KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

G20やドーハ会合を控えて様子見

★☆★☆ 第6回目開催決定!

テレビ東京日経CNBCラジオNIKKEIなどでお馴染み、あのブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏が高岡で6度目となる自主開催セミナーを開催されます!!

馬渕治好氏略歴
http://bd-fleurettes.eco.coocan.jp/sub1.html

内容 :「世界経済・市場展望」
(※世界の経済動向、主要市場の先行き、政策要因や投資家動向などの全体観について、最新情報を踏まえながらわかりやすく解説。なお質疑応答を含め、個別銘柄の株価判断はありません)
日時 :5月21日(土) 13:30~
場所 :富山県高岡市 JR高岡駅前 ウイング・ウイング高岡
参加費:4000円

事前お申込制となっており、定員に達し次第締め切りとなります。
セミナー終了後は懇親会も予定されています(※自由参加。別途5000円程度)。

詳細を下記リンクよりご確認の上、お申込みください。
http://kokucheese.com/event/index/372342/

馬渕氏の新刊「勝率9割の投資セオリーは存在するか」は4/21発売予定!
世間で広く支持されている俗説を、長期にわたったデータを用いて検証が行われています。
お楽しみに!

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日経平均は金曜反落。前日のNYは企業の決算が少しずつ出てくる中で小幅高。年初来高値を更新する動きになりました。

それを受けた日経平均は朝方から売りが先行。前日まで3日間で1000円超上げた反動や、週末にG20やドーハ会合といった大きなイベントを控えて手控え ムードが拡がりました。それでも寄り付きを安値に買い戻しの動きが出ると、一時プラス圏に切り返す場面も。その後中国のGDPを始めとする様々な統計が予 想を上回って出てくると、瞬間強含む場面がありましたが、上値は追いきれず。

後場は警戒感や戻り売りが強まると、引けにかけて売りに押される展開に。そこに買い戻しも入り混じり、結局は小幅安程度で済みました。出来高は20億株弱、売買代金は2兆円台と低調でした。


投資判断は「中立」。まずは熊本で非常に大きな地震が発生し、しかも昨晩発生した地震の方が本震であるということで、今も尚立て続けに起こっている様子。 被害に遭われた方にはお見舞い申し上げると共に、周辺地域にお住まいの方は十分お気をつけください。私は地震体験車でしか震度7を体験したことはありませ んが、天災は本当に恐ろしいものだと思います。

それでも動き続ける株式市場の話に戻りますが、今週は単純に円高が止まった途端、3日間で日経平均は1000円超の急回復。正直500円くらいは戻るかなと思っていましたが、勢いがすさまじかったですね。

前回も書いたように、TOPIXの方が先週末に木曜高値を上回って「包み陽線」の形を出して以降売り一巡感が出て、2月のようにSQを月間のボトムとでき たような感じです。ただ2月の時と異なるのは、これから決算シーズンが始まるという点(2月中頃は逆に決算がほぼ一巡した時期)。まだ安心はできません。

チャート的には元々16000円~17000円、ドル円で108円~111円の水準は滞在日数が少なく価格帯出来高も薄いため、それぞれ簡単に上下しやすいゾーンではありました。金曜はその上限まで戻って限界点だったので反落・・・というのが得意の後講釈。

この急騰の間、特に銀行や鉄鋼といった超大型株の急騰が目立ちましたが、こういう買い方は特に外国人投資家の買い方であると言えます。何故なら「とにかく 何でも良いから素早く日本株を買おう」ということで、流動性の高く買いやすいところを狙ってきているからです。そして間に合わない分は先物で担保しようと いうことで、先物もガシガシ買ってきます。

しかし何故ここにきて急に外国人が日本株買いに目覚めたのか。元々「4月は外国人が買い越しやすい月」とは書いていましたが、正直「決算が始まる前のこの タイミングで?」とも思います。確かにアメリカ株との乖離がとにかく大きく、相場が崩れ始めた12/1を始点としたここまでの下落率は15.8%。対して NYダウは既に12/1の水準を上回ってきています。一方、ドル円の方は11.5%円高が進んでいるので、その分を加味してもまだ4%程の乖離を埋める余 地があるとは言えます。

金曜のNYはドーハ会合原油増産凍結に向けた産油国の会合)前の様子見ムードから原油価格が下落したこと、またiPhone減産継続報道が出たApple の株価が下落したことで軟調。ただ下げ幅は小幅に止まりました。一方、ドル円が引け後から1円程円高になったこともあってシカゴ225先物は16675円 となっており、月曜の日本株軟調スタートが予想されます。

足元のイベントで特に気になるのがドーハ会合の行方。今週アメリカの原油在庫が予想の+185万バレルを大きく上回る+663.4万バレルと報じられまし たが、特段嫌気する向きも無く高値圏をキープしています。この事前の強さ、期待値の高さが先行きの反動安に繋がりそうで不気味です。例え原油価格下落に対 する前向きな協調姿勢が出たとしても「出尽くし」感が強まる可能性がありそうです。

原油高は本来日本にとってはマイナス材料のはずですが、株式市場としては原油市況と日本株に強い相関性が出ているのも事実です。オイルマネーの流出入に繋 がる以外にも、日米の銀行に対する安心感にも繋がります(アメリカはシェール向けの貸出が、日本は商社や海外の資源向けの貸出が大きいため)。ですから逆 回転するとまたそれぞれの不安感に繋がります。

気になる投資主体別売買動向では、先週ようやく外国人投資家が買い越し。ただわずか326億円の買い越しに止まり、先物は小幅売り越しでした。一方、気に なっていた信託銀行はまた1541億円の大幅な買い越し。先週は大きく下がった週ですから、その分買い余地がまた増えたのかも知れません(株価の下落に よって保有割合が下がるので)。

来週からはいよいよ企業の決算シーズンがスタートします。今回は3月決算企業の本決算が相次ぐわけで、一年で最もホットな決算シーズンが始まります。

特に重要なのが来期の業績見通し。円高が今期の企業業績見通しに暗い影を落とすのは間違い無いでしょうけれど、実はもう一つ企業の見通しを暗くするものがあります。それはマイナス金利です。

と言うのも、今までは小さいながらも利回りがあったので、従業員の年金を積み立てる退職給付債務は利回りに応じた割引率を設定し、実際に支払う金額よりも 少額の積み立てで済んでいました。ところが、マイナス金利となると将来に実際に年金を支払う段階になって、現状よりも積立額が減っている恐れが生じてきま す。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO98004500T00C16A3DTA000/

「じゃあ運用せずにタンス預金にすれば良いじゃないか」・・・というわけには当然いきませんね。それだと大きなところは何千億円というお金を入れる金庫を用意しないといけなくなり、現実的な話ではありません。

いずれにせよ、割引率が無くなることで、間違い無く企業の負担は増します。実際既にLIXILG(5938)や大和ハウス(1925)が退職給付債務によ る巨額の損失計上を発表しており、金曜もNEC(6701)や富士通(6702)と言った人的資源の大きい老舗企業に同様の懸念が拡がっています。

こういう背景もあり、どうしても決算シーズンは楽観的に見られません。「それを十分に織り込んでこの水準だ」とも言えますが、前にもパナマ文書の件で示し たように、結局きちんと決算が出て(見通しも含めた)具体的な数字が出ていない段階の不安感が株式市場にとっては一番マイナスで、現状完全に織り込みよう もありません。

ただ、今年はどうも「Sell in May」という言葉を聞きません。皆が忘れた頃が一番危ないような気もします。今週はとりあえず良いとして、来週からまた少し気持ちを引き締めた方が良いと思います。


新興市場も「中立」。金曜は両指数共に堅調。特にマザーズの方は高値引けで、07以来の高値水準となってきました。

先週の投資主体別売買動向で特に注目されたのが、マザーズ市場に対する外国人投資家の関与度の高さ。先週4月第1週の外国人投資家の買越額が170億円 と、3月第4週の38億円、第5週の34億円の買い越しから大幅に拡大しています。7月19日から取引が開始されるマザーズ先物に向けた裁定取引業者の玉 仕込みという説もありますが(個人的にはあまり信用していませんが)、これがマザーズ指数の高値追いに大きく寄与していることは間違いなさそうです。

そんな中でも金曜はエディア(3935)がIPO。順調に買い気配スタートの初値形成を見せて、市場の雰囲気の強さを裏付けました。ただ引けにかけては売られ陰線に。絶好調の新興市場の中でも銘柄選別が重要なのは言うまでもありません。


ポートフォリオ銘柄】
日本プロロジスリート投資法人(3283)は続伸。熊本での大地震を受けて不 動産株やREIT軟調な動きが目立ちましたが、九州では佐賀に物流施設を持つ同REITは何とか無事でした。物流系REITの多くは大規模で耐震性能の 高い「先進的物流施設」がポートフォリオですから、逆にこういう事態が起きた時に必要とされる物流施設として需要が高まる可能性もあります。必要な方に必 要な物資が届くような体制作りは、強い国造りのために必要です。

本日の日経でも「物流REITの裾野広がる」と記事が出ており、足元好調なREITの中でも特に物流系REITが注目されているところです。


DMS(9782)は反落。前日は越境EC関連株が買われた流れで同社も買われましたが、金曜はあっさり息切れ感が出てしまいました。

今週急に越境EC関連株が買われた背景は、中国政府が8日から日本製品に対する関税を引き上げたこと。一方で個人による越境ECに適用してきた税金を廃止し、1度の購入金額上限を倍の2000元に引き上げたとのこと。つまり、中国国内では買いやすくしたということです。

先般指摘したジェネレーションパス(3195)の急騰を筆頭に、木曜は越境EC関連株が軒並み高。アウンコンサルティング(2459)(越境EC支援サービスを展開)、Hamee(3134)(越境ECサービスを展開)、ブランジスタ(6176)(海外販売代行サービスを展開)がそれぞれストップ高張り付き。

この越境ECという市場の流れはここから更に拡大が見込まれる話であると言えます。私はこの越境ECというものに対してすごく期待しています。


売りポートフォリオ大東建託(1878)は続落。引き続き上値切り下げの動 きが続いて25日線割れとなりました。足元はチャート的には16500円で三尊天井的な形になってきており、足元は一目均衡表の雲上限に下支えされそうな 格好になってきましたが、需給バランスが崩れてきていることで、割り込むのは時間の問題のようにも思えます。


・・・と、また文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。


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