ブログを始めた頃に分類したように、今日はリスクは少なめであるけど、着実に保有していられる銘柄を紹介します。
コナミ(9766)東証1部 日経225採用銘柄
22日終値 2505円 +35円
子供から大人まで、ゲーム好きであればこの会社の名前を知らない人はいないでしょう。私が子供の頃初めて買ってもらったゲーム機のハードは勿論ファミコンでした。そのファミコン発売後間もなくソフト開発に参入してきた代表格はハドソン、ナムコ、そしてコナミでした。
コナミのファミコン第一作「イー・アル・カンフー」は不朽の名作です。今でも瞼を閉じればあの音楽が蘇って来る・・・あぁ、そして色々なゲームに登場したコナミマンはどこへ飛んで行ったのか・・・
・・・といつまでも脱線していられませんので話を進めます。もっと過去に浸りたい方は下記のリンクを参照し、筆者と同じように若かりし頃を偲んでください。
http://www9.plala.or.jp/riversite/classic/maker/0-konami.html
そのファミコン黎明期を支えたハドソンがついにコナミの傘下に入りました。ハドソンと言えばコロコロコミックで様々に子供のハートを掴む企画を立案し、高橋名人というスターを輩出した会社です。私も子供の頃は16連射を見に高橋名人がキャラバンで回って来たのを見に行った覚えがあります・・・・
・・・また脱線でしたね。ちょっとゲーム業界には思い入れが強すぎるようです。要はあの時はハドソンの方が上の会社のようなイメージだったのに(PCエンジンまで発売した程だし。結果、PCエンジンの失敗がその後のハドソンを苦しめたんだけど)、今はすっかり逆転し、コナミといえば世界にはばたくグローバルな会社になりました。
さて、ようやく企業分析に移りますが、まず主力のゲーム開発は正直苦しい限りです。どんどん高機能になっていくハードにソフト開発費は膨らむ限り。画像は最早実写と言われても何の遜色もありません。その膨らむ開発費はゲーム業界共通の悩みです。ですがユーザーの希望には沿わねばなりません。
ゲームでのコナミの主力は「パワプロ」「メタルギア」「幻想水滸伝」といったシリーズものなのですが、パワプロは野球人気に陰りが、「メタルギア」「幻想水滸伝」は開発期間やクオリティに見合った利益が、というように、中々利益を出せるものではなくなってきています。
ユーザーに遊び倒されたソフトは中古ショップに回ります。また、中には違法コピーでDVDに焼かれ使用されるケースもあります。これはソフト業界全てに共通の悩みです。
その中でコナミを含めてゲーム業界が力を入れているのはコストがかからずに新しい遊びの創造、メンコの時代から変わらずにある遊びすなわちカードゲームですね。若干陰りが見えてきたカードゲームですが、遊戯王カードが再び復調の兆しを見せています。カードゲームであればコストをコンピューターゲームに比べてかなり抑えることができ、利益率も高くできます。
またちょっと脱線しますが、カードゲームの方がコピーで遊び倒されても良いような感じがしますが、そこはコレクター心理がきちんと良い方向に働いて、本物じゃないと意味がないんでしょうね。
後は合併で規模の優位性を発揮し、生き残る道を選択するしかないですね。セガとサミー、ナムコとバンダイ、昨日なんかはスクウェア・エニックスもタイトーのTOBを発表しました。ファミコン世代にとっては驚くべき業界再編ですね。
さて、コナミも前回紹介したスルガコーポレーションに続き、主力事業の伸び悩みにより、事業ベクトルの転換に成功している会社です。
まず今主力に育ちつつあるのがフィットネス事業です。スポーツジム経営のコナミスポーツを核としたこの連結業績寄与率は約3割(売上高ベース。前期売上高2600億円中800億円)単純に売上高でいけば、ゲーム事業に迫る勢いです。ただし、フィットネス事業は営業費用がかさんで営業損益のベースではかなり利益は縮小してしまいます。今後、いかにこの事業の営業費用を抑え、売上を伸ばしていくかが課題です。業界的には高齢化社会に向けて、中高年の健康志向を背景に拡大の余地は非常に大きいです。政府のバックアップもあることですし。
次にカジノ事業です。大人の遊びをも網羅して、総合エンターテイメント企業として進んでいく同社の意気込みが感じられます。東京のお台場カジノ計画は結局どこへ行ったのやらという感じですが、確かにお台場にカジノが出来た場合の追い風はすごそうですが、別にできなかったらできなかったで、世界中にカジノの需要はあるのですから問題にはなりません。事業規模こそ同社の5事業中一番ウェイトが低いですが、将来性は大きいです。ただカジノに納入している製品に不具合があった場合はかなりの金額を賠償請求されそうですね。そこがリスク要因です。
これらの事業をバックアップできるのは本業がしっかりしているからで、同社は子会社3社を吸収し事業効率化を計りました。ゲーム事業はやはり同社の柱なわけですから、ここの事業の効率化をが一番利益率を高める近道であるわけです。
分社当時は分社により意思決定のスピードが重要だったわけですが、先程述べたように現在では開発コストがかかり過ぎの状態です。その場合は規模の優位性を享受するために会社を統合した方がメリットが大きいわけです。
将来的に再分社化するかというと、これからのゲーム開発はどんどんコストがかかるものになっていくでしょう。行く末は映画制作費と同レベルになるかもしれないですね。となると、分社化は適当でありません。
ゲーム事業は従来のハードの機能に依存したゲームの形から、ゲームボーイやPSPのような比較的低スペックの製品、あるいは携帯電話で遊べるゲームのような比較的軽いもの、またオンラインゲーム等新しい分野に比重が移っていくでしょう。映像がキレイなゲームの開発がとまることはありません。例えるなら自動車会社がF1に参戦するように、技術力をアピールするための商品として、多少コストがかかっても開発していかなければならない分野になっていきます。
分社化するとすれば先程述べた別セグメントでしょう。ともあれ、各事業は未だ発展段階にあり、親会社の庇護の下、もうしばらくは続いていくでしょう。
タイミング的には先日同業のナムコがUBSの投資判断引き上げを受け、またクリスマス商戦や、新しいハード合戦を控えて、また昨日のタイトーのTOBもありゲーム業界に対する注目度はさらに高まっていくでしょう。コナミの場合、正直これ以上ゲーム事業で合併はなさそうですが、思惑はありそうですね(個人的にはカプコンと合併したら面白いのかなと思いますが、財務的には厳しくなってしまいそうです・・・)。
さて、テクニカル的には右肩上がりのチャートを描いています。日足で見るとストキャスティック上は良い状態になっており、25日線にサポートされた状況が続いています。上昇のためのマグマを蓄え上離れしつつあるようにも見えます。
どちらかというと週足の方が良い状態かも知れません。52週と13週、26週のゴールデンクロスがまとめてきているような格好です。全体相場が堅調であり、日経225採用銘柄である同社にも、先物の裁定買い等が入ってこれば追い風になります。
↓コナミの3ヶ月ヤフーチャートです。
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=9766.t&d=c&k=c3&a=v&p=m25,m75,s&t=3m&l=off&z=m&q=c&h=on
↓コナミの前期決算報告書のリンクを記しておきます。
http://www.konami.co.jp/zaimu/0503/japanese.pdf