KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

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投資判断「やや買い」
買いのタイミング 現在(ただし900円の底を確認してからでも遅くは無い)
3ヶ月以内目標株価 1000円

要点
・前期は液晶・半導体の需要回復、販管費の削減などにより、国外売上の落ち込みをカバーして増益となった。ただし足元では液晶・半導体需要のピークアウトが懸念されている。
・景気敏感株のため、日経平均等の指標との連動性が強い。ただし足元の株価はそれらの指標をややアウトパフォームする形で受け止められている。
・会社見通しはやや保守的と思われるが、円高が及ぼす悪影響を勘案すると、簡単に楽観もできない。
・財務状況は問題無いので、目先ファイナンスリスクなどは見受けられない。
・投資タイミングは900円での底打ちを確認してからでも遅くはない。


【企業概要】
178年の歴史を持つ化学製品専門商社。化成品・合成樹脂・電子・ライフサイエンスの4事業を中心に取り扱う。昨年は川合肥料を買収し、農業関連を強化。海外売上比率4割超。メキシコ・インドなど新興国への進出にも積極的。

【特性】
液晶・自動車・農業・石油・半導体・スマートフォンと様々な商品の素材中心に扱っている事もあって、それぞれの業界の好不調が業績に影響する。中でも液晶・自動車・石油の占める割合が大きい。

【業績】
前期は液晶など液晶テレビ関連材料、半導体の需要回復が目立った。円高などの影響により、特に国外の売上が大きく落ち込んだものの、販管費を削って増益を達成。今第一四半期は営業利益の対中間予想進捗率が70%と好発進。ただし業績予想に対する修正が無かった事から、発表翌日にはやや売られる形に。

今期はプラントの償却費負担が利益を押し下げる要因になるものの、増収増益を見込む。ただ自動車・液晶といった分野では上半期好調だった反動が懸念されており、通期見通しは保守的にならざるを得ない。

また想定為替レートは90円で見込んでいる。概ね為替レートが1円円高になると売上が3億円減少する計算になるので、現状のレートのままだと15億円近くの減収要因になると考えられる。

会社見通しはやや保守的と思われるが、円高が及ぼす悪影響を勘案すると、簡単に楽観もできない。

11年3月中間期予想(KA.Blog) 単位:百万円 

売上   337000
営業利益 9700
経常利益 10200
当期純益 5200
9月末想定為替レート1$=85円

第一四半期時における営業キャッシュフローは7億円と売上に比べると随分と少ない。売掛金や棚卸し資産の増加、税金支払いが増えた事が要因でキャッシュもまだ十分あるため問題は無いが、次回中間期も念のため気を付けておきたいところだ。

有利子負債については第一四半期8億円増で223億円。それでも有利子負債比率は12%、流動比率も200%だから、ファイナンス等の心配も無いと見る。


【株価推移】
素材を扱う商社という事から、景気敏感株という位置付けが可能だろう。概ね日経平均に沿った動きを続けているが、2003年の金融危機から2006年にかけて株価は3倍化。その後は2009年3月にかけて709円まで下落。日経平均をややアウトパフォームするという見方ができるだろう。足元は今年の4月高値1206円から900円までの下落トレンドが継続中。

【テクニカル】
足元では緩やかな下落トレンドを形成中だ。7月安値903円、8月安値902円と来て、9月安値900円の攻防となっている。週足で見るとMACDは好転しているが、まだ明確な反転の勢いは感じられない。また実線も遅行線もそれぞれ一目均衡表の雲を下抜けし、反転したとしても当面は上値を抑えられる格好になる。

一方で日足で見ると75日線が上から迫ってきており、一目均衡表の雲も薄い。上放れのチャンスであると言える。ただ足元では液晶在庫の積み上がり、半導体需要のピークアウト懸念を考えると、積極的に上値を追うような雰囲気では無いことも確かだ。やはり市場全体が上向くかどうかにかかっている。

従って投資のタイミングを測るには、もう少し様子見が必要。この900円というラインで明確に底打ちが確認できてから買い出動を考えても遅くは無いだろう。


【需給】
信用倍率は足元では1倍台で、買い残も日々の出来高の範囲内に収まる。これらの影響はそれ程ないだろう。株主構成も会社・機関投資家・外国人・個人と満遍なく広がっておりバランスが良い。

【同業他社比較】
同社のPERは12.5倍、PBRは0.6倍となっている。同業他社はどうなっているであろうか。

明和産業(8103)
三菱系の中堅化学品商社。業種としては同社にほぼ近いが、売上規模では1/4レベル。PERは4.9倍、PBRは0.7倍と同社に比べてやや割安感が出ている。

昭光通商(8090)
昭和電工グループ。明和産業と規模もよく似ている。PERは14.4倍、PBRは0.9倍。同社に比べてやや割高感が出ている印象。

豊田通商(8015)
トヨタ系列の自動車関係の素材中心に取り扱う商社。PER10倍、PBR0.7倍だが主要取引先の現状と直近売り出しを発表して売られている点を加味して考えると、同社とそれ程大差はないような印象だ。

これらと並べてみると、特に同社の水準が極端に割安・割高となっている印象はなく、現水準が妥当な線とも言える。

【課題】
原材料の安価で安定的な確保。特に化成品・合成樹脂の原料となるナフサ価格が原油価格に応ずる事から、商品市況での原油価格の変動は同社のリスクとして認識すべき最重要項目。これに関しては足元円高により相殺される格好になるが、市況環境次第では同社の業績に大きく影響を与えてくる事になるため注意が必要である。

株価の動きとしては9月中間配当も9円の予定と特段魅力は無く、株主優待は3月しか無い。また同社を上昇させるような目先のカタリストも特に無い。PBR等の割安感で選好するにしても、他業種の銘柄も十分安くなっており、比べると魅力が薄れる。

また、現在の売買単位が1000株単位な事から、必要最低投資金額は90万円超となっており、個人投資家にとっては気軽に手を出し辛い金額とも言える。会社側は売買単位の引き下げを検討してはいるようであるが、流動性を高めるためにも早期の実現が望まれる。ただ、できれば株式分割などもっと積極的な株主還元策を出してきて欲しいところだ。

※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、投資成果を保証するものではありません。