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日経平均は本日反発。前日のNYはロシアのプーチン大統領がOPECの減産に協力する意向を示したことで原油が上昇し、それに合わせてエネルギー関連株が強含み。またサムスンのGalaxy Note7発火による敵失でAppleが上昇したことで、総じてしっかり。ドイツ銀行がアメリカ司法省との減額交渉が合意せずと伝わり、一時5%超の下落になったものの、結局2.5%のプラスで終わったことも安心感に繋がりました。
それを受けた日経平均は朝方買いが先行。ドル円が103円台後半まで回復してきたことも支援材料になりました。早々に17000円台に乗せると、その後もジワジワと上値追いの動きが続きました。1億株の自己株式消却を発表したソフトバンクG(9984)の急騰も指数を後押し。日経平均の方が上昇率が大きくなりました。
ただ後場は利食い売りが優勢に。ドル円が104円台に乗せるも伸びきれず、引けではかろうじて17000円台をキープするに止まりました。売買高は16億株台、売買代金は1.8兆円台と低調。
投資判断は「やや買い」。本日もしっかりした動きになっており、遂に節目の17000円も回復。10月に入ってから強い動きが続いています。
ただ気になるのは「前場しか動かない」日が続いていること。先月の権利落ち以後、前場にヒョロヒョロと買われた(もしくは売られた)後は、後場はヨコヨコなんですよね。本日も後場の値幅は50円未満。買い手不在の状況が続いていると言えますし、逆に言えば前場に売買しているのは誰でしょう?
ドル建ての日経平均を見ると、権利落ち以降下がっています。基本GPIFなどを中心とした国内勢が買っているのなら、為替ヘッジなどは付けないでしょうから、ドル建ての日経平均は上がるはず。となると、外国人が例年通り10月に入ってきてから買ってきているのかなという感触もあります。寄り前の外資系証券の注文動向でも、今月に入ってから買い越しが目立ちますしね。
で、一般的に欧州勢(またはそこの顧客のオイルマネー)は営業時間的にも後場から入り込んできやすいですし、先週は中国系は国慶節でお休みでしたから、そう考えるとアメリカ系が買ってきているのかなという推察になります。
日本だけでなく、世界的には長期金利の上昇が続いています。結局、日本の金利が上がるスピード以上にアメリカやドイツの長期金利が上がっているから為替の円安圧力が強まっている→それで円買いポジションの縮小を迫られている、というのがどうも今の円安の構図のようです。
また、先日は損保ジャパンとアサヒビールによる海外企業の巨額買収の話も日経一面で報じられましたが、こういった実需的な資金の海外移動も円安トレンドに弾みを付けている様子。
こうして見てみると、全般的にかなり良い流れが出来上がった感じがします。日本だけの感覚で言えば権利落ち後、世界的には原油価格の増産凍結がサプライズで決まってから新たな局面が始まったような感覚でもあります。
ただ足元は確かに良いとして、先々には一度ふるい落としの急落があって、そこから上がっていくとみています。問題はそのふるい落としがどのタイミングで、そしてどれくらいの規模になるかというところですが、とりあえず今週発生することは無さそうです。
一応頭の片隅で気にはしていたモンテ・パスキの空売り解禁に関してほとんど影響が無い様子ですし、ドイツ銀行も結局しっかり。もうヨーロッパの金融危機を煽るのも諦めたのではないでしょうか。
そうなってくると、ふるい落としのタイミングはアメリカ大統領選挙の手前。もう少し日が近づいてきたり、事前調査でどういう結果になるかで左右されるかも知れません。今のところクリントン氏優位で進んでいますが、まだ不安の種は尽きません。
雇用統計の数字に関しては原油価格が戻ってきてシェール関連の仕事が増えることから良い数字になるのではないか・・・と言っていましたが、ADP雇用統計と共に良くなかったですね。また外しました。ただそんなに悪い数字でないですし、韓進海運破綻の話もありましたから、まあ誤差の範囲内だったとは思います。なので市場の反応も特に大きな反応は見せていません。
個人的には引き続き12月の利上げはほぼ確実にあるだろうと思っています。今回雇用統計は良くなかっただけであって悪かったわけでもないですし、ISMの数字が製造業・非製造業共に良かったので、アメリカ経済の好調を否定するものではありません。
ただ足元スルスルと100円→104円まで円安に傾いた動きは、一旦また100円を目指す円高になるかも知れません。例年10月中旬まで円高傾向が強く、そう簡単に問屋は卸さず、ドンドン円安に流れるものではなさそうです。
なので、結局アメリカに主導権を持って行かれていることがわかります。つまりアメリカが利上げするか否かだけで為替が上下して、日銀が追加緩和するか否かはほとんど関係がない。
そういう意味では本来主権があるはずの日本の中央銀行は、何をやっても結局アメリカが利上げしてくれない限り円高局面が続くことになります。ですからマイナス金利の深掘りにもう意味が無い(むしろ弊害がある)、物価高に影響が薄いという結論に至るのが自然に思われます。ただ形だけでもファイティングポーズを示す必要はあるかも知れません。
一方、全般的に為替の薄商いが目立ちます。特にポンドの方は31年ぶりの安値水準となったことで買い板が薄く、7日の朝(8時頃)と夜(19時頃)に二度も急落する場面がありました。共にストップロス狙いの仕掛けもあると思いますが、こういう動きになってしまうこと自体が問題とも言えます。
幸いと言いますか、先般より為替に対して影響度合いが小さくなってきていたので、7日の日本株の動きには朝方のポンド急落の影響はほとんどありませんでした。もっとも海外の株式市場にも影響はありませんでしたし、イギリスにいたってはむしろポンド安が歓迎されて買われています。EU離脱の話も進む中、全く悲観されていないことはとにかく世界の株式市場にとってはプラスです。(大損したのはFXユーザーのみ?)
他方、人民元も本日6年ぶりの安値を更新の動き。世界最大の基軸通貨アメリカの動きが各国で気にされ、そしてまた通貨安戦争が始まりそうな気配もあります。
新興市場も「やや買い」。本日は高安マチマチ。マザーズは直近IPO銘柄などは強かったですけれど、指数にはまだ組み込まれていないため指数としてはマイナスでした。それ以外の主力株は円安を背景にした1部銘柄への資金回帰の動きが色濃く出た格好。例年新興市場が上がり出すのは10月の終わり頃からですから、ちょっとそこまでは個別勝負というところでしょうか。
【ポートフォリオ銘柄】
みずほFG(8411)は続落。連休中に黒田総裁が「現状追加緩和の必要性は無い」と発言し、また上述したようにドイツ銀行の問題が特段材料視されなくなってきたことから、今日は銀行株も買われるだろう・・・と思ったものの、完全にどっちらけな展開でした。引けにかけてメガバンク揃ってのマイナスに。
なまじ全体相場が強いので日銀のETF買いが発動されない→ETF組成に必要な玉が買われない、という点が、今の銀行株全般の弱さに繋がっている面もあります。もっと外国人の資金が「日本株を持たざるリスク」を認識してガンガン買ってきてくれないと、やれやれ売りが上値を押さえ込む流れになりそうです。
キーエンス(6861)は反落。先週末無事TOPIXコア30への採用が決まり、とりあえず本日のところは高値更新後に出尽くしの売り優勢。まあこの辺りは仕方無いですね。一旦74000円辺りまでの下げを見て、そこからは月末の実需買いに向けた戻りが出てくる展開を想定。
・・・と、また文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。