防衛大学校入校話の続きです
http://www.ric.hi-ho.ne.jp/joeshow/KA.Blog/20200531.html
1学年が「お客様」ではなくなってから初めての朝6時半の起床ラッパが鳴る前に、週番が1学年の各部屋を覗き込み点検しますズバリ、起床ラッパが鳴る前に「不正」で毛布やシーツを畳んだり、作業服に着替えたりする輩が居ないかどうかをチェックするためです。週番も週番で大変です
事前に「絶対やったらダメだ」と聞いていたので、実際は目が覚めてしまっているものの寝たふり(あるいはドアが開いた音で初めて目覚めたてい)で対応。ぶっちゃけ緊張で目が冴え、起床ラッパで起きる呑気な1学年はいません
ただある種、週番が通過した後であれば、物音を立てずに少しずつ「ズル」ができますまあできることはせいぜいシーツを完全に引き剥がすこと(もし見つかっても寝相が著しく悪いで誤魔化せる)、靴下を履くこと(同冷え性だと言って誤魔化す)、毛布を半分くらいまでは畳んでおくこと(同「最初から折りたたんで使っていました」と誤魔化す)、くらい。どれも細かい細かい話ですが、1秒を争うので、皆ごそごそと蠢きます。
そしていよいよ緊張の起床ラッパ。まずすべきはドアを開け廊下に向け「おはようございまーす」との全力での掛け声。それを済ませると、シーツや毛布を一斉にたたみ始めます
ところで三人部屋の場合、一人ベッドと二段ベッドという構成でした。しかも当時、二段ベッドは金属製の年季の入ったボロボロのもので、一人ベッドだけフランスベッドのような上質感のあるものになっていましたどうも女子学生が入校してきた辺りから、少しずつベッドの入れ替えが進んでいて、その過渡期だったので新旧混在していました。
そのベッドは着校順の早い者勝ちで選択権がありました。我々の部屋に関しては実家からの距離に比例し、すなわち千葉のD君が一人ベッドを勝ち取り、埼玉(熊谷)のC君は二段ベッドの下段を陣取り、そして私は余り物に福の無い二段ベッドの上でした(つづく)