KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

センター試練

毎年のように異常気象だ異常気象だと言われてますが、やはり今年も異常気象となるのでしょうか?昨年末から日本が雪で埋まっていますが、ここまで来たら何が正常で何が異常か区別が付かないですね(;^_^Aそしてついに最後の砦であった関東にまで雪が降り積もりました。少なくとも私が東京に来てから一番積もっているようです(ここ4年のデータ)。

学生の皆さんはセンター試験お疲れ様です。センター試験の日って何故か毎年雪降りません?私も学生の頃、センター試験の日に雪で遅刻しました(;^_^Aまあ、地元の富山はセンター試験の日だけでなく、毎日のように雪降ってるんですけどね。

実は1浪して2回センター試験を受けたのですが、2回目の時の話です。もう2回目だから慣れたもんだ、ゆっくり家を出よう・・・としたのが甘かった(・・;)その日も大雪で大渋滞。試験会場まで親に送ってもらったのですが、車があまりにも動かないもんだから、途中で車を降りて走っていって1時間目の英語を10分遅刻( ̄Д ̄;;

まあそれでも何とか時間内に全部マークシートを塗りつぶし、はぁーっと一息。その後の休憩時間に誰かの話声が。「一人遅刻して来た奴がいたろ?何か気になって集中できなかったよ・・・」

へ、ヘンだ。こっちの方が走ってきた後だし、焦ってよっぽど集中できんかったわい!所詮お前はその程度で集中力を乱される程度の精神しか持ち合わせていないんだよ!!と心の中で毒づき、そいつらには目を合わせないようにして2時間目の試験の準備をしていました(;^_^A

まあセンター試験というのは良くも悪くも全国の同世代全員がライバルの競争ですからね。エゴの塊ともなるわけです。その後、センター試験の結果がどうだったかは皆さんの想像にお任せ致しますが、結局センター試験を使用しない大学へと進学したのでした。

これが私のセンター試験の苦い思い出です。皆さんは何か思い出がありますか?

さて、日曜は例によって小説の日です。今年2回目ですが、前回までの分は毎週日曜のブログをご確認ください。それにしても13回で終わる予定が、倍の26回位はいきそうです・・・


                        台風一過
第十九章 台風直撃

心臓が飛び上がりそうになった。しかし、それは向こうとて同じはず。奴さん達は顔面を驚愕に引きつらせていたが、それがまるで鏡に映ったかのように、私たちも同じような顔をしていたに違いない。

思わず私の頭の上の蛇を掴み、二人に向かって投げつけたのは藍であった。
「ぎゃっ!!」
と叫んだのは向こうであったが、叫びたいのは蛇の方も同じであったはずだ。藍も随分と思い切ったことをするものだ。

「早くこっち!!」
と手を引かれて転びそうになりながら走るのは私の方だった。この時点で私はまだ状況に素早く対応できずにいた。後で考えてみると我ながら情けない。肝心な時に守られる側になるとは。

藍に手を引かれながら後ろを振り返って、初めて男達の姿がはっきりとわかった。地元の消防団のような「どてら」を着込み、年は40代後半といったところか。

ピーッ!!という耳をつんざくような笛の音が、静かな山の中を反響する。この瞬間、彼らの正体が何であれ、少なくとも私たちの敵であることは明らかになった。追う者と追われる者。単純な構図だ。

実は境界線を警備しているのは警察や自衛隊といった公的機関のみではない。むしろ地元の自警団の方が真剣にかつ活発に警戒しているのである。それは単に警察や自衛隊の人数や装備が不足しているからではない。彼ら自身の生活を守るためにである。

感染者を一人でも侵入させてしまうと無菌状態である非感染地域の生活が脅かされてしまう。その際、実際にウィルスが持ち込まれたかどうかは問題ではない。ウィルスを持つ可能性のある人間が一歩でも非感染地域に足を踏み入れたかどうかが問題なのである。非感染地域の人間はその事実に疑心暗鬼となるであろう。

今回出くわした自警団も自分達の生活を守るために必死に警察や自衛隊に協力している。彼らの心情は理解できる。理解できるが、だからと言ってこちらも「はいそうですか」と唯々諾々と捕まるわけにはいかない。私と藍の生活を守るためにエゴイストと後ろ指をさされても構わない。私と藍のせいで他の何百人、何千人と不幸になろうが知ったことではない。向こうも必死かも知れないが、こちらとて生きるために必死なのだ。

いい加減藍から手を離し、後ろも振り返らずに走り続けた。折角長時間かけて登ってきた道を駆け下りていく。山登りは下る方が大変だと言うが、やっぱり大変であった。しかも今回は背後からかくれんぼの鬼が迫ってきているのである。しばらくは彼らも何かを叫びつつ走って追い掛けてきたが、いかんせん我々の方がまだ若いし、機動性に富んだ装備をしている。その分彼らとの距離はどんどん開き、ついには一つの洞穴に身を隠すのに成功した。

一旦は彼らの声も近づいてきたが、「畜生!!どこへ言った!?」という怒鳴り声が次第に遠ざかっていった。彼らに出くわした時から過重労働を強いている心臓にようやく休暇を与えることができた。報酬の酸素を惜しみなく与えてやる。それ程標高の高い山ではないし、まだ6合目というところであろうから酸素が薄いわけではない。数分呼吸を繰り返すとようやく人心地つく。藍と無事を確かめ合う。

「ねぇ、やっぱり東京に戻ろうよ」
疲れた様子で藍がつぶやく。
「今更何を言ってるんだよ」
「だって、もし、もしもよ、もしも私達が実家に辿り着いたとしても、私の家族が私たちを受け入れてくれるかしら?」
「・・・」
「少なくとも近所の人達には東京から来たってことがバレるじゃない。その時私の家族が生活していけなくなる。誰も私たちに近寄ろうとはしないわ。もし家族が受け入れてくれたとしてもそれじゃ家族に迷惑がかかるし、家族が受け入れてくれなかったらと考えると・・・」
「考えると?」
「ぞっとする。もう二度と家族と会えなくなると思うわ。向こうも電話でなら幾らでも心配できるけど、いざ実際に会うとなると腰が引けると思うの。身内にそんな風に扱われたら、私これから先どうやって生きていけばいいのか・・・」
「いや、そんなことにはならないと思うよ。血は水よりも濃いというじゃないか。でもオレは追い出されるかも知れないなぁ・・・」

ここに来て弱気になってどうするというのか。もう他に方法はないじゃないか。オレの実家に行ったとしてもやはり同じことが問題になるだろう。私の心の中には焦燥と苛立ちが共存していた。その後二人はしばらくうつむき加減で黙り込んだままだった。

それにしてもいつまでもここの中に隠れているわけにはいかない。そのうち警察犬とかやってきて、臭いから居場所が突き止められてしまうだろう。そうなる前に進むか引くか方針を決定しなければならなかった。

今後について協議しようとした矢先、にわかに雲行きが怪しくなってきた。ゴロゴロと遠雷の轟きが聞こえてくる。そのうち雨が降り出し、風の勢いも増した。これで私たちの臭いも消されるし、追跡の手も緩む。好都合だと思ったが、数分後には後悔の念に変わっていた。落雷はすぐそこで発生し、雨は滝のような激しさに、風も洞穴の中で不気味な唸り声のように反響する。藍が私にしがみついて不安そうな顔をする。

携帯電話で天気予報を確認しようとしたが電波の届くような場所ではなかった。まして洞穴の中では更に難しいだろう。登り始める前に天気を確認しようとも思ったが、雲もほとんど無い青空だったことに油断していた。どうせ山の天気は元々変わり易いし、まあ雨が降ったら降ったで隠れて行動するにはもってこいだと思っていたから、それ程真剣には考えていなかったのだ。甘かった。が、後悔先に立たず。水が徐々に洞穴に浸水してくる。

この時日本中で台風8号が本土に上陸したという重要な事実を知らないのは私たちだけだったかも知れない。藍が平井に襲われてから東京を脱出するまでの間に情報らしい情報を得る機会や時間が無かったのだから、何人にも準備不足と指摘される筋合いはないはずであるが、そんな言い訳によって今の状況が何ら好転する事はなかった。(つづく)