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日経平均は本日続落。前日のNYはFOMC議事録で大幅利下げが討議されたことが判明し、総じてしっかり。また小売大手の決算が良かったことも安心感に繋がりました。ただNASDAQなどは半日立ち会いを除いて売買高が今年最低と低調でした。
それらを受けた日経平均も朝方から買いが先行。ただほぼ寄り天の形となり、20700円やTOPIX1500ポイントの節目を意識した推移に。中国株がしっかりしたスタートになりましたが、次第に売られ為替も円高方向に振れ値を消す展開に。TOPIXはマイナスに転じています。売買高は11時時点で4億株と低調。
投資判断は「買い」。日本株は2万円手前で安定しており、暴落には何か別のネガティブサプライズが必要でしょうね。 先日例えばさりげなくロシアが原子力ミサイル実験に失敗というのがありましたけれど、大国同士の偶発的な武力衝突とかあると、そういう条件に合致してくるのかも知れません。
実際、市場は香港問題にアメリカが首を突っ込むことを警戒している感じもあります。ただ基本的には誰しも想像が付かないようなことが発端になりますから、そもそも私ごときが予想できるはずもないですね。
需給的には以前も書きましたが、MSCIアジア株などで中国、日本、韓国まとめてドンで海外投資家に売買されている事情もありますから、そういった資金に左右されるのだろうと思います。実際、本日の売買代金も低水準で閑散の中、中国株の値動きに一喜一憂しています。
ただ半導体関連株が比較的しっかりしていることで、米中貿易戦争懸念は市場の中では後退している印象です。例えばルネサスエレクトロニクス(6723)やアドバンテスト(6857)は8月の高値圏を維持している形。アメリカ株の下落はアメリカ側の弱点であり、米中対立が和らぐのではないかというプラスの面が中国株や米中貿易戦争の影響を受けやすい株の下支えになったような感じです。
一方、アメリカの債券が逆イールド化してきたので、FRBは益々利下げをしないといけなくなってきました。利下げは基本的に短期債に効くので、2年債の利回りを鎮めないといけません。ですから米中貿易戦争が万一本当に緩和したとしても、アメリカの追加利下げは待ったなしな感じです。そう考えると両得の可能性が出て来たので、実は株式市場にとっては最も美味しい局面です。
そもそも先週アメリカ株が急落した局面でも、ユーロドルを見るとユーロの方がむしろ売られていました。アメリカの景気後退懸念云々よりも、ヨーロッパの方の景気不安感の方が高い状況でもあります。ただそのくせ、ドイツの国債はガンガン買われている不思議。景気後退が見込まれるドイツの国債はちゃんと買われているのです。30年債すらマイナス金利になっている格好。
安全資産への回帰という単純な言い方をすれば整合性はとれますが、ドイツ銀行やコメルツ銀行といったドイツ大手の金融機関が非常に厳しい経営状況なのに、金融不安を感じていないというのはあまりにも楽天的過ぎます。そもそもマイナスリターンが確実な金融資産が安全なのか、という非常に常識的な疑問が生じます。
https://www.bloomberg.co.jp/markets/rates-bonds/government-bonds/germany
何故買われるかと言えば、まだ買われるから値上がりするだろう、という極々単純な経済合理性しか思いつきません。足元のメガバンクの決算は思ったより良かったのですけれど、大半は実際に債券売買益で稼いでいたということでした。長期の運用目的ではなく、短期トレードの対象として債券が買われています。まあビットコインを買うよりは、世間からの理解も得られやすいという程度でしょうか。
それだけ今お金が余って余って仕方無いのです。GPIFなどの金融機関は基本ポートフォリオがあり、国内債券はポートフォリオの35%(±5%までの誤差は許容)されるので、例え損をするかも知れないと思ってもルール上投資をしなければいけません。その中でなるべくマシな金融商品を頑張って選んではいるでしょうけれど、日銀がガンガン買っている中では玉も少なく選択の余地もありません。
https://www.gpif.go.jp/gpif/portfolio.html
同じようなことがドイツ国債にも起きている、すなわちECBがガンガン買ってくれるので、マイナス金利でも債券買いが許容されるというのも事実でしょう。イタリアの政局が混乱し、ギリシャなど財政懸念がある国の債券も十分買われている中では、相対的に割高でもドイツ国債の方がまだマシという考え方もできるかも知れません。ただ同じような理屈が通るなら、日銀がガンガン買っている日本株ももっと買われて然るべきでしょうが・・・。
一方、国内債券はともかく、国外債券は国毎に分散できるので、まだ利回りがあるアメリカ国債にドドッと資金が集まってしまうのは仕方がありません。 そう考えると今の債券安は(勿論10年以上続いたアメリカの景気拡大期終了懸念も十分ありますが)、金余りによってもたらされている面が強いと言えます。
このまま世界的な緩和傾向が続き、供給面での資金がドンドン増え、株価が(あくまで債券に比べて)割安に見えてきたら、また資金がドッと株に戻ってくる可能性は十分あります。それが私が最近主張している「不景気の株高」であり、そもそもドイツの国債は2年も持っていたら1%近く確実に損をするのに、それでも買われるのは理屈に合いません。
であれば、世界の景気が鈍化するのに株価が上がるというのは、十分説得力を持ってくるとは思います。ただ、スパンを細かく区切れば当然「急激な変化を受け入れる際には強弱感の対立が高くなる」ので、乱高下するのは当たり前。まして足元のような出来高が薄い時期は余計に変動幅が大きくなります。
というわけで、私は本当のパニックはREITも金も原油も各種債券も全て投げ売られて「Cash is King」と世界が本気で思った時だろうと思っています。Cash is Kingと思うということは、世界的なデフレが進んで行き現金の価値が相対的に上がることから、現金で持つことが実質的で効果的な「資産運用」になるということです。
新興市場は「買い」。本日は高安マチマチ。本日はKlab(3656)が東証1部で買われるように、世界景気の不透明感が高まる中でゲーム株買いの動きが出ています。それがマザーズのゲーム株であるエクストリーム(6033)やモブキャストHD(3664)などに波及。新興市場全体としても例年8月をボトムに年末まで買い上げられる傾向があることから、新興株に買い安心感があります。
【ポートフォリオ銘柄】
カナディアンソーラーインフラ投資法人(9284)は続落。引き続きREITが高値更新波動となる中で、安定高利回りのインフラファンドにも買いが回ってきている格好です。そして前回も書いたように6月以降上値抵抗線となっていた104000円を突破し、来週には52週線も上昇に転じる見込みでチャート的には申し分ありません。
サニックス(4651)は堅調。特段材料は無いですが、閑散相場の中で低位株に仕手っぽい動きが入りやすい地合でもあります。チャート的には一目均衡表の雲に下支えられており、明日にも200日線も上昇に転じてくる日柄。韓国による日本からの廃プラ検査強化もあって、廃プラ処理関連の需要は益々強くなると見られます。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。