一通りメモリアルパークを散策し、まだ時間があったので「9/11メモリアルミュージアム」に入ってみることにしました入館料は一人24ドル正直国が国威発揚目的で運営するのでもう少し安いと思っていたのですが、案外強気の価格設定ですね
入館するとまずはやはりしっかりと金属探知器などでボディチェックがなされますやはりまたテロの標的になりかねない場所ですからね
その後エスカレーターを通じて地下に施設の大部分は地下にあります。そこでまず目に飛び込むのはワールドトレードセンターの鉄骨。このミュージアムそのものがワールドトレードセンター跡地に造られているので、残った鉄骨がそのまま展示されています。
それにしても、このミュージアムには本当に「9.11」に関する全てのものが展示されていました。当時の映像や実際の通話記録などは元より、気象状態や風向き、その日の新聞、更には相手方のテロ組織の情報まで、全方位的に網羅されていました。
当時の行方不明者の情報を求めるポスターから、亡くなった方のパーソナルな情報まで全て網羅されています。誕生日から出身地、勤務先も全てデータベース化されており、当時の肉声が残っていたらそれも呼び出せるようになっていました。勿論、遺族が望まない場合は展示されないのですが、ほとんどの人が公開に応じているようでした。
中には日本人も複数人含まれていて、特に金融機関が多くこのビルに入っていたものですから、勤務地が金融系の会社になっている人がほとんどでした。若い人が多く、この世界の金融の中心であるNYにまで派遣されているわけですから、将来を嘱望された優秀な人たちだったのに・・・と思うと余計に無念の思いが大きいのでしょう
現場で巻き込まれた消防車から掘り出された出てきた携帯電話や時計、ドル紙幣まで。そんな当時の状況を余すことなく再現していますから、14年前から時が止まってしまったように錯覚します。ですから涙ぐむ人用に随所にティッシュとゴミ箱が設置されているのも特徴的。
↓倒壊に巻き込まれた消防車
↓ひしゃげた鉄骨が事故の壮絶さを無言で雄弁に物語ります
↓未だに行方不明者がこの壁の奥に居るということで、展示に賛否があった壁。
実は師匠も当事者の一人。何と01年9月11日に当時の勤務先がツインタワーの上階にあったということで、9時からアポイントメントをとってあったそうです。それで7時過ぎに受付を済ませて、まだ時間があるから近くの喫茶店で朝食をとっていたいた際、一機目がまず8:46に1ワールドトレードセンター(ノースタワー)に激突。ものすごい爆発音と衝撃を感じて喫茶店を飛び出すと、ビルから煙がもうもうと上がっていたということ。
当時は単なる事故だと思われていました。なのでもう一つのサウスタワーの館内放送で「避難の必要は無い。皆自分のオフィスに戻るように」という放送が流れたそうです。それが結果的には次の航空機激突での被害を大きくしたのですが、誰もそれを責めることはできませんね。まさか2機目が突っ込んでくるとは思いません。幸い師匠の会社の人々は皆念のため避難して、全員無事だったそうです。
そんなギリギリのところで奇跡的に生き残ったという思いは、この事件を直接的に体験した人々には等しく感じるところがあるのでしょう。そんなわけで師匠も感慨深そうに一つ一つ丁寧に見学しておられました。(つづく)