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日経平均は金曜反落。前日のNYは来年度予算案でヘルスケア分野の負担が増加することが示されたことで、ヘルスケア株中心に軟調。ただ全般的には小幅安程度の薄商いでした。それを受けた日経平均も朝方から売りが先行。ドル円が113円前半の円高水準が続いていること、またG20や3連休を控えて買い手掛かり難の状態が続きました。
後場はまた日銀ETF買いが入って下げ幅を縮小するものの、買いも続かず。後場の値幅は40円に止まり、為替もほとんど動きませんでした。売買高は20億株台、売買代金は2.5兆円台と膨らみましたが、FTSEのリバランスで4.4億株分引けに嵩上げされました。
投資判断は「中立」。金曜のNYは日本のSQにあたるクアドルプルウィッチングで出来高こそ盛り上がったものの、小幅安程度に止まり小動き。一方フランス大統領選挙に向けた世論調査で極右政党のルペン氏の支持率がトップだったことから円高が進捗。ドル円は112円台に明確に入り込んできました。それを受けた日経平均先物は19320円となっています。
結局FOMCもオランダ選挙も日銀金融政策決定会合も事前の予想通りの着地。債務上限引き上げも予算教書もひとまず無事通過という格好になりました。
今回特に注目すべきはドル建ての日経平均。為替が円高に向いた割には株価が下がらなかったことで急伸し、173ドル乗せとなりました。こちらは先般も指摘したように、アメリカ株との連動性が高いので、アメリカ株が上がったことで連れ高の格好。
http://marketnewsline.com/apps/market/quotes?r=3m&c=1010&lang=ja&t=large
こうなってくると、あとは為替がどう動くかを見るのみ。本来であればアメリカは利上げ方向、日本の金利は現状維持なわけですから、もっとドンドン円安が進んでも良いはずです。ただとりあえず足元はG20も週末に控えて、警戒感が頭を抑える格好。
ドル円チャート的には改めて115円の壁が意識される展開になっており、特に引け後には黒田総裁の会見などを受けてドル円は一時113円を割り込む動きがありました。ざっくり112円~115円のレンジを抜け出せない展開になっています。これでドル円さえ円安に向かえば、自動的に日経平均2万円乗せは実現されるはずですが。
株の方は不安材料が一巡したわけですから、しばらく大きなイベントが無いので、足元の流れのまま(つまり上昇トレンドのまま)上がっていっておかしくないはずです。一方、ドル円の方を見ると、やはり大きなイベントが無くなってしまったので、足元の流れのまま(つまり円高)に流れてもおかしくありません。結局、この二つの反対方向の相殺により、日経平均は微妙な横ばい推移を続けているということになります。
ですから、どのタイミングでバランスが崩れてくるか。一応、まともに判断すれば円安にブレイクしていくことで株価も上がりやすい地合にあるはずです。
本来3月は為替が円安に向かいやすい時期でもあります。というのは大体決算前に日本企業が海外で稼いだドルを円転→一旦円高になる→その後反動で円安基調、というパターンがあるのですが、今年は前半の「円転」する流れが弱いように思えます。
というのは、トランプ大統領による保護主義政策でアメリカ国内に投資をする必要があるのでは?→じゃあドルのまま外貨を置いておこう、という動きが強いのではないかと。なので、その後の反動も弱いのではないかと考えられます。まあ単純に大統領選挙以後円安の勢いが付きすぎた、という動きもあるでしょうけれど、実需面ではこういう動きもあるのかなと。
アメリカ長期金利チャートを長いスパンで眺めると、レーガノミクス以降続いた下落トレンドの大転換とも言える金利上昇局面に入ってきたようです。なので長い目で見れば円安基調は続いていきそうですが、一方で日本の金利も引きずられるように上がっていくであろうことから、アメリカの金利上昇スピードよりは落ち着いた円安進捗になっていく感じがします。
https://fred.stlouisfed.org/series/DGS10#
一方、足元でサウジが原油生産量引き上げという意外な展開により、今週は原油が急落する場面がありました。
先日モーニングサテライトを見ていてなるほどと思ったのは、シェールオイル掘削に必要な「砂」の運搬コストが以前に比べて20%も上昇しているらしく(トラック運転手の人手不足などで)、原油掘削コストが微妙に上がっているらしいんですね。それが原油価格が高止まりしても、なかなか稼働リグ数が増えない一因となっているようです。
もう一つ、アメリカでのトラック運転手というのは、いわゆる一人親方、つまり個人事業主が多いようで、ライセンス取得コストやトラック購入代金などを自前で手当てしないといけないとなると、なかなか人手が増えないようです。この辺り、日本もヤマトHD(9064)に端を発した物流問題がありますが、抱える悩みは同じ模様。となると自動運転技術の実用化は、恐らくトラックから始まっていくのでしょうね。
また、足元で増えている原油在庫の増加も元々製油所の改修時期ということもあって一時的と見られ、原油の先行きに関しては引き続き強い見方が大勢のようですが、少なくとも需要期である冬が過ぎ、ドライブシーズンである夏まで間がある端境期ですから、ひとまずは陰の目が出ている状況と思われます。
新興市場は「やや売り」。金曜は各指数共に軟調。連騰が止まってから一気にトレンドが逆回転してきましたが、特にマザーズは主力のそーせいG(4565)の下げが止まらず。筆頭株主の五味氏の損益分岐点としてネットで話題のいわゆる「五味ライン」を割り込んでしまったことで、見切り売りが続いている格好です。また東証1部上場断念も伝わり、来週も嫌な流れが継続しそうです。
新興市場銘柄に関しては、基本的に株主還元の割合が薄いので、権利取りの動きも出辛く、また空売りのできない銘柄が多いので、一度売り方向に傾いてしまうと、そのまま売られる展開が続きやすいところです。
【ポートフォリオ銘柄】
売りポートフォリオの三井物産(8031)は続落。原油を始めとする資源価格の下落は一服したものの、同社は下げ止まらず。75日線までタッチしてきました。一目均衡表の雲も下方にあるので一旦はこの辺りで下げ止まり感が出そうです。それでも円高が引き続き市場全体の上値を重くする展開が続くと思います。
売りポートフォリオの野村HD(8604)は反落。引き続き市場全体の薄商いが証券株の足を引っ張っています。またアメリカFOMCを受けて先々の利上げペース引き上げがなかったことも、金融株全般にネガティブな動き。ただちょっと足元で売り銘柄に比重を傾け過ぎたかなと思うので、こちらは火曜の寄り付きで買い戻しとします。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。