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日経平均は本日続落。前日のNYは中国の新型コロナウィルス拡散により、中国の春節が延長となったことなどを受けて景気停滞リスクが台頭。中東情勢にまたきな臭さが出たことも嫌気されました。WTI原油は一時52ドル前半まで下げた他、VIX指数は昨年10月以来の19ポイントもありました。長期金利は一時1.6%割れとなり、半導体指数であるSOX指数も大幅安。
それらを受けた日経平均は朝方から売りが先行。ただ23100円辺りまで下げると、その後は押し目買いが入る形。時間外でNYダウ先物がプラスに転じ、中国株先物もプラスに転じてきたことを背景に安心感が出てきました。ただ一方で完全な安心感も出ず、後場は日銀ETF買い期待感もあるものの焼け石に水状態。売買高は14時半時点で8億株台と低調。
投資判断は「やや買い」。またしばらくお休みしている間に株式市場は高値圏から一気に急落となりました。ポジティブ材料よりもネガティブ材料の方が多く目に付く状況であることは間違いありません。
気になるVIX指数も昨年8月以降下値12ポイント、上値は8月、10月、12月の高値を結ぶ抵抗線で三角持ち合いを形成していましたが、今回上放れの動きになっています。
そうはいっても春先には沈静化すると考えられるウィルス問題より、最大の懸案事項である米中間の新冷戦とも言える覇権争いは、誰がどう考えても円満解決はありません。「すっかり解決する」なんてコメントは年始によくあるビックリ予想くらいなもので、大部分の人は「今よりマシになれば良い」程度に考えていると思います。
一方、政治が停滞すればするほど、世界は金融政策に頼らざるを得ません。MMT理論が幅を効かせるようになったのも、結局金融政策に頼らざるを得ない現状を追認するための口実でしょう。バブル時代の「Qレシオ」と同じようなものかも知れません。
ただこの世界的な金融緩和路線が世界的な株高の唯一無二の理由だろうとは思います。アメリカはひとまず利下げを止めましたが、FRBのレポ金利急騰に対するいわゆる「隠れQE」が更なる追い風になっています。それは6月頃まで続くのだそうで、そういう意味ではまだ相場の下支え要因としては機能していきそうです。
個人的にはその「隠れQE」が昨秋からの株価上昇の主因とまでは考えていません。最大6週間という短期資金で投資に金を回すのか、という疑問もありますから。そうは言ってもアナウンスメント効果があるのも事実です。一方、ヨーロッパと日本が未だ金融緩和を続けていますから結局世界的なマネーは膨張し続けています。
結果、ドイツDAXは先週最高値を更新、フランスCACも07年以来の高値となり、ユーロ圏の代表銘柄を集めたユーロストック600などの指数は先週過去最高値を更新しています。アメリカ株と同じような動きに。
というわけでいつもの繰り返しになりますが、色々日本の消費増税による景気の冷え込みがどうとか、安倍内閣の支持率低下の影響がこうとか、ぶっちゃけほとんど関係無いように思います。勿論個別株には色々な影響がありそうですが、少なくとも先物が存在する指数に関しては、結局「先進国の株を買う」という大口投資家の大枠の投資行動の前に、些細な誤差レベルの範囲だと捉えられているような気もします。
アメリカではここまで特にNASDAQの上昇が目立ちました。FANGに代表される巨大IT企業に資金が流れ込み、また自らも自社株買いで株を買い上げて株高を演出しています。なんだかんだでアメリカのレパトリ減税が奏功し、世界各地に散らばっていた資金がアメリカ本国に戻ってきたことが大きかったのでしょう。
アノマリー的にはS&Pが年間20%以上上昇した場合は翌年も強いというのがあります。ただ昨年確かに20%以上上昇しましたが、一昨年末の暴落で年初のスタート位置が低かったことから、追い風参考記録と言えるのかも知れません。
一方、アメリカの方の空売り比率はちょっとわからないのですが、参考としてはアメリカの銘柄で空売りの標的になりやすい51銘柄で構成されている指数はグングン上がっています。つまり売り方が苦しんでいる状況で、こういう場合は少しでも株価が下がるとヤレヤレの買い戻しが出やすいですから、やはりアメリカでも逆張りの売りが多い→買い戻しにより下落圧力が緩和されやすいのではないかとは思っています。
https://markets.ft.com/data/indices/tearsheet/summary?s=TRXUSPMSHRT:REU
日経平均の方はチャート的に先月まで月足4連続陽線で、これは昨年6~9月以来の出来事。その後10月から下落が始まってしまったという点では不吉さは感じますし、もしこのまま一月安値を更新してしまうと24000円を意識して昨年1月、10月、そして今年12月で三尊天井形成となりかねません。ここまで売買代金が薄いので、下がり始めると早いです。
ドル円はチャート上の長期三角持ち合いを下放れの動き。16年と18年の安値を結ぶ下値支持線を昨年8月に明確に割り込んで以降、この上昇する下値支持線を一転上値抵抗線としながら少しずつ円安方向に振れていたのですが、今回明確に割り込んだ形です。実際、ドル円は1月に円高になりやすい傾向にあり、特に14年以降は1月全敗(円高)。円高は上値の重石要因となりそうです。
大きなトレンドは、アメリカもこれ以上の利上げが当面望めない中でトランプ大統領がドル安を望んでいることもあり、やはり円高への流れに分があるのだろうと思います。なお、昨年のドル円は変動相場制で最小レンジでしたが、このレンジ最小更新は3年連続なのだとか。
毎月月初の重要指標後の反応や月替わりによる大口投資家の投資行動の変化は細心の注意を払いたいところです。
新興市場も「やや買い」。本日は両指数共に軟調。JASDAQは続落で一時代終わった感がありますが、深刻なのはマザーズの方。昨年8月以降の安値を結ぶ下値支持線を明確に割り込んだ形になりました。一般的に決算期を通じてマザーズが反転することは難しいので(期待先行の新興株は大抵決算で期待が現実に変わるから)、こちらは8月安値820ポイント辺りを目指す動きになってしまうのでしょう。
【ポートフォリオ銘柄】
カナディアン・ソーラー・インフラ投資法人(9284)は反発。足元で世界的なリスクオフムードから金利低下が続く中、安定高利回り商品に買いが向かっても良いはずですが、まずは資金逃避の動きが出ていました。本日はようやく反発の動き。来月にはジャパン・インフラファンド投資法人(9287)のIPOもあり、資金分散の動きもあったと見られます。ですから余計に押し目は買いだと思います。
フマキラー(4992)は大幅反落。ウィルスブロック関連商品を扱っていることから、ここまで新型コロナウィルス関連株として値動きの軽さも手伝って急騰していました。ただ本日は関連株が買い疲れ感から大幅反落となる銘柄が続出。同社も一転売られてしまいました。ただ今年は暖冬なので、次の材料である花粉症も出て来ます。引き続き注目です。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。