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日経平均は金曜続伸。前日のNYはECB理事会での0.75%利上げやパウエル議長の発言を受け、9月FOMCでの0.75%利上げが織り込まれる展開。それでも長期金利は3.32%に上昇しましたが、3指数揃って上昇しました。特に半導体関連株指数のSOX指数は1.8%の上昇。VIX指数は23.6ポイントに低下。
それらを受けた日経平均は朝方から買いが先行。昨日急伸の反動も無くSQ値が28253円で決まると一旦売りに押されたものの、昨日高値に接近して窓をほぼ埋めるとその後は反発の動き。中国株の開始と共にもう一度安値を試しに行く場面がありましたが下げきらないことを確認すると、再度SQ値を意識して値を戻しました。
昼に黒田総裁を始め金融当局高官が相次いで円安牽制発言をしたことで、ドル円は142円半ばまで一気に円高に。それを受けて後場はやや売られて始まったものの、ほぼ後場寄りを底値に下値切り上げの動き。断続的に買われ、いつものパターンで前引け水準で引けました。売買代金は3.1兆円台とメジャーSQだったこともありそれなりに活況。REITも堅調でした。
投資判断は「買い」。金曜のNYは引き続き連銀総裁のタカ派コメントが出たものの、9月に0.75%の利上げが織り込まれて3指数揃って堅調。4週ぶりの上昇となりました。長期金利は3.32%と高止まりですがNASDAQが2.1%の上昇に。SOX指数は2.4%の上昇。それらを受けた日経平均先物は28190円となっており、週明けの日本株は堅調なスタートが予想されます。
ただ残念ながら、このまま底入れして上がっていく・・・という確証は持ち得ていません。需給面では日経ダブルインバース(1357)の信用買い残高水準は今や減少に転じ説得力を失ってきたのですが、空売り比率が1日に51.2%という高水準となりました。ただ過去最高でも無いですし安値引けでもなく、インパクトがもう一つ足りません。
しかし過去の空売り比率50%超えを見ると、何かしらの理由が必ずありました。例えば前回7/8はETF分配金捻出売りと安倍元首相の暗殺、その前の6/29はTOPIXのリバランス、更にその前3/11はメジャーSQ・・・などです。
今回は単に9月月初であることくらいしかなく、アメリカ株安に追随しただけの空売り比率の高さです。ここをどう読み解けば良いのかは判断に困るのですが、もう一発50%超えがあれば確証に変わるのですけれど。
あと日経平均の上値を抑えるのが、日経平均の入れ替えです。昨年に続き実質3銘柄の大幅入れ替えで、採用は日本電産(6594)、SMC(6273)、HOYA(7741)で、除外がユニチカ(3103)、沖電気(6703)、マルハニチロ(1333)。
日経平均に関するルールも大きく変わり、まあ目先は影響ないのですが「年2回の入れ替え」と「一銘柄の寄与度12%超えに上限」が決まりました。後者に関してはファーストリテイリングにのみ関係があると言っても過言ではないのですが、今年に関しては基準日の7月末に条件に達していなかったので特に問題はありません。前者も元々10月に定期入れ替えの発表があったので例年通り。
ただ今回採用が日本電産(6594)やHOYA(7741)といった時価総額5~7兆円規模の銘柄に対し、除外のユニチカだと時価総額が150億円程しかないので、入れ替えのために他の222銘柄に5200億円相当の売りが出ると試算されています。ただ個人的な経験則では、過去こういったことがあっても、あまり極端に重石になったことはないのですが。
なお、影響はあくまで日経平均であり、TOPIXへの影響は軽微です。なのでNT倍率の低下に繋がりそうですし、逆にこれを想定してNT倍率がここまで下がってきたのかも知れません。
ちなみに日経平均銘柄入れ替えの際、狙い目はむしろ除外される方の銘柄。やはり翌日こそ素直に売り反応となりますが、間も無く底を打ってそこから月末までは買われやすい傾向があります。
例えば昨年はスカパーJSAT(9412)、日清紡HD(3105)、東洋製罐GHD(5901)が除外され、スカパーは翌日が発表翌日寄りがほぼ底値で9/7安値414円→9/14高値451円(上昇率8.9%)、日清紡は大幅安で10日間下げましたがその後買われ、結局発表翌日寄りより9月末の株価の方が上回りました。
一昨年は日本化薬(4272)だけ除外されましたがやはり翌日が安値、発表翌日の9/2に安値923円→9/18に1048円の戻り高値(上昇率13.5%)、18年の古河機械金属(5715)は翌9/6に安値1520円→9/28の入れ替え当日に高値1737円(同14.3%)、17年の明電舎(6508)は翌9/6安値362円→11/22に高値492円(同35.9%)、北越紀州製紙(3865)は9/6安値647円→10/5高値744円(同15.0%)といった具合。
まあ15年の日東紡(3110)はその後入れ替え当日までダラダラ下げ続けましたし、17年の日本曹達(4041)や昨年の東洋製罐も弱いままでしたから、必ず成功するわけではありません。ただ、他の指数の組み替えの場合も、過去からの経験則として採用銘柄(一般的に予想されやすく先回り買いされやすい)より、除外銘柄の方が上がりやすい(同じく予想されるのなら、既に先回りの売りヘッジが入りやすい)というのがあると思われます。
最後に市場別ではスタンダード市場が今は一番安定感があります。結局外部環境に左右され辛い割安株が多く、元々売買が活発でないので今更慌てて売ってくる人も少ないからでしょう。一方、その安定性に目を付けた仕手株が増えているのも現状。持っている株が仕手化したらラッキーですが、仕手株に追随するのは余程機敏に対応できる人でないとオススメはしません。
新興市場も「買い」。金曜の東証グロース市場指数は続伸。結局外国人投資家が買いに転じてくるかどうかが分かれ目。短期的な値頃感はあるものの、需給的にはメジャーSQを通過しても好転し辛く(ただしマザーズ先物が清算されてスッキリする期待感は少しだけある)、また期末の配当や優待期待感も薄いです。ただグロース再反転はそう遠く無いとも思っています。
それでも私はグロース株の反発を期待しています。ただしそのためには核になる銘柄の出現が必要十分条件で、それを担えるのはメルカリ(4385)だと思っています。
【ポートフォリオ銘柄】
巴川製紙所(3878)は続伸。足元でSOX指数が上昇するなど、半導体関連株のもどりが見られます。同社も隠れ半導体関連株であることに加え、スタンダード市場の安定性も下支えとなっています。各移動平均線を上回っている好循環な流れであり、まだ上値追いは続くと思います。
トヨタ(7203)は反落。地合がこれだけ良い中で弱い動きとなっています。金曜に関しては冒頭で述べたように金融当局の円安牽制発言が響いてドル円が1円以上円高方向に振れたことも重石になりました。ただ7月の生産台数は他社は回復する一方、トヨタは唯一のマイナスと遅れが目立ってきました。この辺りが嫌気されている面は強そうです。
・・・と、また好き勝手書いていたら文字数制限にかかってきたので今回はこの辺で。いつも長々とした駄文をお読みいただき、誠にありがとうございます。
なお上記内容は一部前日以前に既発の有料メルマガからの抜粋を含んでいます。
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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。