NY話のつづきです。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20160224.html
そんなこんなで車はいよいよハーレムに向かいますハー レムはセントラルパークの北側に位置する、黒人達の地域。日本でハーレムというと何となく桃色なイメージ(?)ですが、ご存じのようにニューヨークのハー レムはそんな雰囲気とは真逆です。語源もそもそも入植してきたオランダ人が祖国の都市名を付けたことに由来しているとのこと。
約400年前にアフリカから奴隷として連れて来られた黒人たちは、長い間、南部で過酷な労働に従事させられ、南北戦争後の奴隷制廃止によってNYにやってきました。そしてこの街に落ち着きますが、奴隷制を廃止されても結局生きていくための仕事や技量が無い彼らは、白人の屋敷に召使いとして仕えながら、普段はこの街で身を寄せ合いながら生活していました
黒人の料理として有名なソウルフードは、白人達が残した残飯、例えば肉の骨の部分をどうやったら美味しく食べられるのか、コーンでどうやったらお腹を満足させられるのか、という知恵から生まれた料理なのだとのこと
そういうNYの影の部分で生きてきた彼らが、この地でソウルミュージックなどに代表される独自の文化(ブラックカルチャー)を築き上げてきたことは有名です。一方、貧困から犯罪率が高く、ドラッグも横行し、行ってはいけない街としても有名ではありました
ただ近年は再開発が進むと同時に治安も良くなってきて、そこまで危険視されるような地域では無くなってきたようですまあ良くなってきたと言っても、当然日本のように夜間に一人歩きが出来るレベルでは無いのですが・・・
そんな黒人の歴史が詰まったハーレムですが、今これだけセントラルパーク周辺の地価が上がってきたので、段々と黒人以外の人種が浸食しつつあるようです。 実際、移動中に説明してくれたガイドさんが大きく開けた空き地を指さし「ここも私が初めてNYに来た時からずっと空き地でしたが、今度資本家の投資によっ て大きなビルが建つことが決まった」とのこと。
かつてハーレムの地に追いやられた黒人達は、今やそのハーレムからも追いやられる皮肉。そんなことを思いながら、我々は最初の目的地「シルビアズ・レストラン」に到着しました(つづく)