのリハビリの先生が、父の昼食の「リハビリ」を担当してくれるとのこと。昼食のリハビリとは、昼食が喉を通るようにするリハビリです。そんなものまであるのか、とまた妙なところに感心する私。
どうも今の状態だと、例えば普通に母や看護師の方が父の口に何かを入れても、父はむせてしまって食べられないのだとか。あまり無理をするとまた誤嚥を起こして肺炎になってしまいます。そのリハビリの先生が持つ「コツ」があれば、上手くむせないないよう喉に食事を通すことができるのだそうです。
昼食にそのリハビリ用のゼリーが毎回出ていました。グレープ味、ピーチ味、オレンジ味・・・と色々あるようですが、あくまで医療用の食品。そのリハビリの先生が昼に一時間くらいかけて父に食べさせようとするのですが、その先生の「コツ」をもってしてもあまり上手く喉を通らない様子。必要な量全てが通らずに、病院に来る度にゼリーの在庫(使われなかった分)が、父のテーブルの上に増えていました。(つづく)