KA.Blog

株式市場で気になる銘柄をピックアップして分析、検証していきます。主に中期~長期の投資で成果を上げ、値動きを追っていく予定です。株の他にも日常の話題やコーナーで綴っていき、むさくるしくない(?)ブログにしていきたいと思っています。

遠くの親戚より近づく他人 その7

それでも車中でお互いのこれまでの生活や、父の話などをしながら、まずは父のお墓に向かいました。今のご時世、果たして墓を建てることが良いのかどうなのかも議論の末、結局母の意向で建てたばかりの真新しいお墓でした。

そこで父にご挨拶。新型のお墓は、お骨を入れるところも簡単に開きます。母は人がお参りに来る度に、嬉しそうにわざわざそこをパカッと開けてお骨を見せたりしていましたまあ、今回は確かに見せる必要があり、兄にしてみれば約半世紀ぶりの父との対面となりました。

そこでお参りを済ませると、次は兄の生家に案内。生家といっても既に家は建て直されているのですが。近くには従兄弟が住んでおり、従兄弟は兄と遊んだことがあるそうです。もっとも、兄の方は物心が付く前に父と離れてしまったので、その辺り全く記憶に無いそうですが。

そんな従兄弟も交えて近くの寿司屋で昼食。そこでようやく落ち着いて互いのこれまでの話を伺いました。

兄は新しい父親の仕事の関係で、日本各地を転々としていたこと(住民票もアチコチ移動していたけれど、それ以外にもアチコチ転々としていたとのこと)、子供の頃からその父親とウマが合わなかったこと、高校の時に家出同然に自転車で旅に出て、辿り着いた沖縄でしばらく生活していたこと、そして19の時になって初めて自分の父親が別に居ると聞かされウマが合わない理由がわかったことなど。

特に旅が好きで、電車の時刻表を毎回買っている、というところに我々は「お父さんと一緒だ」と口を揃えて驚きました。ただうちの父と違うのは自転車などの身体を動かすことも好きなこと。特にその高校の時に家出した際、東京から九州まで自転車で旅に出て、フェリーで沖縄まで行ったという行動力にはビックリでした

我々も父の人柄やこれまでの父の思い出、寝たきりになった経緯や最期の状態などを伝えました。実は兄は老人病院で看護士をやっており、丁度父が最後にお世話なったようなお仕事をされているとのこと。なので父の状態をよく理解できるそうです。

そして母が「実はお父さん、私と再婚した後に東京にあなたが居ると聞いて、何度となく探しに行ったのよ。ただ、この子(私)が産まれて、ようやく諦めが付いたように、それ以来あなたのことは一切口にしなかった」と伝えました。私も初めて聞いた事実でした。兄は一言「そうですか」と沈鬱につぶやきました。

私も今や人の親となってわかるのは、自分の子供と引き離された時の衝撃。これらは父の口から一切聞かなかったので母からの伝聞ですが、どうも姑とのソリが合わずに離婚となったそうで、子供との別れもドラマチックで突然だったそうです。それこそ半身をもがれたような、身の引き裂かれん程の思いだったのではないかと。本人の口から語られなかったから余計に深みを感じました。

非常に結果論ではありますが、どうにかして父が生きている間に兄に会わせてやれれば良かったのに、と悔やまれました(つづく)