父の話の続きです。
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20161016.html
「PTEG」の処置をしてしまうと、医療機関に入院する他なく、もう前の特養施設に戻ることはできないとのこと。結局父は転院から1ヶ月足らずで退所することとなり、次は老人病院に転院することになりました。
母と二人で次の転院先へ申し込みに行ったところ「今はいっぱいですが、恐らくもう一週間くらいしたら空きが出ると思いますから、その際改めてご連絡します」との回答。「もう一週間くらいしたら空く」ということは、誰かがもう一週間くらいで亡くなるという意味なんだろうなと思いましたが、実際に間もなく連絡が来て転院が決まりました。
実はこの老人病院は元々隣のお爺さんが最後に入っていたところ(http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20150906.html)。まさか父も厄介になるとは。そしてここが父の終の住処となるんだろうと思うと、何とも奇妙な縁を感じました。
転院は介護タクシーでベッドに横たわったまま移送となりました。専門の男性が二人やってきて、手際良く可動式ベッドに父を移し替えると、そのまま玄関前に停めてあったタクシーに移乗。そこから10分くらいの距離にある老人病院に到着すると、また病院のベッドに移し替え。家族は一切手を出す必要がありませんでした。料金は7000円程。
老人病院ではまず最初に改めて診察を受けることになりました。寝たままレントゲンを撮ったり、血液検査をしたり。先の病院からのカルテと状態や症状を照らし合わせるのでしょう。
検査結果が出た後、母と私が診察室に呼ばれ、面談となりました。年配の女医さんでしたが表情を曇らせ「私が思っていた以上に状態が悪い。正直見通しは暗い」ということでした。先の病院からの引き継ぎ以上に症状は悪く、やがて酸素吸入も必要になってくるだろう、と。
実際、その後病室に行ってみると、ここに入院している誰よりもうちの父の状態の方が悪く感じました。他の人達は患者らしくベッドに横たわってはいますが、半身を起こしてテレビを見たりはできる状態。
対して父は自分で身体を起こすことはおろか、半分目が開いているものの、常にいびきのような呼吸音、起きているのか寝ているのかはっきりわからない状態がずっと続いています。医者が言うには舌が筋力の衰えからか、もう喉の方に落ち込んでしまい、呼吸をする度にいびきのような音になってしまうのだとか。実際、身体を横にするといびきは止まります。転院前から段々とこの状態が酷くなっていました。
転院にあたりタオルや衣類、テレビを持ち込みましたが、看護師さんは気の毒そうに「恐らくそれを着ることはできません」「テレビも見られないでしょう」と次々と否定しました。母は少しでも健康体に近づけたような状態にすることで安心感を得たかったようですが、私の目から見ても恐らくそれは無理だと思いました。
私も正直年内いっぱいだろうと覚悟はしていたものの、やはり現実を突きつけられると気落ちしました。特に母の落ち込みは大きく、その後家に帰ってからはため息ばかりついていました。(つづく)