KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

父の日を前にして

よりによって雷が15秒間隔で鳴り続け雨が激しく降り、車のワイパーをMAXにしても視界がほとんど晴れない、まるでミステリー小説の冒頭に相応しいような時に迎えに行かないといけないなんて。金曜はこんな状況の下、父を老人ホームから迎えに行きました。こんなに雨が激しく降るのが前々からわかっていればもう少し時間はズラしていたんですけど、既に予め時間を決めていたものですから今更如何ともし難く・・・

約半年ぶりに父が実家に戻ってきました。とは言っても今回も一時的な帰宅。今日の夕方にはまた老人ホームに戻らないといけません。父は脳の手術をしてから、それでもだいぶ回復してきましたが、体の至るところが自分の思うように動かなくなり歩くこともままなりません。介護度4という状態のままです。

私が四六時中家に居られるのであれば、父は施設に入らなくても何とかなります。しかしながら私も働かないと食べていけないですし、せめて一人で歩いてくれるようにならない限りは残念ながら家に完全に連れ戻すわけにはいきません。母一人で父の体は到底支えきれず、施設で介護士さんを手伝おうとしただけでぎっくり腰になってしまった程ですから。

そんな父を激しく降りしきる雨の中、極力濡れないよう車イスごと予め予約しておいた介護タクシーに乗せて実家に連れてきました。
「おじいちゃんもあいにくの雨の中大変やねぇ。ははは・・・」
介護タクシーの運転手さんは私にそう話しかけますが、よく私は孫と勘違いされます。実際父が40台の時の子供であるし、年齢差的には孫とおじいちゃんと思われても不思議はないのですが、一々訂正するのも面倒臭いので「そうですねぇ」と相槌を打って過ごしました。家に着く頃には嘘のように雨は上がり空には虹が。何とか降りる時はすんなりいきました。

半年ぶりの我が家は特に変わりはなく。強いて言えばテレビが地デジやらBSデジタルやら入るようになった程度で、父にしてみればテレビの映りが良くなろうが悪くなろうが関係のないことです。ちゃんと見られればそれで良い。しかしこの日は豪雨と雷で折角のデジタル放送も時折ノイズが入っていました。

夕飯は施設に内緒でビールとすき焼きで舌鼓を打つ父。当然ながら療養中の父にとってビールと牛肉は体に良いわけはありません。それでもたまに家に帰ってきたんだから少し位というのは親心(?)です。ただしビールはコップ一杯だけ。調子付いた父が「もう少しビールくれたって良いのけ」と抗議しますが「自分一人でトイレ行かれんがにたくさん飲んだら夜大変やろ」と我々に止められ、渋々諦めてコンロの上の牛肉をつついていました。

やがて孫軍団がやってきて一段と騒がしくなる我が家。普段は私と母二人きりの実家ですが、にわかに賑やかになりました。ひとしきり騒いだ後に嵐の後の静けさ、夜も更けて父をベッドに寝かして・・・ここからが実は母にとって大変なのです。

元々父は夜に頻尿の気があり、夜は2、3時間置きにおしっこをします。紙おむつをしていますが、2回分は吸収できるかできないかの量なので、夜中時々確認しないとベッドが尿で大変な事になります。そしてできれば尿瓶を当ててオムツの中で用を足さないようにした方が父にしてみれば不快感もないため、数時間おきに様子を見ないといけません。

私は最近不眠症な事もあり、折角寝付いてもまた起きてしまうと寝れなくなるので、夜の尿当番は母一人にお願いしました。どうせ私がおしめを替えるというのも父にしてみても望ましくはないですし。母も食事を作ったり色々忙しいのですが、父の体を動かしたりする肉体労働は私が引き受け、細かい身の回りの世話は母という感じで役割分担しました。

・・・案の定眠れない私。昨晩も結局深夜3時半位まで布団の中でゴロゴロしていました。隣の寝室から父と母の話声が。
母「眠れんがけ?」
父「色々気になって眠れんわ」
母「おしっこは?まだ大丈夫け?」
父「出たら起こすわ」
父も自分の体の事や家族の事が気になって夜になかなか寝付けないのでしょう。母も父を気にしてなかなか眠れない。そして父は実際にはおしっこをしたいと思っても母を起こす事はないでしょう。昼間からアレコレ手を煩わせているのに、夜中わざわざ自分の用を足すために伴侶を起こすのも気が引けるところです。

そして翌朝。やはりベッドはベタベタに汚れていました。父は申し訳なさそうに仰向けのままでシーツやおむつを取り替える作業の成されるがままになっていました。母は冗談や軽口を言いながら、できるだけ父を責めないように作業していました。

ただ半年前の正月に家に来た時と比べて改善された部分があります。それはトイレに座って用を足せるようになったこと。勿論人の手を借りないといけないのですが、施設に居る時は一日二回トイレで用を足す練習をしているのです。父は「トイレに行きたい」と言って、母が「うちのトイレでは無理じゃないがけ」と心配するのをよそにトイレで大きい方をしようと試みました。実家のトイレには手すりが付いておらず、施設のトイレと比べて体が安定しないのです。そこが母の心配の種でしたが、便座に座らせるまで補助をすると、後は比較的スムーズに用を足せました。

はっきり言って半年で進歩したのはそれだけ。後は半年前と特に変わらないようです。本人は今年中には実家に戻って暮らしたいようですが、正直このペースだといつの事になるかわかりません。年齢的にもこれから段々体は弱ってくるはず。益々状況は厳しくなるでしょう。

最近は年金や介護での問題が毎日のように新聞紙面を賑わしていますが、国や企業は極力あてにせず、健康で生きていられるのが一番良いのは当たり前です。その中で今の自分にできる事は何か、そういう点に思いを巡らして例えば日々健康面に気を遣ったりして元気に暮らしていかないといけないと痛切に思う今日この頃です。