今週のお題「2012年、夏の思い出」
前回からのハービー山口氏の写真展の続きです。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20120827.html
最後はホールで氏のこれまでの体験や思いを滔々と語られました。その中で印象に残った話を二つ。
氏が若い頃にロンドンに居た際、地下鉄で偶然パンクロックバンド「ザ・クラッシュ」のボーカルであるジョー・ストラマーに出くわしたとのこと。写真を撮りたい!・・・と思いながらも、プライベートであるし・・・と躊躇。
しかしこの千載一遇のチャンスを逃すと、この先もう二度と無いと思い、当たって砕けろの気持ちで「写真を撮ってもよろしいですか?」と尋ねてみたそうです。
すると意外にも「OK」の返事をもらい、何枚か撮ることができたそうです。やがて地下鉄が次の駅に止まり、彼がホームに降りる瞬間、氏の方に振り向いて一言「撮りたいものはすべて撮るんだ!それがパンクなんだ!」と言ったそうです。以来、それが氏の座右の銘になったそうです。
http://www.aaa-shop.jp/column_herbie/64/index.html
もう一つ私が感銘を受けた話は「自分は子供の頃病気だったが、そのお陰で最初のバレーボールの少女の写真をきっかけに写真家になろうと志せた。また、就職活動をしても一社も採用してもらえず、その結果ロンドンに渡って様々な経験が出来たしストラマーにも会えた。病気も就職できなかったことも神様からの贈り物だ」という言葉。
病気や就職難は共に普通はマイナス要因でしかありません。それが何の因果か、巡り巡って今の自分を形成する大きな要素となっている。だから、今の苦難をどう捉えるかは全ては自分の気持ち次第なんだ、と。それらを聞いて、私は深い感銘を受けました。
最後に氏は「皆さんの写真を撮らせて欲しい」ということで、我々に向けてカメラを構えました。「最近は個人情報などがうるさくて気軽に撮れなくなってしまった。これは悪い傾向。もし嫌な人がいたら事前に申し出て欲しい」というようなことを言っておられましたが、無論、誰もそれを嫌がる人はいませんでした。
氏は「私が撮影した人は皆大物になった」と冗談めかして言っておられました。そんなわけで私もその写真に写ったので、大物になる可能性がいよいよ現実味を帯びてきました(;^_^A
今度の10月6日にまた「ミュゼふくおかカメラ館」で氏のトークショーがあります。行ける方は是非足を運んでみたら良いと思います。
ちなみにミュゼふくおかカメラ館はその名の通りカメラをメインとしているので、常設展示として歴代のカメラがズラリと展示してありますから、カメラ好きの方には必見のスポットです。(完)